Vol.45「全国障害者スポーツ大会報告 and more」
■はじめに
「ハマパラ便り」読者の皆さん、お元気でしょうか。横浜市ゆかりの選手も7名参加したパラスポーツの一大イベント・パリパラリンピックが終わった後、10月末に開催された全国障害者スポーツ大会では、横浜市選手団が大活躍しました。今回は横浜市選手団の活躍を中心に、様々な展開を見せるパラスポーツ系の取り組みをお伝えします。
■バリアフリービーチの試み
ラポールでは、市内唯一のビーチである「海の公園」(金沢区:海の公園公式サイト)と協力して、車いすの方にビーチを楽しんでいただこう…という試みを進めています。
通常、砂浜は車いすでの移動がとても困難で、浜辺まで行くのは一苦労です。そこで、車いすのままでも砂浜を移動しやすくするモビマットや車いすのまま海に入って行けるモビチェア(参考:Obvious)といったツールを用意し、少しでもビーチを楽しんでいただこうというコンセプトです。
10月2日(水)~4日(金)までの3日間、比較的重度の身体障害で、車いすを常用されている方々にご協力いただいたのですが、初めて波打ち際まで行ったり、中にはモビチェアで海に入ったりという体験をされた方もいて、楽しんでおられました。
この取り組みは、まだまだ始まったばかりですが、「海の公園」の方々も非常に協力的なので、今後も少しずつ進めていけたらいいな、と考えています。
■地域でのパラスポーツ普及啓発
横浜市内では、Tokyo2020パラリンピック大会の開催が決まった後から、パラスポーツへの関心が高まり、さまざまな形で普及啓発活動が行われるようになりました。さすがに2020大会以後はボリューム的に少なくなりましたが、「共生社会」・「インクルーシブ」・「ノーマライゼーション」・「アダプテッド」と言ったキーワードとともに、地域へ根付いてきているように思われます。
今回ご紹介するのは、YOKOHAMAスポーツ・レクリエーションフェスティバル2024の一環として、10月20日(日)に戸塚スポーツセンターで開催した「パラトライアスロン紹介ブース」です。
横浜では、毎年5月にワールドトライアスロン・パラトライアスロンシリーズ横浜大会が開かれており、少しでも多くの人にパラトライアスロンを知っていただくことができれば…という取り組みです。ブースでは、パラトライアスロンをコンパクトに紹介する動画を見て頂くと共に、競技用車いす(レ―サー:下肢障害の方のトライアスロンでは「ラン」になります)の体験を行いました。
■「全国障害者スポーツ大会」SAGA2024 全障スポ
10月26日(土)から28日(月)まで、佐賀県で開催された全国障害者スポーツ大会(以下、全スポ)では、金43個/銀24個/銅6と計73個のメダルを獲得(個人&団体)するなど、横浜市選手団の選手が大活躍しました。
個人種目の競技成績を、参加選手数と獲得メダル数から独自に算出しているメダル獲得率で見ると、全67チーム中(全スポは47都道府県+20政令市がチームとして参加)堂々の第1位(79.78%、これって本当に凄いことです)。また、金メダル獲得率は第2位(48.31%)と、共に目標の10位以内を大きく上回る結果でした。
大会新記録の樹立を見ると、水泳で松下選手(25m平泳ぎ:14”83)、遠藤選手(50m平泳ぎ45”66)、芹澤選手(50m平泳ぎ:34”17)、川渕選手(50m平泳ぎ:34”05及び50mバタフライ:28”84)、日向選手(50m背泳ぎ:38”03及び50mバタフライ:35”77)、芹澤選手・林田選手・松下選手・白石選手(4×50mメドレーリレー:1’55”61)の8個、陸上で相原選手(200m:27”87)、中村選手(立幅跳:2m15)、北川選手(ジャベリックスロー:33m95)の3個でした。
具体的な競技結果の詳細を確認されたい方は、次のウェブサイトに公開されているので参考にしてください。全国障害者スポーツ大会 : 記録速報メニュー
また、関東ブロック予選を勝ち抜いて全スポに出場した二つの団体競技(車いすバスケットボールとバレーボール(精神))では、車いすバスケットボールが準優勝(決勝は横浜市vs愛知県で45-49)全国障害者スポーツ大会 : 記録速報一覧、バレーボール(精神)が第3位(3位決定戦は横浜市vs佐賀県でセットカウント2-0)全国障害者スポーツ大会 : 記録速報一覧という結果でした。
以上のように、各競技で好成績が残せたのは、選手本人の努力はもちろんですが、コーチやサポートスタッフの多大な協力も見逃せません。特に今年度は、ラポールのプールが利用中止となったため、水泳チームの強化練習が開催できない等の問題も生じたので、ご家族を含めた周囲のサポートが、なおさら重要だったのではないか、と思います。
全スポの終わりは、来年のハマピック、そして来年の全スポ「滋賀県大会」障スポ 滋賀 2025の始まりでもあります。ハマパラ便りでは、来年の横浜市代表選手が、今回と同じように、あるいはそれ以上に活躍出来るよう、選手、指導者、サポートスタッフの皆さんを応援していきたい、と考えていますので、読者の皆さんも引き続き応援をよろしくお願いします。
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(横浜ラポール【ハマパラ】(@RAPO_hamapara)さん / X(旧Twitter))
■おわりに
「ハマパラ便りVol.45」では、「SAGA2024」の報告を中心にお届けしました。Vol.44のおわりに予告していた初級パラスポーツ指導員養成講座のご案内は、募集期間との関係で省略させていただきました(すみません)。
次回は、横浜市のパラスポーツ普及に欠かせない、横浜市パラスポーツ指導者協議会(愛称:バセル)の活動を中心にお伝えする予定です。