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SPORTSよこはまVol.9・スポーツ医科学センター

スポーツ医科学センター メタボリックシンドロームと食事②

横浜市スポーツ医科学センター 内科診療科 髙木久見子(管理栄養士)

 今回は、前回に引き続き栄養面からみたメタボリックシンドローム改善の実践編です。
  ここで少し前回のおさらいしましょう。

(1)押入れから体重計を出して、毎日体重を測定して記録していますか?
(2)食習慣の把握と問題点は、みつかりましたか?

 現状把握ができたところでステップ3(食習慣の改善・減量計画を立てる)へ進みましょう。

ステップ3:食習慣の改善・減量計画を立てる

図

(1)食習慣の改善は、メタボリックシンドローム改善への第一歩となります。食習慣が改善されるまでには時間がかかりますので、食習慣の改善目標(例:朝食を必ず食べる・夕食は満腹まで食べない…など)すべてを一度に実践しようとはせず、立てた目標を一つずつ改善していきましょう。そうすると減量への自信にもつながり、モチベーション維持にもつながります。
(2)減量計画を立てましょう。

図

  減量ペースの設定では、減量ペースを2kg/1ヶ月を上限に設定しましょう。ハイペースな減量は継続が難しく、リバウンド(減量前の体重に戻るまたはそれ以上体重が増える)しやすく、減量失敗に繋がります。
  では、実際に1ヶ月に体重を1kg減量する場合について考えてみましょう。

ステップ4:減量計画の実践・ふりかえり

  減量のペースやいつもの食事から摂取エネルギーをどのように減らすのかの減量計画を立てたら、いざ実践です。参考に間食、アルコール、外食におけるカロリーの目安やカロリーカット術を示しました。

間食のエネルギー

  今まで、お腹がすけば何気なく食べていた菓子。菓子は高カロリー・高脂肪の食品です。今本当に間食が必要なのか?と考えることがとても大切です。菓子を購入する際は、栄養表示のエネルギー量を見る習慣をつけましょう。

菓子でのカロリーカット術を紹介します。
(1)間食の種類を変える
  洋菓子⇒和菓子に→100〜200kcal
  アップルパイ⇒ショートケーキに→200kcal
  バニラアイス⇒シャーベットに→150〜200kcal
(2)摂取量を減らす
  板チョコ1枚⇒1 / 2枚に→200kcal
  スナック菓子1袋⇒1つまみ分に→300kcal
(3)果物・乳製品を間食として取り入れる
  果物・ヨーグルト・牛乳をとる→100〜150kcal

アルコールのエネルギー

  仕事の付き合いも含めて切り離すことのできないのがアルコールです。適量のアルコールは血圧を下げる、気分の高揚、リラックス効果もみられますが飲みすぎは減量の大きな妨げになります。アルコールをとる場合は、適量摂取、休肝日作り、糖質の少ないものを選ぶ、など飲み方に工夫が必要です。アルコールに欠かせないおつまみも内容によっては高カロリー・高脂肪なものが多く、おつまみ選びも慎重に行いましょう。

●アルコールでのカロリーカット術を紹介します。
(1)ビール;中ジョッキ1杯減らす→200kcal
      糖質50%オフを選ぶ→30〜50kcal
(2)日本酒;1合減らす→200kcal
(3)焼 酎;原液100mlロック1杯減らす→200kcal
      薄めてチビチビと
(4)ワイン;フル⇒ハーフボトルに→200kcal

外食・コンビニ食のエネルギー

  外食やコンビニ食で昼食を済ますことが多いと思います。外食は短時間で簡単に済ませられる便利さもありますが、味付けが濃く、ついついご飯が進み、気がつけば食べ過ぎ!ということが多くみられます。満腹まで食べ過ぎないように注意することも大切です。

外食・コンビニ食の特徴

  高カロリー(糖質=主食のとり過ぎ)
  油脂のとり過ぎ
  食物繊維(野菜)の不足
  高塩分

●丼もの単品やコンビニ弁当は、ご飯量が多いことが多く、うどん・丼のセットものになりやすく糖質過剰になりやすい。(ご飯量の目安:丼300〜350g・コンビニ弁当200〜300g)
  ⇒ご飯の量に注意する
●日替わりメニューや社員食堂の食事は、揚げ物や炒め物、マヨネーズで和えたメニューが多く脂質過剰になりやすい。
  ⇒揚げ物は週1〜2程度に控える・自宅での食事を和食中心にする
●外食やコンビニ弁当では、野菜が入っていても少量のため食物繊維が不足しやすい。
  ⇒サラダ・おひたし・具たくさんの汁ものをプラスする

●外食でのカロリーカット術を紹介します。
(1)揚げ物は衣の薄いものを選ぶ
  チキンカツ⇒唐揚げ(1人前)→150kcal
(2)ステーキは部位を選ぶ(肉の選び方にも応用可)
  サーロイン⇒ヒレ(150g)→400kcal
(3)丼ものや麺類はのせる具材を選ぶ
  牛丼⇒親子丼→200kcal
  天ぷらうどん⇒山菜うどん→150kcal

 

カレーのカロリー比較
  カツ > ビーフ > シーフード > 野菜
丼もののカロリー比較
  牛丼・カツ丼 > 中華丼・天丼 > 親子丼 > 鉄火丼
麺類のカロリー
  鍋焼・カレー・天ぷらうどん・豚骨・
  味噌ラーメンすべて→500kcal前後

 

 上記に示したカロリーカット術などを利用しながら、日々の食事に意識を向けて自分の減量計画を実践していきましょう。しかし、食事だけでの減量は筋肉が減りやすいため、軽めのウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動を習慣的にとり入れながら実践しましょう。
  また、毎日の体重の測定や記録により減量計画実践の効果を確認して、変更や継続を行いながらメタボリックシンドロームを改善しましょう。

スポーツ医科学センター メタボリックシンドロームと食事②

横浜市スポーツ医科学センター 内科診療科 髙木久見子(管理栄養士)

 今回は、前回に引き続き栄養面からみたメタボリックシンドローム改善の実践編です。
  ここで少し前回のおさらいしましょう。

(1)押入れから体重計を出して、毎日体重を測定して記録していますか?
(2)食習慣の把握と問題点は、みつかりましたか?

 現状把握ができたところでステップ3(食習慣の改善・減量計画を立てる)へ進みましょう。

ステップ3:食習慣の改善・減量計画を立てる

図

(1)食習慣の改善は、メタボリックシンドローム改善への第一歩となります。食習慣が改善されるまでには時間がかかりますので、食習慣の改善目標(例:朝食を必ず食べる・夕食は満腹まで食べない…など)すべてを一度に実践しようとはせず、立てた目標を一つずつ改善していきましょう。そうすると減量への自信にもつながり、モチベーション維持にもつながります。
(2)減量計画を立てましょう。

図

  減量ペースの設定では、減量ペースを2kg/1ヶ月を上限に設定しましょう。ハイペースな減量は継続が難しく、リバウンド(減量前の体重に戻るまたはそれ以上体重が増える)しやすく、減量失敗に繋がります。
  では、実際に1ヶ月に体重を1kg減量する場合について考えてみましょう。

ステップ4:減量計画の実践・ふりかえり

  減量のペースやいつもの食事から摂取エネルギーをどのように減らすのかの減量計画を立てたら、いざ実践です。参考に間食、アルコール、外食におけるカロリーの目安やカロリーカット術を示しました。

間食のエネルギー

  今まで、お腹がすけば何気なく食べていた菓子。菓子は高カロリー・高脂肪の食品です。今本当に間食が必要なのか?と考えることがとても大切です。菓子を購入する際は、栄養表示のエネルギー量を見る習慣をつけましょう。

菓子でのカロリーカット術を紹介します。
(1)間食の種類を変える
  洋菓子⇒和菓子に→100〜200kcal
  アップルパイ⇒ショートケーキに→200kcal
  バニラアイス⇒シャーベットに→150〜200kcal
(2)摂取量を減らす
  板チョコ1枚⇒1 / 2枚に→200kcal
  スナック菓子1袋⇒1つまみ分に→300kcal
(3)果物・乳製品を間食として取り入れる
  果物・ヨーグルト・牛乳をとる→100〜150kcal

アルコールのエネルギー

  仕事の付き合いも含めて切り離すことのできないのがアルコールです。適量のアルコールは血圧を下げる、気分の高揚、リラックス効果もみられますが飲みすぎは減量の大きな妨げになります。アルコールをとる場合は、適量摂取、休肝日作り、糖質の少ないものを選ぶ、など飲み方に工夫が必要です。アルコールに欠かせないおつまみも内容によっては高カロリー・高脂肪なものが多く、おつまみ選びも慎重に行いましょう。

●アルコールでのカロリーカット術を紹介します。
(1)ビール;中ジョッキ1杯減らす→200kcal
      糖質50%オフを選ぶ→30〜50kcal
(2)日本酒;1合減らす→200kcal
(3)焼 酎;原液100mlロック1杯減らす→200kcal
      薄めてチビチビと
(4)ワイン;フル⇒ハーフボトルに→200kcal

外食・コンビニ食のエネルギー

  外食やコンビニ食で昼食を済ますことが多いと思います。外食は短時間で簡単に済ませられる便利さもありますが、味付けが濃く、ついついご飯が進み、気がつけば食べ過ぎ!ということが多くみられます。満腹まで食べ過ぎないように注意することも大切です。

外食・コンビニ食の特徴

  高カロリー(糖質=主食のとり過ぎ)
  油脂のとり過ぎ
  食物繊維(野菜)の不足
  高塩分

●丼もの単品やコンビニ弁当は、ご飯量が多いことが多く、うどん・丼のセットものになりやすく糖質過剰になりやすい。(ご飯量の目安:丼300〜350g・コンビニ弁当200〜300g)
  ⇒ご飯の量に注意する
●日替わりメニューや社員食堂の食事は、揚げ物や炒め物、マヨネーズで和えたメニューが多く脂質過剰になりやすい。
  ⇒揚げ物は週1〜2程度に控える・自宅での食事を和食中心にする
●外食やコンビニ弁当では、野菜が入っていても少量のため食物繊維が不足しやすい。
  ⇒サラダ・おひたし・具たくさんの汁ものをプラスする

●外食でのカロリーカット術を紹介します。
(1)揚げ物は衣の薄いものを選ぶ
  チキンカツ⇒唐揚げ(1人前)→150kcal
(2)ステーキは部位を選ぶ(肉の選び方にも応用可)
  サーロイン⇒ヒレ(150g)→400kcal
(3)丼ものや麺類はのせる具材を選ぶ
  牛丼⇒親子丼→200kcal
  天ぷらうどん⇒山菜うどん→150kcal

 

カレーのカロリー比較
  カツ > ビーフ > シーフード > 野菜
丼もののカロリー比較
  牛丼・カツ丼 > 中華丼・天丼 > 親子丼 > 鉄火丼
麺類のカロリー
  鍋焼・カレー・天ぷらうどん・豚骨・
  味噌ラーメンすべて→500kcal前後

 

 上記に示したカロリーカット術などを利用しながら、日々の食事に意識を向けて自分の減量計画を実践していきましょう。しかし、食事だけでの減量は筋肉が減りやすいため、軽めのウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動を習慣的にとり入れながら実践しましょう。
  また、毎日の体重の測定や記録により減量計画実践の効果を確認して、変更や継続を行いながらメタボリックシンドロームを改善しましょう。