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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.93「高校関東大会予選とNBAプレーオフ」

 

 

梅雨入り前のこの時期は、サラっとしていて1年で一番好きな季節です。

気候だけじゃなく、中学・高校の大会も多くなり、その意味でも好きな季節ですね。

 

高校生の大会は、4月の新学期が始まってすぐの5日から、横浜市の3地区(北・中・南)を始めとした県内9地区に分かれて地区予選を19日まで行ない、翌週の25日から5月26日までの間、第69回関東高等学校バスケットボール選手権大会神奈川県予選兼平成27年度神奈川県春季バスケットボール大会が開催されました。

 

横浜市勢は、新人戦では男子がベスト8(8強)の中に、横浜清風高(以下清風)と県立保土ケ谷高の2校しか入れなかったのに対し、女子は優勝した清風を始めとしてベスト8に県立旭高(以下旭)、県立荏田高(以下荏田)、県立金沢総合高(以下金総)、県立市ケ尾高(以下市ケ尾)、県立弥栄高(以下弥栄)の6チームが入賞し、決勝は清風と旭の横浜市対戦という様に、圧倒的な力を誇っています。

 

 

◆男 子◆

ベスト8に進出した横浜勢は、横浜商科大高(以下商大)、県立横浜立野高(以下立野)、清風の3校のみ。それでも横浜ビー・コルセアーズ蒲谷正之選手の母校・商大は小柄な選手ばかりですが、新人戦の1回戦敗退(66-79湘南工科大附)から、5位決定トーナメントに進出と大躍進、久しぶりの古豪復活か?

 

同じく新人戦1回戦で県立大船高に74-92とボロ負けした立野も、5位決定戦(関東大会出場権をかけたゲーム)まで駒を進めました。身長も個人能力もあり、選抜に選ばれた選手達が中野勝延先生を慕い集まってきたものの、肝心の中野先生が転勤となり、勝ちきれなかったチームが、準々決勝で第3シード東海大相模高に80-71と勝ってのベスト8進出は立派ですが、法政二高(以下法政)に45-61で破れ関東大会出場を逃したのが残念!

 

新人戦では、優勝した桐光学園(以下桐光)に準決勝において49-76で破れはしたものの3位となった清風、最長身はフォワードの加藤智也(187cm・鴨居中)ですが、それ以外は170cm台と小柄なチーム。機動力を活かし走り回り、準々決勝で法政に65-42で勝ち、新人戦同様ファイナル4進出を果たしましたが、優勝したアレセイア湘南高(以下アレセイア)に61-77で破れ、3位決定戦に回ることに。ここで勝てば関東大会にはAブロック(上位チームの集団)で出られたのですが、県立厚木東高に49-63で破れ、ブロックへ回ることになりました。

 

男子決勝は、湘南代表アレセイアvs川崎代表・桐光学園(以下桐光)の対戦となりました。

 

新人戦ではキャプテン須藤昂矢(185cm・港南中)が、チーム・ハイの20得点をあげ、83-61で勝った桐光でしたが、アレセイアはその後、打倒桐光一本に絞り練習を積み、特に須藤を徹底的にマークし、たった3得点に抑え、桐光のリズムを崩し、攻めては安達虎太郎(2年・174cm・松本中)、栗原翼(3年・177cm・金旭中)のペネトレイトや井上陽喜(2年・177cm・大正中)のジャンパーと、インサイドのアブ・フィリップのシュートとリバウンドで圧倒し、72-57で新人戦の雪辱を晴らし、2連覇しました。

アレセイアvs桐光は1勝1敗と五分。6月末のインターハイ(以下IH)予選が楽しみになってきました!

 

 

【動画】  ※クリックすると動画ページが開きます

厚木東 vs 立野戦 (白ユニフォームが立野)

・アレセイア vs 桐光 男子決勝戦 (ブルーユニフォームがアレセイア)

 

 

◆女 子◆

男子に比べ横浜市勢が強い女子。今回もベスト8中、清風、荏田、市ケ尾、金総、旭と5チームが進出し、今回も新人戦同様清風の優勝かと思われていました。

 

荏田は準々決勝でその清風と対戦、40-59で破れ5位決定トーナメントへ。市ケ尾は第4シード横須賀大津高を78-69で下して準決勝に進出してきた県立秦野高に56-70で負け、荏田同様5位決定トーナメントへ。

 

新人戦では優勝した清風に準決勝において53-57で敗退した金総、今回は弥栄を78-75で破った相模女大高(以下相模女)に準々決勝で対戦、一度は逆転したものの梅林由佳(3年・179cm・相模女中)、西山加奈(3年・175cm・相模女中)の高さに対抗できず、52-65で破れ5位決定トーナメントへ。

 

<5位決定戦>

荏田を41-35で下した市ケ尾に対し、県立逗葉高(以下逗葉)を58-45で破った金総の横浜ダービーとなりましたが、オーバータイム(延長)の末64-61で金総が逆転勝ちしました。意地というか伝統の力を感じましたね。

 

<決勝>

旭vs清風でこちらも横浜ダービー。

清風は#4小針麗良(3年・160cm・希望が丘中)を中心に、最長身#6北本有架(3年・172cm・城郷中)がペイント内で得点、それほど高さは無いものの、強いM2M(マンツーマン・ディフェンス)を武器とするチーム。

 

一方旭はキャプテン#4角田愛珠(3年・164cm・睦合東中)を中心に、最長身#7楠本唯奈(2年・178cm・共和中)をインサイドに置き、#5小泉ひなた(3年・158cm・希望が丘中)、#11安彦かすみ(2年・161cm・南瀬谷中)、#14片野真里亞(2年・165cm・伊勢原中)、#9菊地真琴(2年・160cm・神田中)のアウトサイド陣に守護神#8熊谷日毬(2年・160cm・成瀬中)を加えた2年生中心の、いってみれば来年のチーム。

 

新人戦では70-57と清風が圧勝していますが、同地区でよく戦っている間柄で、お互いの手の内を知り尽くしていて、相手の良い所の潰し合いとなります。新人戦で19得点された清風・小針に対し、旭はボールを持たせない作戦でスタートしました。

実は旭は準々決勝から苦戦の連続で、準々決勝の逗葉戦ではバックカット(強く守ってくるディフェンスの逆を突いてゴール下へ走りこむプレー)を使った上手いプレーに翻弄されて、第4ピリオド(以下ピリ)2分経過時点で41-53と大差を付けられていました。しかしそこから旭は熊谷がシュートを決めだし追い上げ、焦った逗葉はミスが多くなり、アっという間に54-54と同点にして60-60でオーバータイムへ。集中力が切れた逗葉はパスミスが多くなり、70-62で旭が勝ちました。

 

続く準決勝の相模女戦もギリギリの56-54の逆転勝利で決勝へ。旭は土壇場にならないと力を発揮しない(出来ない?)タイプのようです(笑)

 

立ち上がりは強いディフェンスと北本が良い清風、それに対し旭は、守護神・熊谷と角田がファール・トラブル(ファールが多くなること)でベンチに下がらざるをえず、一歩リードする清風。

更に2ピリ残5分に、熊谷が3個目のファールを犯して大ピンチ。ここは片野が外から決め、どうやら五分の展開で前半終了。

後半立ち上がり旭は熊谷を温存、ここで清風は北本がインサイドで頑張り、更にリバウンドから速攻が出て残5分44-35まで差を開いたものの、旭は熊谷と片野の3Pで追い上げ、43-44と1点差まで追い上げました。

しかし清風も#5盛合優花(3年・164cm・梅田中)が3点プレーで48-43と再度引き離して4ピリへ。

最終ピリオドは両チーム共に決定力に欠け、ズルズルと5分が経過。ところが熊谷がジャンパーを決め47-50と追い上げた直後に、その熊谷が4個目のファール。ご存知の様にバスケットではファールを5回すると退場になります。残りの5分は長く、再度ファールする可能性は高く、通常は一旦ベンチに下げるものですが、熊谷を下げたら攻撃力がガクンと落ちるのは目に見えています。

 

ここが勝負どころ!

そこで講武コーチは賭けに出た!!

 

熊谷をベンチに下げずプレーを続行させたのです。

その思いを知る熊谷が直後に3Pを決め50-50の同点、更に楠本がゴール下で決めついに52-50と逆転し、初のリードを奪った!

その後も熊谷が神憑り的シュートを2本も決め、64-54で大逆転勝利。3年連続3回目の優勝となりました。

熊谷だけが目立ったゲームでしたが、安彦や片岡、菊地等の前半の活躍と楠本のリバウンドが無ければ勝てなかったゲームといえるでしょう。

 

とはいえ、全国的に見ると神奈川県のレベルはかなり低く、新人戦では清風も旭も1回戦敗退しているので、6日(土)・7日(日)に富士北麓公園で行われる女子関東大会では頑張ってきて欲しいものです!

 

 

女子決勝 旭vs清風戦 ベンチに座るチームのマスコット。左の熊は旭、右のピンクパンサ-は清風です。

 

 

【動画】  ※クリックすると動画ページが開きます

金総 vs 相模女 (ブルーユニフォームが金総)

旭 vs 清風 女子決勝戦 (グリーンユニフォームが旭)

 

 

 

関東大会予選が終わっても、高校生には既に次の大会が始まっています。
それはIH予選です。多くの高校生が引退をかけたこの大会、5月24日(日)から始まっており、6月21日(日)トッケイセキュリティ平塚総合体育館が最終日になります。

 

組み合わせ等はこちらをクリック

 

こちらは男女とも2チームしか本戦へ行けず、関東大会予選以上に白熱した戦いが行われます。

毎年TVK中継がありましたが、今回はJ-COMを始めとするケーブルテレビでの放映が決まりました。生中継ではありませんが、ケーブルテレビの良い面として再放送があること、最終日全ゲームの中継があることが嬉しいですね。

 

詳しくはこちらをクリック

 

CTVIHポスター掲載

CTVIHポスター

 

 

◆N B A◆

さて今の時期もうひとつのビッグイベントが本場アメリカで行われています。それはNBAファイナルスです。

世界最高リーグの決勝で、TKbjリーグと同じようにイースタン・カンフェレンスの勝者とウエスタン・カンフェレンスの勝者同士の戦いで、日本のプロ野球の様に7回戦制(4先勝方式)となっています。

 

イースタンの覇者は、シーズン53勝29敗でセントラル・ディビジョン1位のクリーブランド・キャバリアーズ(以下キャブズ)。

ウエスタンの覇者は、シーズン67勝15敗でリーグ1位のゴールデンステイト・ウォリアーズ(以下ウォリアーズ)。

 

キャブズの中心選手はポイント・フォワードと呼ばれ、得点できる大型ポイントガードで超スーパースターのレブロン・ジェームス(203cm)と、スピード、ドリブル・スキル、パス、シュートと多彩な技を持ちシュートの上手いカイリー・アービング(190cm)、そして本来はここに3Pシュートの上手いフォワードのケビン・ラブ(208cm)が加わり「Big Three」を形成しているはずなのですが、セミファイナルスで肘を故障して欠場です。

 

それに対するウォリアーズは、「Splash Brothers」と呼ばれる、滅茶苦茶3Pの入るステフィン・カリー(190cm)とクレイ・トンプソン(201cm)のデュオに、センターのアンドリュー・ボーガット(213cm)、ドレイモンド・グリーン(201cm)、ハリソン・バーンズ(203cm)にベテランのアンドレ・イグドーラ(198cm)リアンドロ・バルボサ(190cm)等が噛み合い、早い展開のバスケットと強く上手いディフェンスをします。

 

「Splash Brothers」の動画はこちらをクリック(クリックすると動画ページが開きます。)

 

今ファイナルスでは、両チームのエース同士を比べて「カリーvsレブロン」的な書き方をする方も多いのですが、私は「カリーvsアービング」のスーパー・ガードの対決が見ものだと思っています。

ポジションが同じでマッチアップする可能性が高いので、見ものですし勝負を分ける対決だとも思っています。

そして「レブロンvsキャブズ・フォワード」のディフェンス対決も面白そうです。

身体も強くスピードあるドライブを仕掛けてくるかと思えば、外から簡単に3Pも決めるレブロンを止めないとウォリアーズに勝ち目はないはずです。そのウォリアーズには、1on1のディフェンスが得意なグリーンやバーンズ、さらにはトンプソンまで、というようにディフェンスに自信を持っている選手が多いのです。

とはいえ、レブロンを1人で止めるのは至難の技。彼へのカバーの仕方がこのシリーズのひとつの鍵になりそうです。

 

 

両チームのプレーオフの成績

■ウォリアーズ
・第1ラウンド vsニューオリンズ・ペリカンズ 4勝0敗
・カンフェレンス・セミ・ファイナルス vsメンフィス・グリズリーズ 4勝2敗
・カンフェレンス・ファイナルス vsヒューストン・ロケッツ 4勝1敗

 

■キャブズ
第1ラウンド vsボストン・セルティックス 4勝0敗
・カンフェレンス・セミ・ファイナルス vsシカゴ・ブルズ 4勝2敗
・カンフェレンス・ファイナルス vsアトランタ・ホークス 4勝0敗

 

 

NBAファイナルスは日本時間6月5日(金)から。BS1で午前10時から生中継されます。

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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