vol.70「第92回箱根駅伝」
第92回東京箱根間往復大学駅伝競走が、2016年の正月1月2日、3日と、大手町・読売新聞東京本社前をスタートし、箱根町芦ノ湖駐車場入口を折り返し大手町に戻ってくるという、往路107.5km、復路109.6kmの総距離217.1kmで開催されました。
結果は青山学院大学が2年連続の優勝を果たしました。1区から10区までトップを譲らない完全優勝でした。2位の東洋大学に7分11秒も差をつける圧勝。強すぎです。青山学院大学は4年生を4人使っていますが、来年の戦力もあまり落ちないでしょう。青山学院大学1強時代が始まるかもしれません。
2日大手町スタート前
3日 箱根スタート前
私が監督している法政大学は、2年ぶりの出場となりました。結果は20大学中19位でふるいませんでした。トップ青山学院大学から遅れることなんと37分47秒です。37分といったら12km以上離されていることになります。初日は1区20位、2区も20位と最下位を走り、繰り上げの危機をかわしつつ往路を19位でゴール。
2日目は一斉スタートで箱根を出発し、2度の繰り上げスタートの屈辱を味わい、なんとか19位で大手町のゴールを迎えました。9区終了時では最下位の上武大学との差はわずかに19秒。最下位で終わることも覚悟していました。
2年ぶりの本戦出場であったこと、若い選手層であったことを考慮しても不甲斐ない結果であったと思います。応援してくださった皆さま、申し訳ありませんでした。本会の結果を分析し、来年はがむしゃらに泥臭くやっていこうと思います。どうか来年の法政大学にも目を向けてくださいますようよろしくお願い申し上げます。
第92回東京箱根間往復大学駅伝競走 総合成績
順位/学校名/総合タイム
1位 青山学院大学 10:53:25
2位 東洋大学 11:00:36
3位 駒澤大学 11:04:00
4位 早稲田大学 11:07:54
5位 東海大学 11:09:44
6位 順天堂大学 11:11:25
7位 日本体育大学 11:11:32
8位 山梨学院大学 11:11:51
9位 中央学院大学 11:13:32
10位 帝京大学 11:15:21
以上シード校
順位/学校名/総合タイム
11位 日本大学 11:16:50
12位 城西大学 11:20:06
13位 神奈川大学 11:20:07
14位 明治大学 11:20:39
15位 中央大学 11:21:48
16位 拓殖大学 11:23:54
17位 東京国際大学 11:24:00
18位 大東文化大学 11:28:45
19位 法政大学 11:31:12
20位 上武大学 11:36:46
来年の箱根駅伝の予選会は、2016年10月15日(土)に立川昭和記念公園で開催されます。2017年の本戦出場権獲得のために熾烈な戦いが予想されます。頑張らねば。
さて、正月は箱根駅伝だけでなく実業団日本一を決めるニューイヤー駅伝も開催されました。このニューイヤー駅伝では、こんなことがありました。
2区で沿道から犬が飛び出して選手が転倒してしまったのです。実際には犬とぶつかったのではなく、リード(ひも)に引っかかってしまったようです。転倒したのはコニカミノルタのポール・クイラ選手でした。コニカミノルタは優勝を狙えるチームであり、この転倒の後、クイラ選手が後方に下がってしまったことから少なからず影響はあったと思います。コニカミノルタは21秒差の2位でした。残念なアクシデントでした。
駅伝やマラソンなどのロードレースは沿道の応援も一つの風物詩でありますし、その応援は選手の力にもなります。しかし、沿道で応援してくださる皆さまにもルールやマナーがあります。選手の横を走ったり、自転車で歩道の中を追いかけたりするのは大変危険です。絶対にしてはいけません。
これから2月14日(日)には神奈川駅伝競走、3月13日(日)には横浜マラソンが開催されます。ぜひ沿道で応援して選手に声援をいただきたいのですが、選手も主催者も、そして応援する方も皆が気持ちよく開催できるために、応援者のマナーを再確認しておきましょう。
【応援者のマナー】
1. 自動車、自動二輪車、自転車等の車両による応援は危険です。
1. ランナーと並走しての応援は危険です。
1. 必ず歩道から応援しましょう。
1. 歩道から手や身を乗り出さないようにしましょう。旗を振るときは選手に注意して。
1. 危険物は持ち込まないようにしましょう。
1. ゴミは持ち帰りましょう。
沿道の皆さんの応援が選手を励まし、選手の背中を押すことでしょう。運営者、選手、そして応援の皆さんで良い大会にしていきましょう!!
1969年5月8日生まれ、横浜市南区出身。
元オリンピック陸上競技選手。横浜市立南高等学校から法政大学経済学部、富士通、筑波大学大学院で競技生活を送る。
現在は法政大学スポーツ健康学部教授 コーチ学(スポーツ心理学) 同大学陸上競技部監督 法政アスリート倶楽部代表 日本陸上競技連盟強化委員会ディレクター兼オリンピック強化コーチ(ハードル)。
2007年から日本陸上競技連盟強化委員会の男子短距離部長を務め、世界選手権(2007大阪、2009ベルリン、2011大邱、2015北京、2019ドーハ)、オリンピック(2008北京、2012ロンドン)に帯同。
また、2014年には日本陸上競技連盟の男子短距離部長へ復帰し2016リオデジャネイロオリンピックに帯同し、日本短距離男子チームの責任者として同行した。
1990年代を代表する陸上競技者として活躍。1996年のアトランタと2000年のシドニーオリンピックに出場、世界室内陸上競技選手権大会400mで銅メダルを獲得するなどの活躍を見せた。元400mハードル日本記録保持者。
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