vol.140「ビーコルどうにかB1残留」
ビーコルはどうにかB1に残留できました!
「最後のゲームに負けての残留はシックリこない!」とご意見やご批判はありますが、残留できて良かったです!
それでは残留に至るまでの経緯を時系列で追ってみましょう。
先月号では4月7日終了時点の成績まで書きました。この時点で残りは5ゲームで順位は以下のとおりでした。
14位 滋 賀 16勝39敗
15位 秋 田 15勝40敗
16位 ビーコル 14勝41敗
通常では下位4クラブ(15~18位)がB1残留プレーオフに出場となります。
ここから今月号です。
・4月10日(水) 2連戦ではなく1ゲームだけの開催でした。ビーコルは三河に負け14勝のままで、滋賀は京都に勝ち17勝目、秋田は千葉に負け15勝のまま。滋賀が優位に立ちました。
・4月12日(金) ビーコルだけがゲームでした。聖地・横浜文化体育館で富山を迎えての2連戦。第1戦は97‐99と大接戦の末に敗れ14勝のままです。移動無しとはいえ、中1日で強豪チームとの対戦はきつかったですね!
・4月13日(土) ビーコル72-75富山とまたも接戦で落とし14勝のままでしたが、秋田が北海道に勝ち16勝となりました。2ゲームを残しての2ゲーム差となりましたが、ビーコルと秋田は今シーズン2ゲーム対戦し1勝1敗、得失点差はビーコルが+4点(65-67、77-71)となっているため、同率時にはビーコルが上位になり大丈夫でしたが、秋田はまだゲーム②が残っています。
滋賀は92-63で名古屋Dに勝ち17勝となり、残留に大きく前進しました。
・4月14日(日) ビーコルのゲームはありません。しかし秋田が73‐44で北海道に勝ち、2ゲームを残し3勝差となったため、ビーコルの16位が確定し、18位北海道との残留トーナメント出場が決まってしまいました!!(涙)
問題はB2の順位です。B1ライセンスを交付されているチームの順位次第では残留トーナメントに出場せず、そのまま残留というケースが考えられるからです。
ということでB2の順位について説明します。
リーグ戦の成績(勝敗数)がそのまま順位になるわけではありません。アメリカ式にリーグ戦後、その順位を基にトーナメント(B2プレーオフ)を行い、その結果が順位となります。トーナメントには4チームしか出場できません。東西中の3地区の首位とそれ以下で勝率の高い1チーム(ワイルドカード1位)の4チームで行われます。
東地区-群馬(43勝17敗)、中地区-信州(48勝12敗)、西地区-熊本(45勝15敗)、ワイルドカード枠はFE名古屋に2ゲーム差を付けた西地区の島根(43勝17敗)が獲得しました。
ここで今シーズンの自動降格となるケースを検証しましょう。
1)残留プレーオフ1回戦で敗れ、更にB1ライセンスを持ったB2チームが、B2プレーオフで1位と2位になった場合(決勝進出)のみです。
2)もしB2プレーオフでB1ライセンスを持ったチームが1チームしかいなかった場合、B1ライセンスを持たない福岡の降格が決まっているため、他のチームは残留決定となります。
ですから、もし名古屋FEがワイルドカードとしてB2プレーオフに勝ち上がれていたら、横浜はこの時点で残留決定となっていました。
ということで、最終節の新潟戦は消化ゲームになってしまいましたが、ビーコルも新潟もお互いに手を抜かずにプレーした結果、ゲーム①は88-89と大接戦となりました。しかし、その疲れもあり最終ゲームは73-89と差がついてしまい、14勝46敗16位でレギュラーシーズンを終了しました。
B2プレーオフ出場チームでB1ライセンスを持っているのは、熊本と島根の2チームです。
4月27日からの2戦先勝勝ち抜け方式のB2プレーオフ1回戦で、熊本と島根が勝ち上がった時点で、平塚でのB1残留プレーオフ(2戦先勝勝ち抜け)のビーコルvs北海道戦で負けた方は自動降格となり、5月12日(土)の横浜アリーナでの入替戦も行いません。
逆に熊本と島根が共に1回戦で敗れた時点で平塚で負けたチームも残留が確定となります。つまりビーコルにとっては信州と群馬に勝って欲しいのです!!
注目の組み合わせは、信州vs島根、熊本vs群馬です。シーズン中の対戦は信州2-0島根、熊本2-0群馬となっていて、信州は力があるので期待できますが、群馬は熊本とはあまり相性が良くないようで不安です(汗)
・4月26日(金) B1残留プレーオフ@トッケイセキュリティー平塚総合体育館
ビーコルvsレバンガ北海道 ゲーム①
終盤に追い上げられたものの、終始リードして77-72で1勝目を挙げました。
・4月27日(土)B1残留プレーオフ@トッケイセキュリティー平塚総合体育館
ビーコルvsレバンガ北海道 ゲーム②
終始リードしていたものの、第3Q中盤から北海道の日本人3P攻勢に逆転を許し、残5分には73‐80と離されたものの#34ブランドン・コストナー(以下BC)、#21田渡凌、#1川村卓也(以下タク)で追い上げ、ついに残16秒#7橋本尚明(以下ナオ)のスリー(3Pシュート)で89‐91と2点差まで詰めました。
更に強いディフェンスでボールを奪うと3Pで一気に逆転を狙いますが、BCのシュートはリングを外れ、89‐91でゲームセット。
無理に3点で逆転を狙わずI/S(ゴール下周辺)で堅実に2点を取りに行き同点でオーバータイム(延長戦)にしても良かったと思いますね。ゴール下シュートは相手がファールする可能性も高くなり、And1(バスケット・カウント後貰える1本のFT)を入れれば逆転ですからね。
負けてもゲーム③があるからと思ってギャンブルに出たのでしょうか?
アリーナは疲労感というか虚脱感とでも言った方が良いのでしょうか、、、
ゲーム③はゲーム②終了20分後に、前後半各5分という超変則的ルールで行われます。
1時間前に終わっていたB2信州vs島根戦は、予想通り74-61で信州が1勝目を挙げました。
肝心の熊本vs群馬ゲーム①は始まったばかりです。元ビーコル海賊のトーマス・ケネディーのシュートが良いようです。
ゲーム③は良い立ち上がりとなり、2分経過した段階で5-0とリードし、前半を10-7で折り返すと、後半の立ち上がりもナオのスリーを#33アーサー・スティーブンソンがプットバック(Put Back、オフェンス・リバウンドを獲りシュートすること)、更にタクがジャンパーを決め残3分38秒14-7とダブル・スコアに離しました。
ところがここからビーコルは得点出来なくなりました。
「勝った!! このまま逃げ切ろう!」と守りに入ってしまい、消極的になりATB(Attack The Basket、ドリブルで攻め込むこと)をしなくなりました。たまにI/Sに入っても北海道の気持ちの強いディフェンスに阻まれてしまいます。
以前にもありましたね、10月28日のvs渋谷ゲーム②です。この時は22点差を逆転負けしています。この状況と似てます。
逆に開き直った北海道は、ミュレンズがI/Sだけではなく3Pも決め、逆転から一気に離され14-22で敗れ、入れ替え戦又は自動降格の可能性も出てきました。
共同記者会見終了後も熊本vs群馬戦の結果は出ていませんが、群馬がリードしていました。
群馬の勝利を知ったのは、あんたかファミリーと反省会の最中でした!
・4月28日 熊本vs群馬ゲーム②、信州vs島根ゲーム②共に14時00分の同時スタートです。
信州は立ち上がりから石川海斗の活躍で常にリードしていました。第3Qに少し追い上げられたものの、最後も石川と元ビーコル海賊のウェイン・マーシャルの活躍で72-56で2勝目を挙げ、決勝進出を決めました。これでビーコルの自動降格は無くなり、ホッとしました!!
一方群馬は前日好調だったケネディーはシュートが入らず(こんなものです。相手のマークがきつくなりますから)75-50と完敗で対戦成績は1勝1敗となり、翌日のゲーム➂まで持ち越しになりました。
・4月29日 熊本vs群馬ゲーム➂ 勝った方がB2プレーオフ決勝進出で、B1ライセンスを取得している熊本は、このゲームを勝てばB1入りとなり、群馬は勝っても名誉しかありません。そして会場は熊本のホームコート熊本県立総合体育館で超満員です。
「モチベーションが違い過ぎだろう」と思うのは素人です。プロでも、いやプロだからこそ負けて終わりたくないのです!!
立ち上がりはバランスの良い得点で群馬がリードしますが、熊本は中西中心に得点し逆転。その後接戦が続き、最後は群馬が佐竹の3Pで突き放し73‐72の最小リードで逃げ切りました。
熊本は大観衆の声援で「絶対に勝たなければいけない!」と、逆にプレッシャーになったのかもしれませんね!
この結果、ビーコルのB1残留が決まりましたーーー!!
スッキリしませんが残留は残留です!!
と、おめでたい感じでシーズン終了かと思ったら、なんと、なんと、ビーコルのスーパースターであるタクとは来シーズンの契約交渉をしないとチームから発表がありました。
さあ、来季のビーコル船団はどうなるのでしょうか?
◆高校関東大会神奈川県予選
東西南北各支部から勝ち上がってきた男女各32チームによる「平成31年度神奈川県高等学校春季バスケットボール大会 兼 第73回関東高等学校バスケットボール選手権大会神奈川県予選会」が4月28日(日)から5月5日(日)まで行われ、男子は法政大第二高(以下法政)、女子はアレセイア湘南高(以下アレセイア)が優勝しました。
法政は平成18年以来3度目、アレセイアは3年連続3回目の優勝となります。
❤女 子
アレセイアは、ベスト4決めで躍進目覚ましい東海大相模高を103-51で下し、準決勝では、相模女子大高等部(以下相模女)を接戦の末66‐56で下した県立旭高(以下旭)を70-58で破り、決勝に進出しました。
女子準決勝 アレセイア(白)vs旭(緑)
一方、シードの県立逗葉高を67-56で勝った横浜清風高(以下清風)を74-50と撃破した鵠沼高(以下鵠沼)が、決勝へ進出しました。
前年度チャンピオンのアレセイアは、主力が大幅に抜けサイズダウンしたのにも関わらず、得意のゾーンプレスと#15古木梨子(3年157㎝本郷中)、#25高杉真央(3年169㎝湘光中)の中心選手だけでなく、#14加藤優花(3年164㎝アレセイア中)、#8熊谷萌那(3年158㎝成瀬中)などが得点できるのが強みでした。
昨年度からの好ライバル鵠沼は、ひざを怪我してるPG#17野坂葵(2年158㎝戸塚中)が万全ではなく、周りを活かしきれていませんが、I/S#6天野遥奈(3年170㎝鶴ケ峯中)の安定したシュートで対抗します。
終盤アレセイアのシュートが決まらない時間帯に鵠沼は速攻で追い上げ、残5分に60-58と2点差に迫ったものの、ミスから逆に速攻を出され、その後にプレスというアレセイア得意のパターンにはまり、それ以上追い上げらえず72-63でアレセイアが3連覇を果たしました。
女子決勝 アレセイア(白)vs鵠沼(黒)
♠男 子
「神奈川県トップのメンバーが集まる桐光学園高(以下桐光)は、ベスト4決めで昨シーズン不調だった東海大相模高(以下東海)に大苦戦、やっと1点差で逃げ切り、準決勝では横須賀学院高に85-59と大勝した法政と対戦しました。事実上の決勝戦です。
身長では桐光に負ける法政がI/Sをアタックし、強いディフェンスを仕掛けます。桐光はI/Sへボールを集めたいところですが、法政のディフェンスが強く入りません。お互いのシュートが入らず19-19という超ロースコアで前半を終了すると、後半に入ると桐光は#4柏奏太(3年174㎝桐蔭学園中)、法政は#30吉澤凌雅(3年182㎝豊田中)を中心にした点の取り合いになりました。
その中で法政は、桐光のBigMan#6兪龍海(3年197㎝厚木中)に対し、ボールを持っていない時もパスを入れさせないように強く当たり弱点のI/Sをしっかりと守り、徐々にリードを広げていきます。
その後法政は攻め込めず、シュートも入らない時間が続き、桐光は60-53と追い上げ桐光に流れが傾きかけた時、法政は#3今池翔太(3年167㎝小手指中)がFT4本とも決め64-55として流れを止めたのが大きく、71-58と逃げ切りました。
桐光は使える選手が多く、取り替え引き換えメンバーチェンジを繰り返しタイムシェアをしてましたが、逆にそれがプレーにまとまりを欠いた感じがしました。
男子準決勝 法政二(紺)vs桐光(白)
逆の山からは、湘南工大附高を65-60で破った立花学園高(以下立花)を、準決勝で86-63と下した横浜清風高(以下清風)が決勝に進出しました。なおベスト4に残った立花は、創部以来初の関東大会進出となりました。
昨年からシュート力のあったガードが卒業したため、大幅な戦力ダウンとなった清風。対する法政は久しぶりにメンバーが揃っているため大差がつくと予想されていました。
案の定、お互いに外から撃つだけという大味なバスケットとなり、38-27で前半を終了しました。しかし後半に入り清風はディフェンスを強めシュートミスを誘い速攻を連発、第4Q残7分には#31榊拳士朗(3年174㎝馬堀中)が連続で決め53-52と逆転したものの、その後は法政の強いディフェンスに苦しいシュートを強いられ、法政は#30吉澤凌雅(2年184㎝豊田中)、#31皆藤太郎(3年189㎝保土ヶ谷中)が決め逆転し引き離し、71-61で法政が平成18年以来3度目の優勝を果たしました。
男子決勝 法政二(白)vs横浜清風(紺)
関東大会予選が終わっても、すぐにインターハイ予選が始まります。
関東大会が5チーム出場に対しインターハイはたったの2チーム、その上全国大会なので、重みが違います。
そのためインターハイ出場を目指すチームは、この関東大会予選で手の内を隠していて、どこまでが実力か分かりません(笑)。
6月のインターハイ予選では違うディフェンスでやってくると思い、見る方はそれが楽しみでもあります。
なお男子は法政(34回目)、清風(5度目)、桐光(15回目)、立花学園高初出場、東海(15回目)。
以上5チームが6月1日~2日 山梨県富士北麓公園体育館・富士吉田市営鐘山スポーツセンター総合体育館で行われる関東大会に出場します。
女子はアレセイア(3年連続3回目)、鵠沼(2年連続2回目)、旭(9年連続9回目)、清風(7回目)、相模女(5年連続11回目)。
以上の5チームが6月8日~9日 茨城県日立市池の川さくらアリーナで行われる関東大会に出場します。
なお予選トーナメント結果は男女共こちらで
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
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