SPORTSよこはまVol.21:特集(2/4)
剣道は防具を着用し、竹刀を用いて一対一で試合をする競技と見られますが、その本質は稽古を続けることによって心身を鍛え人間形成を目指す「武道」であり、日本の伝統文化として受け継がれています。
現在の竹刀を用いる「剣術」は、武士の訓練のため江戸時代中期に考案され、現在では学校教育にも取り入れられるなど広く行われてきました。
剣道は格闘形式で行われるもので、対人的技能が必要になります。相手との攻防では「心」「気」「力」を一つにして竹刀を振るいます。また、勝負の場においても相互の人格を尊重しあうことによる「礼節」を重視します。そして剣道は体格・体力の及ぼす影響が少ないため、世代を超えて学びあえる運動として長く続けることができます。
横浜市剣道連盟 山田 尚 会長
剣道は多くの人が親しめる競技です。多くの子供たちに日本文化の歴史を伝えてもらいたいですね。
オリンピックの正式種目にもなっている柔道は、正式名称を「日本伝講道館柔道」といい、嘉納治五郎師範によって創設されました。嘉納師範は日本古来の武術である多くの柔術を学び奥義を極めましたが、柔術の修行は青少年の教育的価値が大きいと考え、体育、修身を目的とした近代スポーツとしての柔道を完成させました。
柔道の技は「投(なげ)技」「固(かため)技」「当身(あてみ)技」の3種類に分類され、投技の技術面では「崩し」「作り」「掛け」の軽妙な進退や体さばきを身につけ、相手の力を利用して投げることに妙味があります。
近年、柔道の「国際化」「競技化」「スポーツ化」が進み、勝敗のみが注目される傾向にあるため、講道館と全日本柔道連盟は嘉納師範が提唱された「人間教育の道」としての柔道を目指す「柔道ルネッサンス」合同プロジェクトを立ち上げ、柔道の原点に立ち返ろうとする運動を進めています。
横浜市柔道協会 友岡 和昭 会長
柔道の理念は人格の完成を目指すものです。日々の稽古で自分を高め社会に貢献してもらいたいです。
日本拳法(にっぽんけんぽう)は故澤山宗海宗家が昭和七年に日本で初めて防具着装による実践の拳法として創始されました。安全な防具を着装することにより、突き・蹴り・間節逆捕りのすべての実践的稽古が可能となり、格闘技の真髄を追求する日本拳法が誕生しました。
従来、突き・蹴り技はわが国の格闘技の源流である古代相撲においても、戦国時代の武家の体術である柔術においても重要な決め技であったのですが、安全性を重視するため次第に禁じ手とされてきました。また、中国から沖縄に渡来して発展した唐手もその強力な打撃力のため、形(型)稽古または寸止めにて組み手稽古をせざるを得ませんでした。
剣術が江戸時代に防具が創案されてから飛躍的にその技術が発展したのと同様に、日本拳法も突き・蹴りの実践の拳技をみがくために必然的に発生した武道と言えます。(日本拳法連盟解説より)
蹲踞(そんきょ)の礼
蹲踞の礼は、試合形式の場合に相手と交わす礼のことで、日本拳法と同様に剣道、相撲に受け継がれている日本古来の制式です。
横浜市日本拳法連盟 小野 謙治 さん
強さだけではない優しさも楽しさもある日本拳法。
空手道は、琉球王国時代の沖縄で発祥した拳足による打撃技を特徴とする武道で、古くからあった格闘技「ティー」が中国拳法の伝来に影響を受けて発生しました。試合などの勝負や力比べだけを目的とせず、厳しい修行の中で双方の人格を尊重し、礼節を重んじる人格形成のための手段として発展し今日の空手道となりました。空手道の特徴は形と組手の2つの要素から成り、形はあらゆる攻防の場面を想定した「突き」「蹴り」「打ち」「受け」等の基本技を組み合わせて考案されました。また、演じる形の最初の動作は「受け」から始まり、「空手に先手なし」の理念が表されています。
横浜市空手道連盟に所属の、中区常盤町にあるYMCAのクラスで4歳から高校生までの子供たちを指導しています。稽古の始めと終わりは挨拶をしっかりとし、稽古中の表情は真剣そのもの。そして稽古が終わると元気で明るい子供たちに戻ります。「形の稽古で声を出すところが好き」という子もいて、人格形成という空手道の精神は子供たちにも脈々と受け継がれています。
横浜市空手道連盟 山口 文利 さん
子供たちには、空手道を通して、礼儀や相手を尊重する気持ちを育てています。
剣道は防具を着用し、竹刀を用いて一対一で試合をする競技と見られますが、その本質は稽古を続けることによって心身を鍛え人間形成を目指す「武道」であり、日本の伝統文化として受け継がれています。
現在の竹刀を用いる「剣術」は、武士の訓練のため江戸時代中期に考案され、現在では学校教育にも取り入れられるなど広く行われてきました。
剣道は格闘形式で行われるもので、対人的技能が必要になります。相手との攻防では「心」「気」「力」を一つにして竹刀を振るいます。また、勝負の場においても相互の人格を尊重しあうことによる「礼節」を重視します。そして剣道は体格・体力の及ぼす影響が少ないため、世代を超えて学びあえる運動として長く続けることができます。
横浜市剣道連盟 山田 尚 会長
剣道は多くの人が親しめる競技です。多くの子供たちに日本文化の歴史を伝えてもらいたいですね。
オリンピックの正式種目にもなっている柔道は、正式名称を「日本伝講道館柔道」といい、嘉納治五郎師範によって創設されました。嘉納師範は日本古来の武術である多くの柔術を学び奥義を極めましたが、柔術の修行は青少年の教育的価値が大きいと考え、体育、修身を目的とした近代スポーツとしての柔道を完成させました。
柔道の技は「投(なげ)技」「固(かため)技」「当身(あてみ)技」の3種類に分類され、投技の技術面では「崩し」「作り」「掛け」の軽妙な進退や体さばきを身につけ、相手の力を利用して投げることに妙味があります。
近年、柔道の「国際化」「競技化」「スポーツ化」が進み、勝敗のみが注目される傾向にあるため、講道館と全日本柔道連盟は嘉納師範が提唱された「人間教育の道」としての柔道を目指す「柔道ルネッサンス」合同プロジェクトを立ち上げ、柔道の原点に立ち返ろうとする運動を進めています。
横浜市柔道協会 友岡 和昭 会長
柔道の理念は人格の完成を目指すものです。日々の稽古で自分を高め社会に貢献してもらいたいです。
日本拳法(にっぽんけんぽう)は故澤山宗海宗家が昭和七年に日本で初めて防具着装による実践の拳法として創始されました。安全な防具を着装することにより、突き・蹴り・間節逆捕りのすべての実践的稽古が可能となり、格闘技の真髄を追求する日本拳法が誕生しました。
従来、突き・蹴り技はわが国の格闘技の源流である古代相撲においても、戦国時代の武家の体術である柔術においても重要な決め技であったのですが、安全性を重視するため次第に禁じ手とされてきました。また、中国から沖縄に渡来して発展した唐手もその強力な打撃力のため、形(型)稽古または寸止めにて組み手稽古をせざるを得ませんでした。
剣術が江戸時代に防具が創案されてから飛躍的にその技術が発展したのと同様に、日本拳法も突き・蹴りの実践の拳技をみがくために必然的に発生した武道と言えます。(日本拳法連盟解説より)
蹲踞(そんきょ)の礼
蹲踞の礼は、試合形式の場合に相手と交わす礼のことで、日本拳法と同様に剣道、相撲に受け継がれている日本古来の制式です。
横浜市日本拳法連盟 小野 謙治 さん
強さだけではない優しさも楽しさもある日本拳法。
空手道は、琉球王国時代の沖縄で発祥した拳足による打撃技を特徴とする武道で、古くからあった格闘技「ティー」が中国拳法の伝来に影響を受けて発生しました。試合などの勝負や力比べだけを目的とせず、厳しい修行の中で双方の人格を尊重し、礼節を重んじる人格形成のための手段として発展し今日の空手道となりました。空手道の特徴は形と組手の2つの要素から成り、形はあらゆる攻防の場面を想定した「突き」「蹴り」「打ち」「受け」等の基本技を組み合わせて考案されました。また、演じる形の最初の動作は「受け」から始まり、「空手に先手なし」の理念が表されています。
横浜市空手道連盟に所属の、中区常盤町にあるYMCAのクラスで4歳から高校生までの子供たちを指導しています。稽古の始めと終わりは挨拶をしっかりとし、稽古中の表情は真剣そのもの。そして稽古が終わると元気で明るい子供たちに戻ります。「形の稽古で声を出すところが好き」という子もいて、人格形成という空手道の精神は子供たちにも脈々と受け継がれています。
横浜市空手道連盟 山口 文利 さん
子供たちには、空手道を通して、礼儀や相手を尊重する気持ちを育てています。