2015関東車椅子ツインバスケットボールトーナメント大会
平成27年9月26日(土)・27日(日)に、障がい者スポーツ文化センター横浜ラポールにおいて、2015関東車椅子ツインバスケットボールトーナメント大会(主催/主管:関東車椅子ツインバスケットボール委員会)が開催されました。
関東ブロック7チーム、招待チーム(東北ドリームス)1チームの合計8チームによるトーナメント戦で、日頃の練習の成果とバスケットボール競技を通じて機能回復と体力の維持、チーム間の親睦を深め身体障害者スポーツの発展と社会参加への意欲を高めることを目的に開催されました。
車椅子ツインバスケットボールは、下肢のみではなく上肢にも障害を持つ重度障害者でも参加できるように考案されたスポーツです。
これまで車椅子バスケットボールをやりたいと思っていても、シュートしたボールが正規のゴール(高さ3.05メートル)に届かない、早い動きについて行けないといった理由で参加できなかった人が少なくありませんでした。
そういった人たちにとってこの車椅子ツインバスケットボールは、障害の重さの違う選手がそれぞれの役割を果たしながら楽しめる、まさに画期的なスポーツの誕生となりました。
その最大の特徴は、名称の通り「ツイン」つまり二組のゴールが設けられているというところにあります。
従来の車椅子バスケットボールに使用されている正規のゴールの他に、もう一つの低いゴール(高さ1.20メートル)をセットし、正規のゴールまで届かない選手のためのゴールとしました。
さらにその周囲には3.6メートルの円(フリースロー・サークル)があり、シュートする選手を円外と円内に区別しました。
そしてこれらのルールによって、それぞれの選手が自分の障害に応じてのシュート方法で、ゲームにおいて独自の役割を果たすことができるようになったのです。
ツインバスケットボールの選手は、事故や病気などで手や腕、足に障害(四肢まひ)があり、ほとんどの人が普段は車椅子を使用して生活をしています。
年齢は16歳から60歳以上の人までと様々で、男女の区別なく一緒のチームで活動しています。
この競技において最も勝敗を左右するのは、選手間のパスワークです。お互いの障害の状態をしっかり把握し、それに応じた正確なパスが求められます。
一見、動きに自由が利く障害の軽い上ゴールを狙える選手の方が有利に思えますが、実際に試合を見ると一概にそうとは言い切れませんでした。低いゴールを狙える選手にうまくパスが回った時のシュート率はとても高い印象でした。
絶妙なパス回しは、日頃の練習の賜物で、お互いに声を掛け合い、プレーで意志を通じ合わせることが重要なポイントとなるそうです。
試合中は選手たちが声を掛け合い、励まし合いながらプレーしていました。
試合スタート!
下のゴールにシュート出来る選手は、ヘッドバンドを巻いて区別をします。
下のゴールシューターの中でも、円内からシュートできる選手は赤、円外からのシュートとなる選手は白のヘッドバンドと区別されています。
上のゴール、下のゴールへのシュートは区別なく2点となります。
上のゴールへのシュート
下のゴールへのシュート
ハーフタイムでは作戦会議と水分補給
白熱するプレーの中で、転倒する場面も!
閉会の挨拶をする、関東車椅子ツインバスケットボール委員会 菅原悟委員長
自らも千葉ピーナッツの選手として試合に出場し、活躍されていました。
優勝した神奈川JUNKSは、圧倒的な強さでした。
ツインバスケットボールのルールや面白さなどは、ハマスポどっとコムオフィシャルコラム「あんどうたかおのバスケにどっぷり」でもご紹介しています。
ぜひご覧ください!
vol.3「ツインバスケット」 (2007年8月21日掲載)
vol.48「ツイン・バスケット」 (2011年9月15日掲載)
vol.60「ビーコル新チーム」 (2012年9月15日掲載)