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あんどうたかおのバスケにどっぷり

vol.127「ビーコルラストスパートヘ」

 桜が満開の横浜国際プールで、ようやく横浜ビー・コルセアーズ(以下ビーコル)が勝ち星をあげました!!

 

 2月17日(土)三遠ゲーム①に86-97で負けてから3月25日(日)三河ゲーム②に74-89で負けて10連敗となりましたが、28日(水)の三遠戦を87-84で勝ち、連敗をストップしました。

 連敗中は川崎、三河と言うリーグ屈指の強豪チームとの対戦が4ゲームあったのも不運でしたが、新潟、名古屋相手に数点差のゲームをしているので、それを大事にしていれば、と言う思いもわいてきます。

 

 連敗を止めた三遠戦は、今シーズン初めてベテラン#25竹田謙(188㎝40歳、以下ケン)を#8満田丈太郎(188㎝、以下ジョー)に替えてスタメンに起用しました。立ち上がりからディフェンスを締めたい、そしてゲームは40分間と言う尺野コーチの考え方でした。

 このゲームでは第2Qになりディフェンスを強くし、三遠の得意なATB(Attack The Basket、リングへドリブルで攻め込む)からのキックアウト((インサイド:ゴール下近辺、以下I/S)から外の選手へのパス)の繰り返しを防ぐと、攻めては#0細谷将司(173㎝、以下マーシー)やジョーが積極的にリングにアタックし、22-25から逆転し一気に44-36とリードを奪いました。

 その後は追いつかれ逆転されましたが、オフィシャル・タイムアウト(第2、第4Q残5分を切って時計が止まった時にリーグとして設定したタイムアウト。NBAではコマーシャル・タイムアウトとも言う)明けから#1川村卓也(193㎝、以下タク)のスパートで10得点して87-84と逆転し、平日にも関わらず応援に来てくれた3,119人のブースターに勝利を届けました!!

 

 その週の3月31日土曜日は富山での連戦です。

 ゲーム①では前半リードされたものの第3Qに逆転し、74-59と差を付けましたが追い上げられ、残1分21秒に91-88とされました。#34ハシーム・サビート・マンカ(221㎝、以下サビート)がペイント内(ゴール下周辺の四角く色が塗り分けられた場所、I/Sと同義語)で得点し、その後タクがFTを2本決め、更に相手のファールゲーム(故意にファールしてフリースローをさせ、ミスするのを期待するギャンブル的要素が強い作戦)で得たFTを#2高島一貴(190㎝、以下カズ)がしっかりと決め、97-88と離して逃げ切りました。

 しかし翌日のゲーム②では、競った展開となりましたがオフィシャル・タイムアウト後から徐々にリードを奪い、残り時間37秒にマーシーがATBを決め82-76と6点差にしたとき、勝ったと思ったんですが、、、。

 その後マーシーがFTを2本とも落とし、残14秒に相手のファールゲームで得たFTを今度は#4ジェフリー・パーマー(203㎝、以下JP)が2本とも外すと言う、何とも情けない状態。挙句の果てにそのリバウンドを獲られ、速攻に出され3ポイントプレーで逆転されてしまいました。

 

 マーシーは直前に肘を強打しているのでFTに影響してるのかな、とは思ったんです、、、。

 気になるのは、ファールゲームされた残14秒のスローインの場面です。富山の上江田に3Pを決められ82-81と1点差に詰められサイドからのスローイン。

 となれば富山はファールゲームするのは目に見えています。それならファールを受けるのはタクのはずです。彼はチームの大黒柱でなおかつクラッチ・シューターとして超有名ですから。
2人と言わず3人でスクリーンを掛けてもタクにボールを持たせるべきでした。1月28日(日)の名古屋ゲーム②でもそうでした。77-78と1点ビハインド残5秒でのスローインでも、タクではなくサビートにパスを入れようとしてパスカットされました。

 タクがシュートを外しても多くのブースターは「しょうがないなー」と諦めもつきます。

 

 とは言え、次の西宮(当時9勝40敗西地区5位)で2連勝し、三河戦以降4勝1敗と良い感じできています。

 

 その原因は?

 ディフェンスが良くなったことと、タクの調子があがってきたことで、特に3Pが好調なんです!

 下のグラフを見てください。3月10日(土)新潟ゲーム①からの9ゲームの得点、3P成功数、3P成功率(%)をグラフにしてみました。平均得点が20.1点、3P成功数平均が3.1本、と言うのは彼にとっては当たり前かもしれませんが、凄いのは成功率なんです。52.8%は信じられないほど高い数字です。

 シーズン通してのタクの3P%は39.6%で、リーグの3P成功率#1のロバート・ドジャー(三遠)が46.4%、FG(野投、2P+3P)成功率#1のジョシュア・スミス(京都)は66.3%です。これはI/Sが多いセンターのシュート率ですから、3Pで52.8%と言う数字がいかに高いか判ると思います。

 それでは、西宮戦を振り返ります。

 格下でI/Sが強くない西宮には、2連勝する絶好のチャンスでした。

 ところがマーシーと#21田渡凌(180㎝、以下リョウ)の二人の若手ポイントガード(司令塔、以下PG)と貴重な控え選手のケンの3人が、インフルエンザで欠場と発表されました。

 なんでこの暖かくなったこの時期にインフルエンザなんだよ、って気持ちですよね。

 

 しかしこの危機を救ったのが、今まで出番が少なかったビーコル生え抜きの#13山田謙治(180㎝、以下ケンジ)と#3蒲谷正之(183㎝、以下カバ)と言う2人のベテランでした。

 ゲーム①ではいきなり3Pを決めペースを掴み、更に周りの選手へパスを配りながらゲームをコントロールしたケンジの活躍で終始リードを保ち85-50で大勝しました。

 写真提供:横浜ビー・コルセアーズ

 大勝した後に油断して苦戦するのはビーコルの悪い癖ですが、今回も見事その通りにはまってしまいました(汗)

 それを救ったのがカバです。本来のシューティング・ガード(得点能力の高いガード、以下SG)からPGにコンバートされ、I/Sへアシストを配給したり、スクリーンを利用して自ら得点し、FG6/6(100%)で15得点の活躍で89-80の勝利に貢献しました。最近7ゲームで出場時間16分0得点4アシストのカバ、そして同じく3分の出場で0得点0アシストのケンジ。

 写真提供:横浜ビー・コルセアーズ

 それが2ゲームで、カバ37分34秒22得点4アシスト、ケンジ48分49秒16得点12アシストと欠場した3人の働きを十分に補ってくれました。かなりくたびれたことと思います、お疲れさま!!

 

 ただゲーム①の前半は55-23と大差をつけながら、後半西宮が敷いたゾーン・ディフェンスに対し30点しか入れられませんでした。これはいつもの「差をつけた後の気の緩みかな!?」とも思っていましたが、これはゾーン・ディフェンスを攻められなかったことだと、ゲーム後に西宮の高橋コーチに聞いて判明しました。

 ゲーム①で成功したゾーン・ディフェンスをゲーム②でやらなかった理由は「もう一度対戦(残留プレーオフで)する可能性がないわけじゃないので、隠しておきました」とのこと。

 ちなみに、西宮の関係者に聞いたところ、高橋コーチはゾーン・ディフェンスの専門家(研究者とも言ってました)なので、次回はさらに変化したゾーン・ディフェンスでくる可能性があります。策略家ですね!

 まあ対戦しないことを望みますが(笑)

 

 こうして2連勝したビーコルですが、依然として14位には変わりがありません。

 B2降格が係る残留プレーオフの可能性がまだあります。

 今度はその残留プレーオフについて書きましょう。

 【残留プレーオフのレギュレーション】

 

 16チーム中下位4チームが出場になりますが、既に15位以下に決定した西宮と島根の2チームは出場が決まり、あとは2チームとなりました。

 4月10日現在ビーコルはその上の14位に付けており、3ゲーム差で滋賀と大阪が並んでいます。さらに3ゲーム差で富山と新潟が位置していますが、残り9ゲームで4ゲーム差なので富山と新潟も可能性は残しています。

 下の表を見ながら各チームを分析します。


【10位―富山】

 栃木&三河はかなりの格上、やや格上の名古屋Dとは過去1勝3敗と相性は悪いうえ、アウェーなのでこの3チームから勝ち星を挙げるのは容易ではありません。同格の新潟には4勝1敗と強いこととやや格下の滋賀には勝ち星を望めそうですが、勝率はかなり下がると思います。

 

【11位―新潟】

 ここで格上なのは琉球と北海道の2チームのみで、島根は15位以下が決まっているので1勝は固く、連勝も狙っているでしょう。ただ同格の三遠と富山には負け越しているのが辛いですね。5月2日(水)の新潟との直接対決が山場でしょうか?

 ここも大きく勝率を下げてきそうです。

 

【12位―大阪】

 ここはタフなスケジュールですね。北海道、琉球、渋谷と言う格上が3カードあり、それがすべてアウェーと言うのもつらい所です。特に最終週は水曜日に沖縄で、そして土曜日に東京と言うのが大変です。同格の滋賀と土日に行われるビーコルとの対戦が山となるでしょう。

 ここも勝率を落としてきそうです。

 

【13位―滋賀】

 ここの格上との対戦は渋谷のみで大阪、富山はほぼ同格の上、対戦成績も同じでホームでの対戦、さらに残留プレーオフ出場が決まったチームと2カードも有るので、確実に勝ち星を積み上げてくると思います。

 

【14位―ビーコル】

 ディフェンスが良くなった今の状態で行けばかなり勝ち星は望めそうです。初対面の大阪と京都がやや不安ですが、京都とはbj時代から相性が良いので、、、。

 名古屋Dは格上で今シーズン全敗してますが、4ゲーム中3ゲームが1点差、それも最新のゲームではタクが欠場しての1点差ですから、簡単に負ける相手ではありません。

 三遠は格上ではありますが、前回の対戦では勝っています。ただし今回はアウェーなのがややマイナスか?

 そして最終戦の島根、過去は問題なく2勝しており、アウェーとは言え問題ないと思いますが、残留プレーオフでの対戦も視野に入れておかねばなりませんが、スカウティングされても行けると思います。

 と言うことで今週の大阪との直接対決戦と4月27日(金)、28日(土)の横浜文化体育館での名古屋D戦が山場になると思います。大阪に連勝して勢いを付けたいところです!!

 

 と言うことで、文体に来てください。

 皆さんの応援が選手の力になります!!

 

 【名古屋D戦の観戦ガイド】

 

 写真提供:横浜ビー・コルセアーズ

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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