vol.145「ビーコルの新シーズンが始まった」
Bリーグ2019‐20シーズンがいよいよスタートしました。
横浜ビー・コルセアーズも、10月6日に札幌で出港しました!
ご存知のとおり、今シーズンは大幅にメンバーを入れ替えたビーコルです。川村も細谷も湊谷もいません。
まず新メンバーを番号順に紹介をしましょう。
#7 レジナルド・ベクトン(愛称レジー)205㎝ 116㎏
アメリカ・ミシシッピ大 31歳
トルコを始めヨーロッパのチームでプレーしてきたので、対応力はありそう。インサイド(I/S)とペリメーターに強く、シュートタッチも良いので得点を計算できる選手。
昨シーズン(トルコリーグ)22.8分 11.7点 6.7Reb.
#9 ホール百音(モネ)アレックス(愛称モネ)190㎝ 95㎏
埼玉県出身 20歳
スラムダンク奨学金で、アメリカ・セントトーマスモア・スクールへ留学。3X3のBEEFMAN.EXEに所属。特別指定選手。フィジカルが強いが未知数。ただプレシーズン・ゲームで外国籍選手を抑えていたので、ディフェンスは評価されている。
#10 アキ・チェンバース(愛称アキ)190㎝ 95㎏
東京都出身 カリフォルニア大マーセド校 29歳 浜松-日立-SR渋谷-千葉
ディフェンスが上手く、地味だが基本プレーができる選手。千葉では2シーズン過ごし、118ゲーム中スタメン72回。
昨シーズンスタッツ―18.3分 5.4点 2.4Reb.
#14 ジョルジー・ゴロマン(愛称GG(ジージー)211㎝ 102㎏
ハンガリー出身 UCLA 23歳
典型的白人センターで、基本はI/Sのプレーが多いものの、白人センター特有のスリーも得意としている。昨シーズンはNBAの下部リーグ、ウエストチェスター・ニックスでプレー。
昨シーズンスタッツ―13.0分 4.6点 2.3Reb.
#16 牧 全(愛称ゼン)188㎝ 86㎏
愛知県出身 ソノマ州大 27歳 北海道
昨シーズンは開幕戦で怪我、その後出場できず。ディフェンスが良く、スリーのタッチが良い選手。
17‐18シーズンスタッツ―10.5分 3.5点 1.5Reb.
#22 秋山 皓太(愛称A-K)188cm 82kg
新潟県出身 23歳 東海大→金沢武士団
プレシーズン・ゲームの京都ハンナリーズ戦でいきなり3連続スリーを決め、ブースターの度肝を抜いた若手。ディフェンスも得意で、度胸があるので期待が持てます!
昨シーズンスタッツ―7.3分 1.8点 0.8Reb.
#46 生原 秀将(愛称シュウ)180㎝ 80㎏
徳島県出身 25歳 筑波大→栃木→三河
小原翼と元ビーコル満田丈太郎とは筑波大の同期で、インカレ優勝時のPG。状況判断が良く、バスケIQが高い上にスリーが得意な選手。
昨シーズンスタッツ―20.0分 3.8点 2.1Ast.
*昨シーズンスタッツは平均出場時間、平均得点、平均リバウンドの順で、Astはアシスト。
大きく変わったことは、川村や湊谷のようなスーパースターがいなくなりました。日本人は地味な選手ばかりで、海賊のイメージが薄くなりましたね!!(笑)
しかし、プレー上で大きく変わったことがあります。それは「ディフェンス・マインド」を持ったチームになったことです。元々トム・ウィスマンコーチはディフェンス中心の指導者ですが、昨シーズンまでは諸事情により、なかなかディフェンス中心のチーム作りができず、中途半端になってしまったことが低迷の一因になっています。
今シーズンは、アキを筆頭にゼンもシュウもAKもディフェンスには定評があります。そして3X3から来たモネは、ハンナリーズ戦で身体能力を活かし、外国人をきっちり抑えディフェンスの良さをアピールしました。
世界の流れもディフェンスに力を入れていますね。ワールドカップで見たように、ボールマン(ボールを持っている選手)に強く当たったり、上からプレスを仕掛けたり。身体をぶつけてオフェンスを止めたりしています。特にゴール下は激しかったですね!
今シーズンのビーコルは、マンツーマン・ディフェンス(以下M2M)とゾーン・ディフェンスを、うまくミックスしながらやっていきそうですね。9月初めの茨城ロボッツ戦は、合宿直後でコンディションが悪いせいもあり、出来は良くありませんでしたが、アーリーカップや9月21日の京都戦を見ると、徐々に形になってきました。
特にゾーンでは、I/Sの選手に対するローテーションがうまくいっているようで、福田AC(アシスタント・コーチ)も、ディフェンスの練習はかなり長い時間をかけてやっていると言っていました。
昨シーズン苦手だった(笑)M2Mは、格段に良くなっています。簡単にはATBを(Attack The Basket.ドリブルなどでリングへ向かっていくこと)させていません。ただ、肝心のボールマンへのプレッシャーも含め、全体的にオフェンスとの距離が少し離れていますね。現在のBリーグの流れは、ボールマンに強く当たることなので、時流に乗れていません。
例えば、普段の練習からディフェンスが、ボールマンへ強い当たりをかけていれば、オフェンスは強いプレッシャーに慣れ対応ができるようになるのですが、開幕2戦を見るかぎり、ボールを持っているPGのリョウとシュウの2人は、時々対応ができなくなりました。それが敗因の一つでもありました!
それではオフェンスは?
開幕のレバンガ戦では、まずI/Sへボールを入れて、そこから1on1で攻撃させるのは昨シーズンと変わりません。
そして今シーズン目立ったのは、P&R(Pick & Roll. ボールマンへスクリーンをかけた選手が、その後リング方向へ走り込みボールを受けるプレー。NBAでは主流のプレーになっています。)からのスクリナー(スクリーンを掛けに行った選手)へのパスです。GGやレジーが、スクリーンからのプレーが多かったようで、かなりの得点源になっていました。
昨シーズンまでは川村へスクリーンに行くだけで、その後の動きは多くありませんでしたからね。
未だシーズンが始まったばかりなので、全員が揃っての練習、特にゲームが少ないため、コンビネーション・プレーが少ないのが気になります。特に外国人は能力が高いので1on1で攻めてしまいますが、できれば簡単にシュートするのではなく、一度アウトサイドへ回してから再度I/Sでボールをもらい、更にパスしてノーマークを作り、エクストラ・パスと呼ばれるさらにパスをしてディフェンスを動かすと共に、ディフェンスの体力を消耗させることも大事だと思います。
また、1人がドリブルしているときに、他の選手がそれに合わせて動きボールをもらうプレーも大事ですし、あの選手が左にドリブルしたから、次はパスをするだろうから、コーナーへ行ってボールを待とうなどの読みも大事です。
しかしこれらのプレーは、何度も練習したり、ゲーム中に繰り返し行ったりすると身に付くものです。よく言われる「阿吽の呼吸」で、それはオフェンスだけではなくディフェンスでもいえることです。
しかし今シーズンのビーコルは、メンバーが大幅に変わったので新チームといえます。だから時間がかかります。未だまだその域へは到達していませんが、それでもアーリーカップでは、宇都宮ブレックスと川崎ブレーブサンダースという強豪相手に良いゲームを展開し、最後に引き離されました。また開幕戦の北海道相手に勝てるゲームをしています。
だからそれほど悪くないと思っています。
それでは何が必要なのかを考えてみると・・・。
[Go to Guy]
チームの柱。
「ここ一本絶対に得点しなくてはいけない」というときに任せる選手。
昨シーズンまでは川村選手でしたが、今シーズンは誰なのでしょうか?
月曜日のレバンガはマーキース・カミングスでしたね、オーバータイム中、レバンガはボール・ポゼッション時にほとんど彼にボールを渡して攻めさせていました。最後の5本のシュートは全て彼でしたからね。
彼がレバンガのGo to Guyなのです。
それではビーコルを振り返ってみると・・・。
今の段階ではレジーかな、と思いますが、その辺りは手探り状態ですね。ただ彼はクラッチタイムのFT(フリースロー)が入らないのが弱みかな?
絶体絶命な場面でも、どうにかねじ込んでくる選手が必要なのです。
今シーズンは面白いチームとなるはずです。
10月11日(金)は、ホームの横浜文化体育館で秋田ノーザンハピネッツ戦です。
会場でたくさんの応援をお願いします!
◆ツインバスケ関東トーナメント◆
9月28日(土)29日(日)の2間、新横浜の障害者スポーツ文化センター横浜ラポールで、関東車いすツインバスケットボール連盟主催の元、8チームが参加して「2019関東車いすツインバスケットボールトーナメント大会」が開催されました。
当初はビーコルの田渡凌と選手数名が来場の予定でしたが、ビーコルの練習スケジュールが急遽変更になり、来られなくなってしまい残念でした。
6月の全国大会優勝の「神奈川JUNKS」と準優勝「Horsetail」に加え、名門「バスターズ」や初めての「近畿選抜」が優勝を争うと思われていました。
全国大会優勝後、病気や学業に専念とかで主力メンバーが欠け、新しいチームを構築中のJUNKSでしたが、強いディフェンスで「千葉ピーナッツ」を77‐22で下し決勝へ。
一方逆の山では波乱が起きました。バスターズが近畿選抜に60-63で敗れ、近畿選抜が決勝へ。
近畿選抜は、ツインが盛んな関西の中でもとりわけ優秀な選手が集まったチームで、パワーが違いました。
プレースタイルも、健常者の世界基準となったフィジカルなプレーと貪欲な勝利意識が、関東の選手には荒っぽいと映ったようですが、強いチームでした。
61‐48で近畿選抜が優勝しました。
なお10月5日(土)、6日(日)に神戸で行われた「のじぎく杯」では、「関東連合」が「キャロッツ」を60‐58で破り優勝しリベンジを果たしました!!
優勝チームには、ビーコルのホームゲーム招待券が、代表取締役社長・植田から手渡されました。
この大会は、TO(テーブル・オフィシャルズ)を神奈川県民がボランティアで担当しています。
というのは、スコアシートに文字を書いたり、ショットクロックの小さなボタンを押したりするのが、重度障害者に辛いという事でお願いされたものです。
当初は私のバスケの飲み仲間(とん太会)にお願いしてやっていましたが、いかんせんオジサンが多くて・・・(笑)。
その後県内の強豪高校チームにお願いすることにしました。最初のチームは忘れてしまいましたが、六角橋中女子、法政二高男子(2回)、横浜清風高男子、東海大相模高男子が賛同してくれて手伝ってもらいました。高校チームはその後インターハイ出場、ベスト4入り、ウィンターカップ出場を決めてます。
そして今回は、土曜日と日曜日に分割して2チームに来てもらいました。土曜日は県立旭高女子、日曜日は鵠沼高女子です。
現在、高校生にツインのルールを教えてTOの指導をしてるのは伊勢と比留間で、共にビーコルのTOメンバーです。
◆文部科学大臣杯争奪 第33回日本車いすツインバスケットボール選手権大会 関東・東北ブロック合同予選会◆
11月9日(土)、10日(日)に、来年6月に行われる日本選手権大会(全国大会)の予選です。
上記の関東トーナメントはオープンですが、この大会は全国大会の予選ですから面白いですよ!
場所は同じく横浜ラポールです。
この大会も県内高校生がボランティアを行う予定です。
◆車いすツインバスケットボールエキジビジョン体験交流大会◆
障害者スポーツの普及・啓発を目的として、健常者に体験してもらうイベントです。
【日 時】10月20日(日)13~16時
【場 所】神奈川リハビリテーション病院(厚木市七沢)体育館
◆全国障害者スポーツ大会(いばらぎ大会)◆
※台風の影響で、全日程中止となりました。
「いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会」の車いすバスケットボール競技日程の一部で、ツインバスケのデモンストレーションを行います。
10月13日(日) 13時~ 会場は「つくばカピオ」となります。
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
※タイトル・本文に記載の人名・団体名は、
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