SPORTSよこはまVol.29:スポーツ医科学センター
横浜市スポーツ医科学センター 健康科学課●岸 由紀夫(指導員)
今回は、これから運動をはじめようとしている方でも無理なく安全に、今日からすぐに実践できるストレッチングを紹介します。
左の表は、当センターのSPS(スポーツ版人間ドック)参加者から得られたデータで、年代別の長座位体前屈の記録を表したものです。年齢を重ねるとからだの柔軟性が低下しやすい傾向になることがわかります。筋肉の柔軟性が低下すると本来の関節の可動域が制限されて、関節の動きが小さくなります。これは『ロコモティブシンドローム*』の原因ともなり、転倒などによるケガのリスクが高まります。
柔軟性が低下した筋肉をほぐしたり、筋肉が正常の長さで正しく機能できるようにして、本来の関節の可動域を維持・改善することが重要となります。
*ロコモティブシンドロームとは
骨、関節、筋肉などの運動器が衰えると、日常生活において自立度が低下し、介護が必要になったり、寝たきりになる可能性が高くなります。運動器の障害により、要介護状態、または要介護になる危険性が高い状態のことを表します。
((公社)日本整形外科学会より)
からだを温めておこないましょう
筋肉は温かいと伸びやすく、冷えると伸びにくい性質があります。前もって軽い運動などでからだを温めてからストレッチングをおこなうと良いでしょう。また、お風呂上りも筋肉が温まり、ストレッチングに適しています。
ゆっくり、リラックスしておこないましょう
動作中、反動や勢いをつけて筋肉を伸ばそうとすると、意思とは逆に筋肉を収縮させようとする防衛機能が働き、気持ちよく伸ばすことができません。また、動作中に息を止めると、一時的な血圧上昇を招き、からだへ負担をかけることになります。
毎日おこないましょう
ストレッチングによる柔軟性の効果は、すぐに得られるものではありません。日々の積み重ねが大切です。就寝前や入浴直後などに日常生活の習慣の一部として取り入れましょう。
ここでは、短時間でどこでも安全におこなえる『スタティックストレッチング』を紹介します。椅子に座った状態でできるものを中心に紹介しますので、テレビなどを見ながらおこなってみてはいかがでしょうか。
伸縮性のある服を着てリラックスできる環境で行いましょう
●伸ばす筋肉を意識する
●動作中は呼吸を止めずに
●気持ちがよいと感じるところで伸ばし続ける
(15〜20秒程度。痛みを感じるところまでは伸ばしません)
●左右対称に行う
① 肩
●片方の腕を胸の前に伸ばし、もう片方の手で胸に引き寄せます。
●伸ばす肩を上に引き上げないよう注意します。
② 胸
●後ろで手を組み、手をおしりから離していくようにして、胸を開きます。
●肩の力を抜き腰が反らないよう注意します。
③ 背中
●両手を胸の前で組み、ひじを軽く曲げたまま胸を後ろへ引くように背中を丸めます。
●頭はへそをのぞき込みます。
④ 背中・腰・おしり
●対角のひざの上に片手を置き、もう片方の手で椅子の横か後ろを持ちます。
●背筋を伸ばし後ろを振り返るように体をひねります。
⑤ おしり
●伸ばしたいお尻と同じ側の脚を上にして脚を組み、組んだ脚の膝の外側に両手を当て、膝を引き寄せます。
●背筋を伸ばしておこないます。
⑥ ももの前
●椅子につかまり、片足のひざを曲げ、手で足の甲を持ちます。
●腰が反り過ぎないように注意しながら、かかとをおしりに引き寄せます。
⑦ ももの後ろ
●両手をももに置き片足のかかとを床につけひざを伸ばします。
●背筋を伸ばしたまま上体を前に倒します。
⑧ 深呼吸(2回)
●鼻から大きく息を吸いながら腕を横に開き、口から細く息を吐き出しながら背中を丸めます。
横浜市スポーツ医科学センター
トレーニングルーム個人利用のご紹介
トレーニングルームでは、体力の維持増進及び競技力の向上などを目的として、ご利用いただけます。
*原則15歳以上 1回1,000円
初めてご利用される際には、講習会を受講していただきます【予約制】。お電話にてお問い合わせください。
TEL. 045-477-5050・045-477-5055
横浜市スポーツ医科学センター 健康科学課●岸 由紀夫(指導員)
今回は、これから運動をはじめようとしている方でも無理なく安全に、今日からすぐに実践できるストレッチングを紹介します。
左の表は、当センターのSPS(スポーツ版人間ドック)参加者から得られたデータで、年代別の長座位体前屈の記録を表したものです。年齢を重ねるとからだの柔軟性が低下しやすい傾向になることがわかります。筋肉の柔軟性が低下すると本来の関節の可動域が制限されて、関節の動きが小さくなります。これは『ロコモティブシンドローム*』の原因ともなり、転倒などによるケガのリスクが高まります。
柔軟性が低下した筋肉をほぐしたり、筋肉が正常の長さで正しく機能できるようにして、本来の関節の可動域を維持・改善することが重要となります。
*ロコモティブシンドロームとは
骨、関節、筋肉などの運動器が衰えると、日常生活において自立度が低下し、介護が必要になったり、寝たきりになる可能性が高くなります。運動器の障害により、要介護状態、または要介護になる危険性が高い状態のことを表します。
((公社)日本整形外科学会より)
からだを温めておこないましょう
筋肉は温かいと伸びやすく、冷えると伸びにくい性質があります。前もって軽い運動などでからだを温めてからストレッチングをおこなうと良いでしょう。また、お風呂上りも筋肉が温まり、ストレッチングに適しています。
ゆっくり、リラックスしておこないましょう
動作中、反動や勢いをつけて筋肉を伸ばそうとすると、意思とは逆に筋肉を収縮させようとする防衛機能が働き、気持ちよく伸ばすことができません。また、動作中に息を止めると、一時的な血圧上昇を招き、からだへ負担をかけることになります。
毎日おこないましょう
ストレッチングによる柔軟性の効果は、すぐに得られるものではありません。日々の積み重ねが大切です。就寝前や入浴直後などに日常生活の習慣の一部として取り入れましょう。
ここでは、短時間でどこでも安全におこなえる『スタティックストレッチング』を紹介します。椅子に座った状態でできるものを中心に紹介しますので、テレビなどを見ながらおこなってみてはいかがでしょうか。
伸縮性のある服を着てリラックスできる環境で行いましょう
●伸ばす筋肉を意識する
●動作中は呼吸を止めずに
●気持ちがよいと感じるところで伸ばし続ける
(15〜20秒程度。痛みを感じるところまでは伸ばしません)
●左右対称に行う
① 肩
●片方の腕を胸の前に伸ばし、もう片方の手で胸に引き寄せます。
●伸ばす肩を上に引き上げないよう注意します。
② 胸
●後ろで手を組み、手をおしりから離していくようにして、胸を開きます。
●肩の力を抜き腰が反らないよう注意します。
③ 背中
●両手を胸の前で組み、ひじを軽く曲げたまま胸を後ろへ引くように背中を丸めます。
●頭はへそをのぞき込みます。
④ 背中・腰・おしり
●対角のひざの上に片手を置き、もう片方の手で椅子の横か後ろを持ちます。
●背筋を伸ばし後ろを振り返るように体をひねります。
⑤ おしり
●伸ばしたいお尻と同じ側の脚を上にして脚を組み、組んだ脚の膝の外側に両手を当て、膝を引き寄せます。
●背筋を伸ばしておこないます。
⑥ ももの前
●椅子につかまり、片足のひざを曲げ、手で足の甲を持ちます。
●腰が反り過ぎないように注意しながら、かかとをおしりに引き寄せます。
⑦ ももの後ろ
●両手をももに置き片足のかかとを床につけひざを伸ばします。
●背筋を伸ばしたまま上体を前に倒します。
⑧ 深呼吸(2回)
●鼻から大きく息を吸いながら腕を横に開き、口から細く息を吐き出しながら背中を丸めます。
横浜市スポーツ医科学センター
トレーニングルーム個人利用のご紹介
トレーニングルームでは、体力の維持増進及び競技力の向上などを目的として、ご利用いただけます。
*原則15歳以上 1回1,000円
初めてご利用される際には、講習会を受講していただきます【予約制】。お電話にてお問い合わせください。
TEL. 045-477-5050・045-477-5055