男子プロバスケットボール新リーグ「1~3部階層分け発表」横浜ビー・コルセアーズ記者会見
一般社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL)は、2016年秋に開幕する男子プロバスケットボール新リーグの1~3部階層分け発表記者会見を7月30日(木)に開催しました。
新リーグ加盟申請のあった全47チームのうち、初年度の参加を認められなかった広島ライトニング(ターキッシュエアラインズbjリーグ)と和歌山トライアンズ(ナショナルバスケットボールリーグ)を除く45チームの中から、所属リーグ(1部~3部)が決定した合計20チームを発表しました。
神奈川県横浜市をホームタウンとする「横浜ビー・コルセアーズ」(ターキッシュエアラインズbjリーグ)は今回の発表会見で所属リーグが決定されず、8月29日(土)の最終決定まで持ち越す形となりました。
今回の発表会見はインターネットを通じて配信され、横浜ビー・コルセアーズスタッフやブースター、メディア等関係者はワークピア横浜(横浜市中区)にて固唾を呑んで見守りました。
新リーグ階層分発表会見を受けて、横浜ビー・コルセアーズ 岡本尚博代表取締役CEO(写真)のコメント
前回のヒアリングを受けた際には、1部リーグと2部リーグの間、という状況だと受けておりますので、もう一がんばり、8月29日の最終決定に向けて全力を尽くしていきたいと思います。簡単に申し上げますと、過去3年間の実績のうち、財務状況の部分は代えがたい事実でありまして、ここを払拭するだけの財務増強やスポンサー獲得といったところを、8月において全力を尽くしていきたいと思っております。
アリーナの問題に関しましては、横浜市の協力を得てほぼほぼ解決をしております。横浜国際プールを主戦場とすることで5000人という規格に関してはクリアしています。プールの営業期間などの問題はありますが、そこについては横浜市の方でご協力のサゼスチョンをいただいております。
あとはやはり興行部門での観客動員数です。ここも年々増加をしております。昨年度は横浜国際プールで3000名近いお客様に来ていただいた実績もあり、過去2年において少しずつ積み重ねていったものを今年度はプラスとして出せると思っておりますし、その部分はタスクフォースにも提出させていただいていますが、8月のチケット販売について、川淵さん(JPBL 川淵三郎理事長)の言葉を借りれば、「パンチ力のある」結果を短期間でどのぐらいまで積み重ねられるか、というところだと思っております。
横浜ビー・コルセアーズに関しましては、たくさんの熱いブースターの方々に支えられ、また出資者や株主、ステークホルダーの方々の力を借りて着実に力強く生まれ変わっている最中です。過去のことに関してはどうしようもないのですが、先に向けての可能性とポテンシャルを我々がどれだけアピールできるか、また確実な数字として目標値がほぼほぼ見えていますよと、いう部分で8月29日の発表までにどこまで用意できるか、と考えております。
また今日は(会見での)質問事項にほとんど出てこなかったのですが、1部リーグ参入要件については「ユース組織を有すること」という項目があります。我々横浜ビー・コルセアーズはいち早く、2年前からビー・コルセアーズの将来像を考えてユース組織を設立しております。
もうすでに2年の実績を持ち、先日行われたジュニアユースカップでは男子チームが優勝を果たしました。ビーコルジュニアから日本代表のU-16指定選手も1名選ばれていますし、神奈川選抜にも3名が選ばれ、順調な実績を重ねております。またスクール事業も拡大しまして、現状でも700名のスクール生を抱えるという状況で、下部・育成組織に関しては全国どのチームよりも進んだ状態であると自負しております。こういった状況を鑑みて、やはり過去の状況を払拭して、ビーコルであれば1部リーグで活躍できるであろう、あるいは1部リーグに置いて恥ずかしくないチームであろう、と審査側に納得させるだけのパンチ力を持った今現在獲得できる実績を8月いっぱいでどれだけ集められるか、ぶつけられるかが勝負だと思います。
今日の段階で、審査継続は「良し」とはしませんが、2年前の経営破綻から2年間これだけ回復し、将来にどれだけの絵を描けるかについては、8月までの継続審査というところにまでこぎつけたというところで、あと1ヵ月、詰めのところをしっかりやっていきたいです。選手も含めて街頭でのブースタークラブ加入促進イベントであったり、地域のイベントやお祭りなどにチーム・B-ROSE含めて参加させていただき、昨年度は300~400という実績を重ねています。今シーズンもすでに夏のイベント等で30~40ほど出させていただいております。学校訪問や地域訪問も含めて、より一層我々を応援していただきたいというアピールを繰り返していきたいと思います。
先ほどの会見を見ていただいてもお分かりのとおり、メディアの扱いは首都圏よりも地方の方が大きいです。質問も地方のメディアの方が非常に多く、中央のメディアと言われるところからはほとんどありませんでした。そういう状況の中で我々に何ができるかというと、地域に根を張って一つひとつ掘り起こして、それぞれの団体や様々な方々にご理解をいただき、我々に何ができるか、この横浜にどういったことができるか、を考えつつ動いていくことが大事だと思っています。また川淵理事長もおっしゃっていましたが、各スポーツとの連携という部分では、横浜には横浜熱闘倶楽部がありますし、我々の方でも現在、横浜DeNAベイスターズさんや横浜F・マリノスさん、横浜FCさん、平塚開催においては湘南ベルマーレさんといろいろと交渉や連携はさせていただいており、オール横浜、横浜のスポーツという形での連携をさらに強くすることで、他の地域にはないアピールができてくるのではないかと思っています。いずれにせよあと1ヵ月、元々そういう勝負になるだろうと私も覚悟しておりましたので、あと1ヵ月、やってやろうじゃないか、というところです。
壇上に植田(哲也 球団代表)と財務を担当している平野(武史 取締役)もおりますが、植田は地域の関係を強固にするためにいろいろやっておりますし、財務の諸々といったところで平野はスペシャリストです。横浜ビー・コルセアーズは今回、体制・社員変更を含め各セクションにスペシャリストを加えました。マーケティングについても新たな人員を配置し、様々な解析を含めマーケティングに従事していますし、運営についても営業を含め増員しております。そういう意味では本日の発表は、ある意味僕らとしては非常に面白くなってきたと前向きに捉えています。
[質疑応答]
(富山グラウジーズさんでは、ブースターを5000人集めるキャンペーンを急遽やられたようですけど、ビーコルさんでは緊急に人を集めてとかブースターを集めてとかのキャンペーンはやらないのでしょうか。)
岡本CEO 冒頭でも申し上げましたが、もうひとつふたつパンチを加えていかなければいけないのであれば、当然選手も起用してそういうことに取り組んでいかなければいけないと思っております。
(日程的にあと1ヵ月くらいだとすると、緊急に決起集会とか、今日の状況を見てからのそういった集会でブースターや県民を招集するようなイベント、緊急のアクションとかはどうでしょうか。)
岡本CEO ご意見は前向きに検討させていただきたいと思います。
((横浜・神奈川は)バスケの人口は多いんですよね。)
岡本CEO 人口は非常に多いのですが、やはり先ほども申し上げましたように、ビー・コルセアーズの名前とバスケットボールの現状がまだ首都圏の中では浸透しきれていない部分は間違いなくあると思います。ただ、できるだけのことはやっていきたいと思いますし、横浜市の協会さんにもご相談をした上でそのような試みができるかどうか、アクションは起こしてみたいと思います。
平野武史 取締役(写真)
私の方から売上・財務面について若干補足をさせていただきたいと思います。横浜ビー・コルセアーズについては先ほど岡本からも説明があったとおり、過去の決算内容等々を踏まえて、現状1部リーグ2部リーグの間という判定になったのであろうと思っています。ただし資料に書いてあるとおり、タスクフォース宛てにはすでに売上の1部リーグ要件である2億5千万円は達成できるという形でこちらとしては資料を提出しております。
売り上げの構成としては興行部門、そして協賛金・スポンサー部門、あとビーコルの場合ではアカデミー部門となっております。アカデミー部門は前々からご説明させていただいておるとおり、今シーズンから圧倒的に人員数が増えていますので、タスクフォースの方々も理解していただいていると思います。協賛金についても、この場ではまだ社名を発表はできませんが、大きな金額を獲得済みという状況でございます。したがって、結果としては先ほどの岡本の話に戻るのですが、現時点でいちばんインパクトが少ないのは興行部門、ブースター会員の拡大と入場者数拡大の裏付け。これがこの1ヵ月でどれだけできるか、ここにすべてがかかっているのではないかというのが、私がこの会見を見て先日のヒアリングの内容とも照らし合わせて感じたところです。
付け加えておきますと、改めての話になりますが、債務超過については一旦すべて解消をしております。要は売り上げの達成見込みをこの1ヵ月でどれだけ示せるか、にすべてかかっていると思いますので、先ほどご意見をいただいたように、この1ヵ月、我々にできることはすべてやっていければと思います。
岡本CEO 我々も業務体質を完全に入れ替えまして、アカデミー部門に関しては全国において先駆けて行っております。そういったところをアピールポイントにしながら、インパクトのあるパンチ力が必要だということであれば、資本増強やスポンサー獲得も含め、もうひとつふたつ上積みをして8月末の発表には1部リーグに呼ばれるようにしていきたいと思いますので、皆様のご支援・ご協力をいただければと思います。
植田哲也 球団代表
本日は暑い中お集まりいただきありがとうございます。大方、岡本や平野の方から話がありましたので私から特に申し上げることはないのですが、本日ここにお越しいただいたブースターの皆様とメディアの皆様にぜひお願いをしたいのは、今こうして発表があったということ、横浜はどちらにも選ばれなかったということ、選ばれなかったけれども今ここで売り上げ2億5千万円という部分が、出してはいるんだけど本当に到達するのか?という疑問が審査する側にもあったのでは、といった部分を訴えていただければ幸いです。
我々も8月29日までまだまだ1ヵ月弱ありますが、ブースターの拡大も含めて早急に練り直して、我々の方でもインパクトあるものを作っていきたいと思います。ここの部分をぜひ訴えていただければと思います。岡本の言葉同様、より一層やる気が出て、やってやろう!と思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
鈴木威 会長(写真)
今回選ばれなかったことは非常に残念です。残念ですが手法を変えるつもりは全くございません。私もJリーグ・東京ヴェルディ存続のために川淵理事長ともいろいろやってきました。アカデミー部門は売り上げを絶対に裏切らない。このことは分かっていただければと思っています。どういうことかと言いますと、アカデミー部門は売り上げが一定しているのです。それと同時に将来のチームのファンになるのです。このことを早急に、ただの売り上げだけで見ているのは私たちの本意ではありません。とはいってもやはり1部リーグに選ばれなければいけませんので、ブースターの拡充は早急にやらなければいけない。アカデミーの方はおそらく今日選ばれたチームよりも我々の方がはるかに上だと思っております。
(アカデミー部門の拡充が)ヴェルディを立て直した最大の根幹でございますが、その手法がバスケットボールの方でまだ理解されていないのかなと思っております。この売り上げというのは絶対に裏切りません。ブースターというのは強い時にはついてきますが弱くなると逃げてしまうという懸念があります。しかしながらその数を増やさなければいけないということであれば、今後我々も全力で増やしていかなければいけないと思っております。ただ、経営を安定させていくには先ほども言いましたが、絶対に裏切らないアカデミー部門はかなり充実をさせていかなければならないと思っています。アカデミー部門は今月売り上げが1千万だとして来月は800万になる、ということはない。今月の売り上げが1千万だったら次が1千1万・2万と、ずっと安定していくものです。もちろんブースターの皆様一人ひとりがもう一人二人とつないでいただけたらブースターがもっと増えていくことになるのですが、どうかブースターの皆様も今回の結果を踏まえて、より一層お力を貸していただければと思っております。よろしくお願いいたします。
(アカデミーの話が出ましたが、集客を増やすということでアカデミーの親御さんを会場に呼ぶという取り組みはされていないのですか?)
岡本CEO しております。基盤となるアカデミー、これは将来のブースター、あるいは周辺にいる方のブースター化を含めたいろんな相乗効果が様々な部分で出てくるという意味の中心として、アカデミーというのはバスケットボールの将来や代表の強化といったリーグが描いているものについても、チームが支えていかなければいけないひとつの基盤として大きな力を持つということでございまして、先ほど言いましたように、ブースターを醸成する、また親御さんにブースターになっていただく、こういった意味を含めてのアカデミーの強化、基盤をしっかりしていくということは、チームの足腰が強くなるという経営の観点から見ても、そこを他のチームと比べて我々が先進的に手がけていますよ、ということでございます。
(ある一部の親御さんはいるんですけど、まったく来られてない方もいると私は聞いているので、そういった親御さんを取り込む必要があると思うんですね。そうするとおばあちゃんも含めると2倍3倍になるわけですよね。まずそういう取り組みは今すぐにでもできるのではないでしょうか。)
岡本CEO それはもう当然で先ほども申し上げましたように、基盤となったユース・スクールの方々、その親御さんや親類の方々、お知り合いの方々をお客様のひとりとして増やしていく施策の形ということです。
鈴木会長 スクールはたくさんありますので、対抗戦などを試合前にやれば親は絶対に観に来ます。サッカーもそうです。そういう取り組みは今ご指摘のあったようにこれからやっていきたいと思います。
岡本CEO 観客動員の部分については、結果の部分しか出しようがないので、この部分は今季どうしますということに関しては、具体的な施策も含めてタスクフォースには「そういうことをやりますよ。だからこれだけの人数がこれからも増えていきますよ」というような絵を描いて提出しております。また現状では横浜DeNAベイスターズのファンクラブ、横浜F・マリノスのサポータークラブとも連携を進めております。
この2~3ヵ月で結果がいきなりどーんと出せるところまではいきませんが、もうすでにブリッジはかけて、どういうふうにやっていこうかと進めていることをタスクフォースには提出しておりますし、重ねて、新たな施設や事業についての可能性、進捗状況も提出はしておりますが、いずれにしろあくまで計画値であり、その計画が現実として認識できるパンチ力がまだ足りないということであれば、それらを確定させて8月中に出せるものは出していきたいと思っております。
平たく言えば、今回の12チームは、先に決定するだろうといわれていたチームだったのかなと思っております。bjリーグからは大阪、京都、沖縄、秋田、仙台、浜松が出ましたが、経営について大阪・京都・浜松についていえば大きな企業が支えていく中で展開をしている。チームの歴史も長いですし、仙台に関してはオリジナル6の一員として仙台で地道に展開していって、89ERSという名前は仙台でも大分通じているという状況にまで持ってきています。秋田・沖縄については言わずもがな、bjリーグを代表するチームですし、この2チームが入るのは当然なのかなと思っています。NBL型のチームについても、経営が盤石なところは当然呼ばれているという状況ですので、我々としても横浜ビー・コルセアーズが8月29日に1部リーグに参入できるとすれば、将来、あるいはこれからの部分をどれだけ見ていただけるか、というところだと思っております。フロントスタッフ、関係者一同、全力であと1ヵ月、1部リーグ参入を目指して動いていきたいと思います。全然悲観はしておりません。
2年前の状況から比べれば、1部リーグを狙うと今堂々と皆様に言える状況まで来たということは、皆様の声援と支え、具体的には資本増強も含めたバックアップ、それから地域・行政の皆様のご理解・ご協力、今回筆頭株主として増資にご協力いただき、またアカデミーの手法についてもバックアップをいただいている会長の鈴木を含めた皆様、それから本当にどうにもならない時期に株式公開に応じていただいたブースターの皆様、そしてこの2年間成績があまり思わしくない中でも足を運んでいただき、ブースタークラブ会員も観客動員も右肩上がりです。このチームを応援していただく皆様、アカデミースタッフの皆様、アカデミーに所属していただいている皆様、こういった皆様のお力添えをいただいて、今ここでもう一度8月に向けてチャレンジすると、横浜ビー・コルセアーズが1部リーグを狙っているんだと胸を張って堂々と言える状況が、僕にとっては嬉しいというかワクワクしている状況です。
あと1ヵ月、全力でがんばりますので、引き続きメディアの皆様、ブースターの皆様、各方面の皆様のお力添えとご協力をいただきたいと思っております。本日はお暑い中お集まりいただきましてありがとうございました。がんばります。よろしくお願いいたします。
○新リーグの所属が決定したチーム
[1部リーグ]
・秋田ノーザンハピネッツ(bj)
・仙台89ERS(bj)
・リンク栃木ブレックス(NBL)
・千葉ジェッツ(NBL)
・トヨタ自動車アルバルク東京(NBL)
・東芝ブレイブサンダース神奈川(NBL)
・浜松・東三河フェニックス(bj)
・アイシンシーホース三河(NBL)
・三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋(NBL)
・京都ハンナリーズ(bj)
・大阪エヴェッサ(bj)
・琉球ゴールデンキングス(bj)
計 12チーム
[2部リーグ]
・青森ワッツ(bj)
・福島ファイヤーボンズ(bj)
・豊田通商ファイティングイーグルス名古屋(NBDL)
・バンビシャス奈良(bj)
・高松ファイブアローズ(bj)
計 5チーム
[3部リーグ]
・大塚商会アルファーズ(NBDL)
・豊田合成スコーピオンズ(NBDL)
・アイシン・エィ・ダブリュ アレイオンズ安城(NBDL)
計 3チーム
(bj:ターキッシュエアラインズbjリーグ NBL:ナショナル バスケットボール リーグ NBDL:ナショナル・バスケットボール・デベロップメント・リーグ)
なお残りのチームに関しては8月29日(土)に発表される予定です。
※今後のスケジュール
・8月29日(土)今回所属リーグ未確定チームの所属リーグ発表
・9月15日(火)新リーグ所属クラブによる社員総会・理事会
詳細は公益財団法人日本バスケットボール協会ホームページをご覧ください。