指先のファンタジスタ現る~第19回電動車椅子サッカー関東大会~
平成27年9月22日(火・祝)・23日(水・祝)、障害者スポーツ文化センター横浜ラポールにおいて、第19回電動車椅子サッカー関東大会が行われました。
この大会は関東ブロック電動車椅子サッカー協会に登録する全チームが出場できる唯一の大会で、神奈川県での開催は5年ぶり7回目となります。
22日(火・祝)は技術を高めていくことを重視するディビジョン1、23日(水・祝)は身体機能の改善と楽しさを重視するディビジョン2のカテゴリーで試合が行われました。
今回は22日(火・祝)に開催されたディビジョン1の様子をレポートします。
【電動車椅子サッカーとは】※日本電動車椅子サッカー協会ホームページより
「足を使わないサッカー」といわれ、選手たちの多くは自立した歩行ができない障害を持ち、なかには上体や首の保持ができないほど重度な選手もいますが、ジョイスティック型のコントローラーを手やアゴなどを使って巧みに操りプレーをします。
プレーヤーに男性・女性の制限はなく、身体障害者手帳を持ち、5歳以上で電動車椅子の操作ができれば参加可能です。
国際的な呼称は「パワーチェアーフットボール」です。
コートはバスケットボールのコート、ボールは直径13インチ(32.5cm)のものを使用し、 電動車椅子は最高速度10km/h以下(※国内は最高速度6km/h以下)、車椅子に付けるフットガードは金属など硬質なものと定められています。
プレイヤーは1チーム4名(フィールドプレーヤー3名+ゴールキーパー1名)、試合時間数は前後半20分ハーフ・10分インターバル(※今大会は前後半15分ハーフ)で開催されます。 PK(ペナルティーキック)は通常のサッカーと同様で、3.5m離れて行います。
開会式では、今大会実行委員会三上勇輝委員長より開会宣言、関東ブロック電動車椅子サッカー協会平野貴史会長から挨拶、さらに柏崎誠横浜市副市長から激励の言葉がありました。
(写真左)三上 勇輝委員長 (写真右)平野 貴史会長
柏崎 誠副市長
選手宣誓:中山 環選手(Yokohama Crackers)
試合前には、最高速度が6km/h以下(国内ルール)であるかスピードテストが行われ、審判員がチェックしました。
いよいよ試合開始。
リーグA・Bの2グループに分かれ、グループリーグ方式3チームリーグ戦、その成績により順位決定戦が行われました。
電動車椅子サッカーの醍醐味は、「指先のファンタジスタ現る。」という本大会のキャッチコピーがまさにぴったりの、電動車椅子の華麗な操作です。回転しながらボールを打つスピードと迫力に見入ってしまいます。また、車椅子同士がぶつかり合いボールを奪うプレーも見ごたえありです。
電動車椅子の前に取り付けたフットガードでボールを巧みにコントロールし、前・後進、回転してパスやシュートなどを打ちます。
ハーフタイムでは、ホワイトボードなどを使い作戦会議。監督から指示が出され、選手からも意見が飛び交います。
難しいのは、「2on1」というルール。
基本的にボールに対して3m以内にチーム1人しかプレーに関与してはいけないとあり、わざと2人いるところにボールを打ち相手の反則を誘ったりするのも作戦だそうです。 また、ゲーム再開の際相手選手はボールから5m離れるというルールもあります。
リーグ戦が終わり順位決定戦前の特別企画では、「FAIRIES POP」チアリーディングチーム総勢25名によるパフォーマンスが披露されました。
ボンボンが選手や観覧者にも配られ、一緒にチアリーディングを楽しみました。
優勝決定戦は、とてもレベルの高い試合となりました。それを制したのは「Yokohama Crackers」。巧みなパス回しとチームワークでシュートを決めていました。
【ディビジョン1(1日目) 大会結果】
優勝:Yokohama Crackers
2位:YOKOHAMA Bay Dream
3位:レインボー・ソルジャー
最優秀選手:紺野 勝太郎選手(Yokohama Crackers)