SPORTSよこはまVol.29:特集(1/4)
障害のある人たちが取り組んでいるスポーツは、競技会では公平な条件で競えるように障害種別によるクラス分けが実施されていたり、多くの人たちが楽しむことができるように用具やルールが工夫されていたり、医療的なリハビリテーションスポーツがあったりと様々な形態があります。
横浜市内では、障害者スポーツ文化センター横浜ラポールを中心に、各競技団体やプロスポーツチームをはじめボランティア組織と「協働」し、障害のある人たちの健康づくり、社会参加、市民相互の交流が図られています。
今回取材させていただいたみなさんは、壁を乗り越え生活の一部にスポーツを取り入れ生き生きと活動され、その言葉からは「スポーツは楽しい」という気持ちがあふれ出ていました。
目標に向かってすべての人がスポーツを!
そんな素晴らしいみなさんをご紹介いたします。
取材協力●横浜ラポール(社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団)、日産カップ大会実行委員会
取材・文●中邨啓二(公益財団法人横浜市体育協会)
24歳の時に脊髄梗塞という重い病気に突然かかり、両下肢麻痺となった中山和美さん。
今では明るい笑顔で車椅子マラソンなど陸上競技者として前向きに取り組んでいます。
どんな思いで競技にのぞんでいるのかお話を聞きました。
神奈川県リハビリテーションセンターに通っているときに誘われて車椅子マラソンを始めました。最初はきつそうだなと思っていましたが、楽しい仲間と出会えたり、タイムが短縮したりしているので楽しんでやっています。今の生活は仕事と競技を両立させながらですが、いろんな方々に支えられてここまできたのだと思っていますし、車椅子の生活になってからみんなの優しさを感じるようになりました。
2011年の「日産カップ追浜チャンピオンシップ」のハーフ
(21.0975km)では、ロンドンパラリンピックに車椅子マラソンで
出場することが内定している土田和歌子さんに次いで、
中山さんは2位でした。
病気にかかる前はバスケットボールやサーフィンをしていました。病気にかかって両足が動かなくなってしまいましたが、気持ちを切り替えることができ、今ある現状を受け止めて今できることをやっていこうと思ってやっています。そして仕事でも競技などでも、どんどん新しいことにチャレンジしていこうと思っています。
今の目標は今年ロンドンで行われるパラリンピックにトラック競技の400mと800mで出場すること。A標準記録はクリアしているのですが、国内選考基準の世界ランキング8位(※)に届いておらず、3月の九州チャレンジ陸上競技大会、5月のスイスで行われる国際陸上競技大会、6月の日本身体障害者陸上競技選手権の3つの大会で記録を出さなければなりません。日本国内では同じクラスで自分より速い選手がいないので、スイスの国際大会で海外の選手に付いていきたいと思っています。
競技としての最終目標は2016年リオデジャネイロで行われるパラリンピックでメダルを取ること。それまでに自分の記録をどんどん伸ばしていきたいですね。
日産カップ追浜チャンピオンシップ
「日産カップ」は2000年から障害者スポーツの普及と地域活性化を目的として、日産自動車(株)追浜工場と地域住民・諸団体との協働運営により開催しています。パラリンピックメダリストを含む国内トップレベルの選手が出場するロードレースを軸に、障害をもつ子供たちが参加できる種目や、一般市民・地元小学生を対象とした講演・車椅子体験交流会の開催など、車椅子陸上競技の総合大会として開催し200名を超える選手が参加しています。
■実施種目 2.5km、5km、10km、ハーフ
(21.0975km)、チャレンジレース(7.0325km)
※2.5km以外のレースはすべてレーサー(レース用車椅子)を使用
車椅子競走競技は、「レーサー」と呼ばれる軽量(約5キロ〜8キロ)かつ空気抵抗の低減を配慮したフレーム形状の専用車椅子を使用して行われます。選手は障害の種類や程度、運動機能によってクラス分けがなされ、脊髄損傷や切断などの障害のクラスはT51からT54までのクラスに分けられます。
世界ランキング※の記録 女子400m T53クラス 女子800m T53クラス 世界ランキング1位選手の記録 00.56.40 01.51.95 世界ランキング8位選手の記録 00.58.08 01.56.74 中山さんの記録(世界ランキング) 01.04.25(15位) 02.09.25(13位)
※世界ランキングは2011年12月31日現在のものです。
障害のある人たちが取り組んでいるスポーツは、競技会では公平な条件で競えるように障害種別によるクラス分けが実施されていたり、多くの人たちが楽しむことができるように用具やルールが工夫されていたり、医療的なリハビリテーションスポーツがあったりと様々な形態があります。
横浜市内では、障害者スポーツ文化センター横浜ラポールを中心に、各競技団体やプロスポーツチームをはじめボランティア組織と「協働」し、障害のある人たちの健康づくり、社会参加、市民相互の交流が図られています。
今回取材させていただいたみなさんは、壁を乗り越え生活の一部にスポーツを取り入れ生き生きと活動され、その言葉からは「スポーツは楽しい」という気持ちがあふれ出ていました。
目標に向かってすべての人がスポーツを!
そんな素晴らしいみなさんをご紹介いたします。
取材協力●横浜ラポール(社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団)、日産カップ大会実行委員会
取材・文●中邨啓二(公益財団法人横浜市体育協会)
24歳の時に脊髄梗塞という重い病気に突然かかり、両下肢麻痺となった中山和美さん。
今では明るい笑顔で車椅子マラソンなど陸上競技者として前向きに取り組んでいます。
どんな思いで競技にのぞんでいるのかお話を聞きました。
神奈川県リハビリテーションセンターに通っているときに誘われて車椅子マラソンを始めました。最初はきつそうだなと思っていましたが、楽しい仲間と出会えたり、タイムが短縮したりしているので楽しんでやっています。今の生活は仕事と競技を両立させながらですが、いろんな方々に支えられてここまできたのだと思っていますし、車椅子の生活になってからみんなの優しさを感じるようになりました。
2011年の「日産カップ追浜チャンピオンシップ」のハーフ
(21.0975km)では、ロンドンパラリンピックに車椅子マラソンで
出場することが内定している土田和歌子さんに次いで、
中山さんは2位でした。
病気にかかる前はバスケットボールやサーフィンをしていました。病気にかかって両足が動かなくなってしまいましたが、気持ちを切り替えることができ、今ある現状を受け止めて今できることをやっていこうと思ってやっています。そして仕事でも競技などでも、どんどん新しいことにチャレンジしていこうと思っています。
今の目標は今年ロンドンで行われるパラリンピックにトラック競技の400mと800mで出場すること。A標準記録はクリアしているのですが、国内選考基準の世界ランキング8位(※)に届いておらず、3月の九州チャレンジ陸上競技大会、5月のスイスで行われる国際陸上競技大会、6月の日本身体障害者陸上競技選手権の3つの大会で記録を出さなければなりません。日本国内では同じクラスで自分より速い選手がいないので、スイスの国際大会で海外の選手に付いていきたいと思っています。
競技としての最終目標は2016年リオデジャネイロで行われるパラリンピックでメダルを取ること。それまでに自分の記録をどんどん伸ばしていきたいですね。
日産カップ追浜チャンピオンシップ
「日産カップ」は2000年から障害者スポーツの普及と地域活性化を目的として、日産自動車(株)追浜工場と地域住民・諸団体との協働運営により開催しています。パラリンピックメダリストを含む国内トップレベルの選手が出場するロードレースを軸に、障害をもつ子供たちが参加できる種目や、一般市民・地元小学生を対象とした講演・車椅子体験交流会の開催など、車椅子陸上競技の総合大会として開催し200名を超える選手が参加しています。
■実施種目 2.5km、5km、10km、ハーフ
(21.0975km)、チャレンジレース(7.0325km)
※2.5km以外のレースはすべてレーサー(レース用車椅子)を使用
車椅子競走競技は、「レーサー」と呼ばれる軽量(約5キロ〜8キロ)かつ空気抵抗の低減を配慮したフレーム形状の専用車椅子を使用して行われます。選手は障害の種類や程度、運動機能によってクラス分けがなされ、脊髄損傷や切断などの障害のクラスはT51からT54までのクラスに分けられます。
世界ランキング※の記録 女子400m T53クラス 女子800m T53クラス 世界ランキング1位選手の記録 00.56.40 01.51.95 世界ランキング8位選手の記録 00.58.08 01.56.74 中山さんの記録(世界ランキング) 01.04.25(15位) 02.09.25(13位)
※世界ランキングは2011年12月31日現在のものです。