vol.15「ウォーキング」
梅雨空ですっきりしない天気が続きますが、だいぶ暖かく(いや暑く?)なってきました。紫外線の強い季節でもありますが、身体を動かすには5、6月は良い時期だと思います。今回はウォーキングについてお話しましょう。
先月5月5日(木)子どもの日に第8回目を迎えるヨコハマ・ワールド・ウォーク2011が横浜市体育協会の主催で開催されました。今年は参加者が4千人を超え、ゴールデンウィークのイベントとしてすっかり定着しましたね。この模様はハマスポで。
さて、ここ数年街でウォーキングを楽しまれている方をよく見かけます。ご夫婦や友人と楽しまれている光景は本当に微笑ましいですね。ただ、ごくたまに(いや結構ありますね)肩が引き上がり、ガチガチになって歩いている人を見かけることがあります。「もっと気楽に」と声をかけたくなります。
という訳で、今回は「カッコよく、スマートに歩こう」をテーマに話を進めていきます。ただし、いつものように簡潔に、例によって私の独断で解説します。では、図1を参考に説明していきます。
(1)姿勢
姿勢よく(猫背は×) 視線は前方
(2)上体
肩に力を入れない(少し下げる) 腕は肘を軽く曲げる
→手を顔くらいまであげて振っている人を見ることがありますがやめましょう。(ただし消費エネルギーは少し上がります)
(3)下半身
足は大きな円を書くように着き(図2)真っ直ぐに出します。
脚は膝からスッと出していきます。
歩幅は少し広めにします。
→身長の37%から45%などと言われていますが、普段より広いくらいの感覚で良いと思います。
いずれにしてもあまり細かく意識をするのではなく、おおまかなイメージで楽しみながら歩くのが良いと思います。
速度ですが、普段より少し速くといった感じで、自分の感覚で構わないと思います。大体70〜80mくらいを1分で、少し頑張りたいなら90〜100mくらいを1分でくらいが目安と思います。1分で70〜80mくらいなら1時間から1時間30分程度、1分で90〜100mくらいであれば1時間程度は歩きたいですね。
消費カロリーなどが気になる方もいらっしゃると思います。いろいろな算出方法がありますが、多くの場合あくまで目安です。ここでは細かい計算はなしとします。
ですが気になる方もいらっしゃいますよね。体重によりますが、紹介したペースである程度のカロリーは消化できると思います。かなりアバウトで申し訳ありませんが、紹介したペースと時間で少なくとも150〜250 kcalくらいはいくはずです(速度と体重で変わってきます)。厚生労働省の「健康日本21」によると、健康維持に最適な運動消費カロリーは1週間で2,000kcalと言われています。つまり1日あたり約300kcalほどです。ですから健康維持には十分な運動量だと思います。
ウォーキングと消費カロリーについて詳しく知りたい方は、メッツ(METs)法が簡単で良い指標となると思います。「メッツ」「ウォーキング」で検索するとたくさんヒットすると思います。
いつも思うのですが、真剣になるのは悪くはありませんが、やりすぎは良くありません。長く続ける秘訣は、義務にするのではなく、“気楽で楽しく”だと思います。
最後に、ジョギングの時にも書きましたが、音楽を聴きながらのウォーキングはリズムも作れますし、リラックスもでき大変良いと思います。ですが、音を大きくし過ぎて危険回避が遅れないように気をつけていただきたく思います。また、夜間のウォーキングは少し目立つ服装にするか、光を反射する反射板のある服や服に反射テープを貼るなどして自分の存在を車両などから解かるようにしましょう。くれぐれも事故にはご注意ください。
また、汗などで失った水分、ミネラルも必ず補給しましょう。
ウォーキングはどなたでも簡単に始められるスポーツです。カッコよく、スマートにウォーキングをエンジョイしてくださいね。
1969年5月8日生まれ、横浜市南区出身。
元オリンピック陸上競技選手。横浜市立南高等学校から法政大学経済学部、富士通、筑波大学大学院で競技生活を送る。
現在は法政大学スポーツ健康学部教授 コーチ学(スポーツ心理学) 同大学陸上競技部監督 法政アスリート倶楽部代表 日本陸上競技連盟強化委員会ディレクター兼オリンピック強化コーチ(ハードル)。
2007年から日本陸上競技連盟強化委員会の男子短距離部長を務め、世界選手権(2007大阪、2009ベルリン、2011大邱、2015北京、2019ドーハ)、オリンピック(2008北京、2012ロンドン)に帯同。
また、2014年には日本陸上競技連盟の男子短距離部長へ復帰し2016リオデジャネイロオリンピックに帯同し、日本短距離男子チームの責任者として同行した。
1990年代を代表する陸上競技者として活躍。1996年のアトランタと2000年のシドニーオリンピックに出場、世界室内陸上競技選手権大会400mで銅メダルを獲得するなどの活躍を見せた。元400mハードル日本記録保持者。
ブログ
※タイトル・本文に記載の人名・団体名は、掲載当時のものであり、閲覧時と異なる場合があります。