横浜市立名瀬小学校 オリンピック選手による講演会
by :横浜市スポーツ情報センター・吉山博之
平成26年9月19日(金)、横浜市立名瀬小学校の創立40周年を祝う記念講演が開催されました。
【創立40周年を迎えた横浜市立名瀬小学校】
記念講演に登壇したのは、同校出身で2012年・ロンドンオリンピック 男子200m背泳ぎで6位入賞を果たした渡邉一樹選手(セントラルスポーツ所属)。
【渡邉一樹選手(左)。紹介するのは梶原幸二校長】
「卒業した小学校に戻ってきて、生徒の皆さんの前で話すことができるなんて思っていませんでした」…1999年の卒業以来、15年ぶりに足を運んだ母校の変わらない様子に、運動会や中休みに友達とドッチボールやサッカーをしていた思い出、図工の時間に制作した作品のことなどがよみがえってきたという渡邉選手。
【中休み、校庭で遊ぶ子どもたちを見つめる渡邉選手。懐かしい記憶がよみがえります】
この日は、「夢に向かって」という講演テーマで、低学年(1年〜3年)の会・高学年(4年〜6年)の会と2回に分けて、自身の経験をもとに話を始めました。
3歳から水泳を始め、テレビの中で活躍するオリンピック選手に憧れを抱き、その憧れが「オリンピックに出たい」という夢として自分の中に芽生えたのが10歳くらいの時だったという渡邉選手。
自身の経験から、夢に向かって進むことの大切さを伝える渡邉選手は、2つの大事なこととして「遊び、勉強…なんでも一生懸命やってください」「素直な心を持ってください」と子どもたちに伝えます。
2004年、高校3年生ではじめて挑戦したオリンピック選考は準決勝敗退、大学4年で迎えた2008年は、3位とあと一歩のところで代表権を勝ち取ることができず、この先も水泳を続けるかについて迷ったものの、10歳からの夢をあきらめることができず、もう一度挑戦することを決心、2012年のロンドンオリンピック200m背泳ぎの選考会で2位に入り、代表の座を手にしました。
自分を成長させてくれた水泳は大切な支えという渡邉選手は、子どもたちに「夢を叶えるために、僕が一番大事だと思うことは『あきらめないこと』です。僕自身、三度目のオリンピック選考会でようやく夢をつかむことができました。みんなもこれから夢を目指すにあたって辛いこと苦しいことあるかもしれません。でも、頑張って、その目標に向かっていれば、チャンスは絶対誰にでもやってくると思うので、ぜひあきらめずに自分の夢に向かって頑張ってもらいたいと思います」とエールを送りました。
たくさんの困難や挫折、大きな壁にぶつかりながらも、夢に向かって進み続け、夢の舞台であったオリンピックに出場した渡邉選手のメッセージが子どもたちの心に響きます。
小学校時代の6年間で夢を持ち、いろいろなことを学んだという渡邉選手。
「お父さんお母さん、先生など、周りの人たちに感謝することも忘れないでください。その人たちの助け、応援があってはじめて目標に向かって頑張れることを忘れないでください」…夢の達成は自分一人で成し遂げたものではなく、助けてくれる人、応援してくれる人がいてくれたからこそ。だからこそ、周りの人たちへの感謝の気持ちを大切にしてほしいと子どもたちに伝えます。
最後に「人の数だけ夢はあると思います。自分だけの夢を見つけて、その夢に向かって一生懸命努力して自分の夢を実現してほしいと思います。みんなの夢・目標が叶うように応援していますので頑張ってください」と話しました。
子どもたちに夢を語った渡邉選手。子どもたちからの質問の中で、これからの目標を聞かれ、「2012年のロンドンオリンピックに出場できて、自分の夢を叶えることができました。今は2016年に開催されるリオデジャネイロオリンピックで二回目の出場を目標に水泳の練習を続けています」とさらなる夢・目標に向かって進んでいることを子どもたちに伝えました。
夢を実現してからも、まだまだ疾走する先輩の話を聞いて、夢に向かって頑張っていきたいという思いを深めた名瀬小学校の生徒の皆さん。
この講演会がきっかけとなり、自分の夢に向かって進んでいく子どもたちがきっと増えることでしょう。
【15年ぶりの小学校校歌。子どもたちと一緒に歌いました】