vol.25「ノルディックウォーキング」
だいぶ暖かくなってきました。ジョギングやウォーキングを楽しまれている方にとって気持ちの良い季節になりましたね。
さて、今日はウォーキングの中でも「ノルディック・ウォーキング」というウォーキングを紹介します。ノルディック・ウォーキングとは、スキーのストックのようなポールを両手に持って、スキーのように地面をストックでついて歩くウォーキングです。
ノルディック・ウォーキングという言葉を始めてお聞きになった方もいらっしゃるかもしれませんが、その歴史は意外に古く、1930年代初めに遡ります。フィンランドのクロスカントリースキーの選手が雪のない夏場のスキル(技術)トレーニングとしてポールを持ってウォーキングやランニングをしたことから始まったようです。現在のノルディック・ウォーキングという形で発表されたのは1997年のことでした。日本には1999年にフィンランド人によって伝わったとされています。おそらく似たようなものはあったとは思いますが…。
現在は世界にノルディック・ウォーキング愛好家は800万人いると言われ、日本でも普及が進んでいます。街でもたまに見かけますよね。ノルディック・ウォーキングは、登山のようなトレッキングとは異なり、普通のウォーキングのように起伏のあまり激しくない比較的緩やかなフィールドで行うのが通常です。
では、普通のウォーキングとはどこが違うのでしょうか。
まず、第1にポールを使用することで腕を使います。同じスピードであれば—
☆〈エネルギー消費量がウォーキングより大きい〉
ということが言えます。女性の方が気にされる“二の腕”周辺の筋をたくさん使います。エネルギー消費が 大きいということはダイエットにも効果的といえるでしょう。
そして第2にポールを使用することで—
☆〈膝、腰そして足首への負担が少ない〉
自分の脚2本、そしてポール2本、つまり4本足の様な状況となり、衝撃は4本に分散されるわけです。ハイテク杖のようなイメージでしょうか。「ウォーキングやジョギングを始めたいけど膝や腰がすぐに悲鳴を上げてしまう」という方にはノルディック・ウォーキングがお勧めです。
第3、ポールによって4本支持となり—
☆〈転倒しにくい〉
年齢を重ねると、バランス能力は大きく低下します。また骨密度が低下し、転倒による骨折なども懸念されます。ポールで支え、バランスをとることで転倒の危険回避が期待できます。
その他にもポールによって推進力を得ることから歩幅が伸び、歩くスピードが上がります。姿勢も良くなるといわれています。
ここまで書くと、良いことずくめのようですが、消費カロリーはジョギングや水泳にはかないませんし、専用ポールを購入しなければなりません。専用ポールは様々なものが販売されていますが、良いものですと1万円を超えてしまいます。
ウォーキングの上級バージョンくらいの感覚でとらえるのが良いのではないでしょうか。
また、ポールを持って歩きますので人の多いところではポールの扱いに注意が必要です。他の人に当たらないように気配りが必要です。
興味のある方は、インターネットで「ノルディック・ウォーキング」と検索されると、歩き方や、効果効能、専用ポールの選び方など様々な情報が紹介されていますのでご覧ください。
皆さん、ハマスポにはウォーキングコースのマップが紹介されているのをご存知ですか?横浜市内の自然や施設、歴史、史跡などを巡るコースがたくさん紹介されています。区ごとに検索でき、 皆さんのご近所のコースが必ず見つかります。私の家の前を通るコースが2つもありました。
ぜひアクセスしてみてくださいね。
また5月5日(祝・土)にはヨコハマ・ワールド・ウォークが開催されます。
みなさん、健康で安全にスポーツを楽しみましょう!!
1969年5月8日生まれ、横浜市南区出身。
元オリンピック陸上競技選手。横浜市立南高等学校から法政大学経済学部、富士通、筑波大学大学院で競技生活を送る。
現在は法政大学スポーツ健康学部教授 コーチ学(スポーツ心理学) 同大学陸上競技部監督 法政アスリート倶楽部代表 日本陸上競技連盟強化委員会ディレクター兼オリンピック強化コーチ(ハードル)。
2007年から日本陸上競技連盟強化委員会の男子短距離部長を務め、世界選手権(2007大阪、2009ベルリン、2011大邱、2015北京、2019ドーハ)、オリンピック(2008北京、2012ロンドン)に帯同。
また、2014年には日本陸上競技連盟の男子短距離部長へ復帰し2016リオデジャネイロオリンピックに帯同し、日本短距離男子チームの責任者として同行した。
1990年代を代表する陸上競技者として活躍。1996年のアトランタと2000年のシドニーオリンピックに出場、世界室内陸上競技選手権大会400mで銅メダルを獲得するなどの活躍を見せた。元400mハードル日本記録保持者。
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