vol.67「和歌山国体」
10月2日(金)から6日(火)まで、和歌山県紀三井寺公園陸上競技場で開催された、第70回国民体育大会(2015紀の国わかやま国体)の陸上競技大会に行ってきました。
毎日快晴で気持ちの良い大会でした。
神奈川県の陸上競技の成績は、男女総合(天皇杯)第5位!!得点は96.5点でした。昨年は8位だったので、大躍進ですね。1位は122.5点で京都府、2位は東京都、3位大阪、4位北海道と続きます。
1位 京都 122.5点
2位 東京 119.5点
3位 大阪 112点
4位 北海道 100点
5位 神奈川 96.5点
6位 群馬 87.5点
7位 埼玉 86点
8位 兵庫 84点
9位 静岡 80.5点
10位 千葉 78点
女子総合(皇后杯)は31点で12位でした。すべての競技を集計した総合天皇杯では、神奈川県は第6位で1,626点を獲得しました。総合優勝は和歌山県で2,357点を獲得し、地元優勝を成し遂げました。ちなみに神奈川県女子総合は7位、優勝は東京都です。
横浜関係者の結果は、優勝こそありませんでしたが少年男子A棒高跳で江島雅紀選手(荏田高)が2位、同じく荏田高校の川上明日麻選手が少年男子B110mハードルで第3位に入賞。そして成年10,000m競歩では東洋大学の松永大介選手、少年共通5,000m競歩で横浜高校石川昌弥選手、少年女子A3,000mで荏田高校の佐藤成葉選手が第4位、少年女子B1,500mでは金沢高校のリンズィー・ヘレナ芽衣選手が第5位、桐蔭学園高校の小田大雅選手が少年A走幅跳で第6位と大活躍してくれました。
高校生の活躍が光りましたね。さらに高校生の中でも1年生や2年生の活躍が目立ちました。来年が本当に楽しみです。
さて、秋は運動会のシーズンですね。今までも走り方について「ダッシュ」で何度か書いてきました。
vol.7「国体に行ってきました」 (2010年10月20日UP)
vol.44「運動会転倒」 (2013年11月15日UP)
vol.54「手を握る」 (2014年9月15日UP)
運動会が終わってしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、今回も走り方をレクチャーしたいと思います。
まず、図をご覧ください。
これは左脚が着地する直前の、左脚が最も前に出ている局面の図です。
図①は正しいフォームです。上体は軽く前傾して脚をしっかり前に持っていきます。そしてこの後、ほぼ真下に着地します。
図②、これは上体が前に突っ込みすぎてしまい、脚が前に出てこない走りです。脚は後方に流れてしまうことになります。「脚が流れる」は、陸上用語です。
この姿勢は速く走ろうという気ばかり先行してしまい、上体だけ前に突っ込んでしまう形で、脚が後方に接地してしまうので全く進みません。後ろで回っているだけです。このタイプは転倒してしまうことがあります。腕も上手く振れません。疲労してくると回すように腕を振ってしまいます。
こういう走りをする人いますよね。
このタイプの修正方法は、まずは気合を入れすぎないこと。そして、身体をもう少し立てるようにします。そうすると脚も前に持っていきやすくなります。身体の前傾が深すぎると、脚を前方に持っていきにくくなってしまうのです。地面を踏んでいく意識で脚を着くようにしましょう。
そして図③、これは上体が反ってしまうタイプです。脚を上に挙げることを気にしすぎてしまうとこのフォームになりやすくなります。疲労してくると顎も上がってしまい、重心は後方へ移動して全く進みません。ただ、脚は後方に流れることはありません。そして、動いてはいます。が、動いて(回って)いるだけで最終的には疲労で動けなくなってしまいます。
こういう走りの人もいますよね。
このタイプはまず、「もも(大腿部)を上に挙げないと!」という意識を捨てなければなりません。脚の速い人は「もも」を挙げる意識をあまりしません。逆に下げる方を意識して、その地面からの反発の分だけ挙げています。「もも」を無理に挙げようとすると上体も反りやすくなってしまいます。骨盤も後傾してしまいます。こちらも地面を踏んでいく意識を持ちましょう。
細かいことを書くといろいろとありますが、まずは脚で地面を踏んでいくというイメージで練習してみてくださいね。
お子さんにカッコ悪いところを見せないためにも、正しい走りを習得することが大切です。
お父さん、頑張ろう!!!
1969年5月8日生まれ、横浜市南区出身。
元オリンピック陸上競技選手。横浜市立南高等学校から法政大学経済学部、富士通、筑波大学大学院で競技生活を送る。
現在は法政大学スポーツ健康学部教授 コーチ学(スポーツ心理学) 同大学陸上競技部監督 法政アスリート倶楽部代表 日本陸上競技連盟強化委員会ディレクター兼オリンピック強化コーチ(ハードル)。
2007年から日本陸上競技連盟強化委員会の男子短距離部長を務め、世界選手権(2007大阪、2009ベルリン、2011大邱、2015北京、2019ドーハ)、オリンピック(2008北京、2012ロンドン)に帯同。
また、2014年には日本陸上競技連盟の男子短距離部長へ復帰し2016リオデジャネイロオリンピックに帯同し、日本短距離男子チームの責任者として同行した。
1990年代を代表する陸上競技者として活躍。1996年のアトランタと2000年のシドニーオリンピックに出場、世界室内陸上競技選手権大会400mで銅メダルを獲得するなどの活躍を見せた。元400mハードル日本記録保持者。
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