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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.180「強いぞ、ビーコル! & ケンタッキー・ワイルドキャッツその2」

vol.177「オールスター前に手応えを掴んだビーコル」のコラムで後半戦のビーコルの戦いには期待できるといった内容を執筆したが、本当にビーコルは強くなった!

3月に入って序盤の5試合は、サンロッカーズ渋谷、三遠ネオフェニックス、シーホース三河、アルバルク東京と、同じ中地区の上位チームとの戦いが続いたが、ここを3勝2敗で勝ち越した!
敗れた3月5日・アウェイでの三遠ネオフェニックス戦も92-95と大熱戦を演じ、現在首位、しかもホームで圧倒的勝率を誇る三遠相手に惜しい戦いだった。

ホームで2連勝したかった3月22日・23日の横浜国際プールでのvs佐賀バルーナーズ戦は1勝1敗となってしまったが、26日のアウェイ・大阪エヴェッサ戦では序盤に最大17点差をつけられるも、中盤に追いつき、その後一進一退の攻防を続け、最終盤残り40秒で97-96とリードし、最終的には99-96で勝ち切った!
この試合では、ダミアン・イングリス選手がコンディション調整のため、ロスターから外れ、試合に出場できなかったが、得点リーダーのダミアン不在でも勝てるチーム力がついてきているのはうれしいことだ!

さらに、3月29日・30日の茨城ロボッツも2連勝。
特に2戦目は第1Qで10-16と6点リードを許したが、第2Qに入ってディフェンスを強め、キング開選手のスティールからの得点などで逆転、その後もシーソーゲームが続いたが、後半に入るとさらにディフェンスの強度をあげて、茨城の得点を29点に抑え、最終的には78-61で勝利。
3月を3連勝で締めた!

元々ディフェンスの良いビーコルだが、ディフェンスが良い流れからオフェンスが良くなっている!
インサイドに加えて、3ポイントも効果的に得点を重ね、課題だった得点力も上がっているように思われる。ターンオーバーも少なくなってきている。

これで3月の10試合を7勝3敗として、21勝26敗というところまで成績を上げてきている。
前半は4連敗を2回喫する等、なかなか調子が上がらないチーム状態が続いていたが、オールスターブレイク前に掴んだチーム力は本物のようだ!
前半の負け越しは大きかったが、リーグ戦はまだ5月まで続くので、しっかり勝利を続け、勝率5割を目指し、勝ち星を積み重ねてほしい!

そして、前回(vol.179「ケンタッキー・ワイルドキャッツ」)の続き。

試合がある日(ゲーム・デー)は昼食から始まる。
日本で言う学食に小部屋が幾つかあり、ゲームがある日の昼にその部屋に集まり会食をする。
部屋に入り大きなトレイに入った食品を自分で皿にとる。
ハッキリとは覚えていないが、肉と魚とサラダとパンだった気がする。肉と言っても薄いステーキで、私が2枚とると後ろの選手がもっと取れとけしかける。それでもう一枚取ったが、そこそこの味だった気がした。

席に座ると神父数人が来て選手達にお説教をする。英語なので例によって何を言っているか分からない(笑)。
その後数人のスタッフが短い話をして食事をしたあと、会場に移動。

会場は前号で書いたダウンタウンにあるラップ・アリーナ。
ここは数年前に出来た全米最大2万人収容のバスケ・アリーナ。市中にあるためか、建物ははただ大きいだけではなく角ばった正方形だったのが印象深かった。道を挟んだ隣にホテル(確かハイアット)があり、ホテルのロビーと2階か3階が通路で繋がっている。ホテルのロビーが地元名士の社交場となっていてアルコールを飲みながら、テイップ・オフが近くなるとラップ・アリーナへ歩いて移動できるようになっていて、ゲームが終るとホテル側へ戻り本格的な社交場になるようで、よくできたシステムだ(笑)。
ただ残念ながら現在は繋がって無いようだ。
ニューヨークとは直行便があり、週末のゲームはNYから見に来る人も多いと言っていた。

ケンタッキー・ワイルドキャッツ(UK)は1978年3月にNCAAトーナメント(全米大学選手権大会)で優勝している。ガードのジャック・ギブンスとインサイドの選手2人ほど主力メンバーが卒業しているが、サム・ブウイ―等が入って来た。このブウイーはセブンフッターのフォワード。7フッター(213㎝)とデカいのに走れ、速攻でダンクを決めて来るオールラウンダー。因みにNBAドラフトではあのマイケル・ジョーダンより一つ上の2位指名だった。
これは色々と書かれているが、私が思うに「能力的には問題はなかった」が、ブウイーは膝に爆弾を抱えていた。予想通りNBAでは大した活躍は出来なかった。仲が良かっただけに残念!!
膝が悪くてNBAで活躍出来なかった大学界のスーパースターは他にもバージニア大のラルフ・サンプソンやUCLAのビル・ウォルトンがいて、もったいないと思うが、ジャンプを期待されているポジションの選手だけに難しい問題だ!

ラップ・アリーナには3時間ほど前に入ったが、すでにコートでは各自シューティング等をしていた。

チームは30分程前にロッカールームに集合し小さなミーティング・ルームでジョーBホール・コーチから最終的なミーティング。その部屋に入れて貰ったが、ホール・コーチは穏やかな口調で指示を出していた。
その時は反対の壁際でカメラを構えてシャッターを押したが、昔のニコンはシャッター音が大きすぎたため室内に響き、数回しかシャッターを切れなかった(汗)

ロッカールーム自体は結構大きく、ロッカーはNBAやメジャーリーグと同じように一人一人に与えられ、ゲームで着るユニフォーム等が揃えて置かれている。それを管理しているのが右側で背中を向けている用具係のカイトリーお爺ちゃん。普段は郵便配達をしている。…そうそう、彼とは仲良くなって、ある日用具倉庫を案内してくれた。バッシュの箱がうず高く積んであり「1足持って行っていいぞ」と言われたが、置いてあるサイズが大きすぎて、結局練習用のパンツを貰って来た(笑)。

ゲーム後、選手はロッカールームの奥にあるシャワーを浴びた後、ユニフォーム類はロッカールームの真ん中に置かれた籠の中へ放り込む。
ゲーム後のロッカールームへ入れるのは石炭会社の社長とかごく一部の地元の名士だけ。そのため私がロッカールームから出て来ると、ファンの人々が羨ましそうな顔で見て来る。
…ちょっと鼻高々な気分になっていたのを覚えている(笑)。

アメリカ留学した経験のある人はご存じと思うが、大学ゲームは学生の応援が激しい。多くの大学はテ―ブル・オフィシャルの後方に学生用の応援席が用意され、ブラスバンドや学生有志が陣取って応援している。

ベンチは日本と変わりない。この日のゲーム内容の詳細は覚えていないが、楽勝だったのでホール・コーチも穏やかだった(笑)。

ブウイーが一人で速攻に持ち込み、豪快なダンクをかましたことを覚えている。それが上の写真。

ゲーム後のロッカールームは楽しそうだ。もちろんこの日は勝ったからなんだろうけど。

選手達はシャワーを浴びて、着ていたユニフォーム類をロッカールームの中央にある大きな籠に投げ入れる、ソックスもサポーターも。それは集められ洗濯される、次のゲームまでに洗濯され、次のホームゲームに備え洗濯されるのだ。
選手以外の裏方の人たちの動きを一緒に観ることができたのは本当にいい経験だった。

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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