横浜市スポーツ医科学センター指導員●畑田　康

快適なランニングのために

　ランニングは、特別な道具や施設は必要なく、「走りたい」という気持ちがあればすぐに始めることができるスポーツです。しかし、事故やけがをしないで安全かつ快適に、しかも長く続けるためにはランニング前の準備が大切となります。
　今回はランニング前の準備のうち、走るときの服装、シューズの選び方、ランニングの前後に行うストレッチングの効果についてご紹介します。

服装とシューズの選び方

　服装を選ぶ時は、その日の天候や気温・湿度そして時間帯などが条件となります。
　暑い季節は温度・湿度が高いので、吸汗速乾素材のウェアを着用し、体温の上昇を抑えて熱中症などを予防してください。また寒い季節は、風を通しにくいウェアと手袋・ネックウォーマーなどで防寒対策をとりましょう。　ウェアは、自分の体型にフィットするものが良いでしょう。少しの違和感でも、長い時間ランニングすると非常に気になり、快適なランニングを妨げてしまいます。
　早朝や夜間の暗い中をランニングする場合は、白っぽい色や車のライトを反射させる素材のウェアを着用し、車から見えやすくする必要があります。また、晴れている昼間のランニングでは、サングラスを着用して紫外線から目を保護することが大切です。海岸や河川のランニングコースを走る場合には、特に注意してください。
　シューズ選びはランニングを安全・快適に行うために、服装選び以上に大切です。ランニング用のシューズにはいろいろな種類がありますが、自分のランニングスタイルに最もあったものをみつけるために、自分が普段走る距離やスピードを考えて選ぶことが大切です。
　例えば、マラソンやロードレース用のシューズは軽量でスピードを出して走ることに適していますが、ソール（シューズ底）が薄く、初心者が履くと脚の負担が大きくなります。ゆっくり走る場合は、ソールが厚くクッション性の高いジョギング用のものが適しています。また足のサイズ（足長）が同じでも、足の形には足の幅が広い、足の甲が高いなどいろいろな特徴があります。シューズを選ぶ場合は、サイズだけでなく自分の足の形にフィットするシューズを選んでください。最近はスポーツショップで、シューズ選びの相談に乗ってもらえる所が多くありますので、新しく購入する場合は何足かためし履きをして、自分の足に最も合うものを購入するようにしましょう。
　今まで履きなれたスポーツ用のシューズがあれば、ランニング用シューズでなくても、まずはそれを使ってランニングを始めてもいいと思います。

【夜のランニングは車に気をつけましょう】

ストレッチングの効果

　ストレッチ（stretch）は「伸ばす・引っ張る」という意味です。ランニング前後のウォーミングアップとクールダウンの中で行い、筋肉や腱を伸ばしましょう。
　ストレッチングの効果には、①関節が動く範囲（角度）を広げ、柔軟性を高める②筋の収縮がスムーズになり活動しやすくなる③精神的な緊張が解きほぐされる④筋肉内の血行が良くなる⑤筋肉の疲労回復を促進する、などがあります。ランニング前後にストレッチングを行うことで、ランニングによい効果をもたらし、走った疲れを回復させます。
　ストレッチングを行うときに気をつけることは、①反動を付けず、筋肉をゆるやかに伸ばす②身体の温まっている状態で行う③ひとつの動作を20〜30秒程度続ける④呼吸は止めず、ゆっくりと行う⑤脚だけでなく全身を行う、になります。

準備からランニングを楽しむ

　今回ご紹介した内容の他にも、トレーニングや食事の方法などランニングを行う前の準備にはさまざまなものがあります。横浜市スポーツ医科学センターのトレーニングルームでは、ランニングに必要なトレーニングをはじめとして、ランニングに関するいろいろなアドバイスを提供し、ランニングの準備から楽しんで行えるようサポートいたします。
　ランニングを始める前に、しっかり準備を行って快適なランニングを長く続けていけるようにしましょう。

身体すっきりストレッチング&体幹トレーニング

当センターでは、ストレッチポールやバランスディスクを使った教室を開催しています。体幹トレーニングをしたい方や肩こり、骨盤の歪みが気になる方にお勧めです。詳細はお問合せください。
●会場　横浜市スポーツ医科学センター
●対象　15歳以上（中学生不可）
●料金　1,500円／回
●日時　ホームページまたは電話でお問合せください。
　TEL. 045-477-5050　http://www.yspc.or.jp/ysmc/