SPORTSよこはま2009 AUGUST Vol.14
現在、日本は世界各国の中でも長寿国です。
2025年には4人に1人が65歳以上となり、特に75歳以上の後期高齢者の比率は現在の約3倍近くまで増加すると予測され、高齢化に伴う要介護・要支援高齢者の増加も懸念されています。
そのためには、普段から「健康な生活を送る」ことが大切です。「健康な生活を送る」ためには、規則正しい生活習慣が必要です。今回はその中で最も重要な食生活をテーマに述べたいと思います。
規則正しい生活習慣(消費エネルギー量に応じた食事=食べ過ぎない、適度な運動をする)は、肥満を防止するとともに、「健康な生活を送る」ための第一歩であるともいえます。
では、まずはじめに、ご自分の適正体重を計算してください。
適正体重の計算方法
→ 身長(m)×身長(m)×22
例)身長170cmの男性の適正体重は
1.7×1.7×22=63.58≒63.6kg
昨年から、国レベルでの健康事業として内臓脂肪型肥満にターゲットを定め、生活習慣の改善を目的とした特定健康診査・特定保健指導がスタートしました。
内臓脂肪型肥満は、過食や運動不足に代表される生活習慣の崩れからなり、その脂肪細胞から放出される生理活性物質によって、動脈硬化を促進させる危険因子である、血圧・血糖値・血中脂質などが上昇します。
それでは、「健康な生活を送る」ために、食生活で気をつけるポイントを考えてみましょう。
「健康な生活を送る」ための食生活ポイント
① 摂取エネルギーを適正量にする(=食べ過ぎない)。
② 嗜好品(菓子・アルコール)は適正量を守る。
③ 主食・主菜・副菜のそろった食事を3食きちんと食べる。
④ 適正な塩分摂取を心がける。
体格や生活習慣が異なるため、適正な摂取エネルギーも一人ひとり異なります。しかし、適正な摂取エネルギーの食事を毎日とることによって、適正な体重を維持することができるのです。では、次にご自分の適正な摂取エネルギーを計算してみましょう。
■適正な摂取エネルギーの計算方法
→ step1:BMIの算出
BMI= 体重[kg]÷(身長[m]×身長[m])
→ step2:摂取エネルギーの算出
摂取エネルギー[kcal]=適正体重[kg]×25〜30
・BMI 25以上は⇒25を代入
・BMI 25未満は⇒30を代入
この適正な摂取エネルギーは、3食の食事が基本となるため、菓子やアルコールなどの嗜好品のエネルギーは含まれていません。ですから、嗜好品の過剰摂取は、当然のことながら摂取エネルギーの過剰にもつながります。
次の表を参考にしながら、嗜好品は適正な摂取エネルギーの範囲内でとりましょう。(アルコールは、商品によりカロリーが異なりますのでご注意ください。)
嗜好品の摂取エネルギーの目安
■菓子 → 100kcal程度
醤油焼煎餅1枚、大福・饅頭1/2ヶ、団子1串
チョコレート5〜6粒、クッキー2枚、ケーキ・シュークリーム1/2ヶ、アイスクリーム1/2ヶ
それぞれの分量はあくまでも目安です。菓子を食べる際は、商品裏面に記載されている栄養成分表示を参照しましょう。
■アルコール → アルコール量20mg
ビールなら…中ジョッキ1杯又は500ml缶1缶
日本酒なら…1合
焼酎なら…20度80ml・40度60ml
ワインなら…グラス2杯又はハーフボトル1本
また、日ごろから食事内容のバランスに気をつけることも大切です。普段の食事に a.主食 b.主菜 c.副菜 d.乳製品 e.果物がそろっているか、次の写真を参照しながら確認してみましょう。
不足していた物はありましたか?
例えば、c.副菜(野菜・きのこ類・海藻・こんにゃくなど)は朝食や昼食に不足しやすい傾向がみられますが、①食品自体のカロリーが低い ②満腹感を得やすい ③腸での栄養素の吸収を遅らせる、などのメリットも多いので意識してとる必要があります。
「健康な生活を送る」ためには、適正な塩分摂取にも心がける必要があります。
日本人の食事摂取基準(2005年版)では、1日の塩分摂取指標を「男性は10g未満、女性は8g未満」としています。しかし、2008年度国民健康栄養調査では、1日の食塩摂取量は男性12.0g、女性10.3gと、過剰摂取していることが報告され、その理由として外食やコンビニなどの市販食品の利用が多い食生活に問題があるのではと指摘しています。
外食や市販食品によっては、1食食べるとほぼ1日の食塩摂取指標に達するものもあります。しかし、セットの味噌汁や漬物を控えるだけでも約1gの塩分を減らすことができます。外食や市販食品の主な物の塩分量は次のとおりですので、参考にしてください。
外食の塩分量
食品名 塩分量 ラーメン 5.0g〜7.0g かけそば・うどん 4.5g〜6.0g 寿司(にぎり10かん)+つけ醤油 2.6g+1.0g ビーフカレー 3.0g〜4.0g 牛丼・カツ丼 3.0g〜4.0g ハンバーガー・ポテトセット 1.2g〜2.6g
品の塩分量
カップ麺・カップうどん 4.0g〜7.6g カップ味噌汁・カップスープ 2.0g〜2.5g 弁当各種 1.5g〜2.3g スパゲティー 2.0g〜2.5g おにぎり 0.8g〜1.4g サンドイッチ 1.5g〜2.0g
外食で塩分を減らす工夫
・味噌汁・麺類のつゆは残す。
・漬物・梅干はできるだけ食べない。
また、週1回でも外食や市販食品をやめ、適正な塩分の手作り弁当を持参することでも、塩分の量を減らすことができます。休みの日に手作り弁当にチャレンジ!と思われる方は、次のことを参考にして塩分を減らす工夫をして作ってみましょう。
手作り弁当で塩分を減らす工夫
・調味料は目分量としないで計量する。
・酢の物や酢漬けを取り入れる。
・おかずなどの味付けに、香辛料(カレー粉・わさび・辛子など)、香味野菜(しそ・みょうがなど)、レモンを利用する。
・昆布やかつおでだしをとる。または塩分無添加だしを利用する。
・そのほか、味噌汁は1日1杯、漬物は1日1回に減らす。
今回は「健康な生活を送る」ために、食生活をテーマとして、少しの改善や工夫によってできることを述べました。
普段の食事から、適正な摂取エネルギー、食事内容のバランス、適正な塩分摂取量を意識することが「健康な生活を送る」近道なのです。
現在、日本は世界各国の中でも長寿国です。
2025年には4人に1人が65歳以上となり、特に75歳以上の後期高齢者の比率は現在の約3倍近くまで増加すると予測され、高齢化に伴う要介護・要支援高齢者の増加も懸念されています。
そのためには、普段から「健康な生活を送る」ことが大切です。「健康な生活を送る」ためには、規則正しい生活習慣が必要です。今回はその中で最も重要な食生活をテーマに述べたいと思います。
規則正しい生活習慣(消費エネルギー量に応じた食事=食べ過ぎない、適度な運動をする)は、肥満を防止するとともに、「健康な生活を送る」ための第一歩であるともいえます。
では、まずはじめに、ご自分の適正体重を計算してください。
適正体重の計算方法
→ 身長(m)×身長(m)×22
例)身長170cmの男性の適正体重は
1.7×1.7×22=63.58≒63.6kg
昨年から、国レベルでの健康事業として内臓脂肪型肥満にターゲットを定め、生活習慣の改善を目的とした特定健康診査・特定保健指導がスタートしました。
内臓脂肪型肥満は、過食や運動不足に代表される生活習慣の崩れからなり、その脂肪細胞から放出される生理活性物質によって、動脈硬化を促進させる危険因子である、血圧・血糖値・血中脂質などが上昇します。
それでは、「健康な生活を送る」ために、食生活で気をつけるポイントを考えてみましょう。
「健康な生活を送る」ための食生活ポイント
① 摂取エネルギーを適正量にする(=食べ過ぎない)。
② 嗜好品(菓子・アルコール)は適正量を守る。
③ 主食・主菜・副菜のそろった食事を3食きちんと食べる。
④ 適正な塩分摂取を心がける。
体格や生活習慣が異なるため、適正な摂取エネルギーも一人ひとり異なります。しかし、適正な摂取エネルギーの食事を毎日とることによって、適正な体重を維持することができるのです。では、次にご自分の適正な摂取エネルギーを計算してみましょう。
■適正な摂取エネルギーの計算方法
→ step1:BMIの算出
BMI= 体重[kg]÷(身長[m]×身長[m])
→ step2:摂取エネルギーの算出
摂取エネルギー[kcal]=適正体重[kg]×25〜30
・BMI 25以上は⇒25を代入
・BMI 25未満は⇒30を代入
この適正な摂取エネルギーは、3食の食事が基本となるため、菓子やアルコールなどの嗜好品のエネルギーは含まれていません。ですから、嗜好品の過剰摂取は、当然のことながら摂取エネルギーの過剰にもつながります。
次の表を参考にしながら、嗜好品は適正な摂取エネルギーの範囲内でとりましょう。(アルコールは、商品によりカロリーが異なりますのでご注意ください。)
嗜好品の摂取エネルギーの目安
■菓子 → 100kcal程度
醤油焼煎餅1枚、大福・饅頭1/2ヶ、団子1串
チョコレート5〜6粒、クッキー2枚、ケーキ・シュークリーム1/2ヶ、アイスクリーム1/2ヶ
それぞれの分量はあくまでも目安です。菓子を食べる際は、商品裏面に記載されている栄養成分表示を参照しましょう。
■アルコール → アルコール量20mg
ビールなら…中ジョッキ1杯又は500ml缶1缶
日本酒なら…1合
焼酎なら…20度80ml・40度60ml
ワインなら…グラス2杯又はハーフボトル1本
また、日ごろから食事内容のバランスに気をつけることも大切です。普段の食事に a.主食 b.主菜 c.副菜 d.乳製品 e.果物がそろっているか、次の写真を参照しながら確認してみましょう。
不足していた物はありましたか?
例えば、c.副菜(野菜・きのこ類・海藻・こんにゃくなど)は朝食や昼食に不足しやすい傾向がみられますが、①食品自体のカロリーが低い ②満腹感を得やすい ③腸での栄養素の吸収を遅らせる、などのメリットも多いので意識してとる必要があります。
「健康な生活を送る」ためには、適正な塩分摂取にも心がける必要があります。
日本人の食事摂取基準(2005年版)では、1日の塩分摂取指標を「男性は10g未満、女性は8g未満」としています。しかし、2008年度国民健康栄養調査では、1日の食塩摂取量は男性12.0g、女性10.3gと、過剰摂取していることが報告され、その理由として外食やコンビニなどの市販食品の利用が多い食生活に問題があるのではと指摘しています。
外食や市販食品によっては、1食食べるとほぼ1日の食塩摂取指標に達するものもあります。しかし、セットの味噌汁や漬物を控えるだけでも約1gの塩分を減らすことができます。外食や市販食品の主な物の塩分量は次のとおりですので、参考にしてください。
外食の塩分量
食品名 塩分量 ラーメン 5.0g〜7.0g かけそば・うどん 4.5g〜6.0g 寿司(にぎり10かん)+つけ醤油 2.6g+1.0g ビーフカレー 3.0g〜4.0g 牛丼・カツ丼 3.0g〜4.0g ハンバーガー・ポテトセット 1.2g〜2.6g
品の塩分量
カップ麺・カップうどん 4.0g〜7.6g カップ味噌汁・カップスープ 2.0g〜2.5g 弁当各種 1.5g〜2.3g スパゲティー 2.0g〜2.5g おにぎり 0.8g〜1.4g サンドイッチ 1.5g〜2.0g
外食で塩分を減らす工夫
・味噌汁・麺類のつゆは残す。
・漬物・梅干はできるだけ食べない。
また、週1回でも外食や市販食品をやめ、適正な塩分の手作り弁当を持参することでも、塩分の量を減らすことができます。休みの日に手作り弁当にチャレンジ!と思われる方は、次のことを参考にして塩分を減らす工夫をして作ってみましょう。
手作り弁当で塩分を減らす工夫
・調味料は目分量としないで計量する。
・酢の物や酢漬けを取り入れる。
・おかずなどの味付けに、香辛料(カレー粉・わさび・辛子など)、香味野菜(しそ・みょうがなど)、レモンを利用する。
・昆布やかつおでだしをとる。または塩分無添加だしを利用する。
・そのほか、味噌汁は1日1杯、漬物は1日1回に減らす。
今回は「健康な生活を送る」ために、食生活をテーマとして、少しの改善や工夫によってできることを述べました。
普段の食事から、適正な摂取エネルギー、食事内容のバランス、適正な塩分摂取量を意識することが「健康な生活を送る」近道なのです。