vol.122「ビーコル新外国人」
立冬が過ぎたと言う時期ですが、この数日20度近い日が続いていますね。
10月の北海道戦からの7連敗は一寸メゲましたね。
まして10月25日の新潟戦は57-45とリードして、迎えた最終Qでまさかの失速による63-70、負けですからねーーー(涙)
しかしその後のアウェー渋谷戦と三遠戦ホームゲームは、2勝2敗として調子が上がって来ました。
◆突然のビッグニュース!!
新外国人加入しました!!
ジェイソン・ウォッシュバーンが練習でアキレス腱を痛め長期離脱(11月7日契約解除)になり、外国籍選手が#4ジェフリー・パーカー(以下JP)と#34ハシーム・サビート・マンカ(以下ハシーム)の二人だけになり、かなりJPに負担が掛かった状態でした。しかし、11月7日(火)ビーコルは2m6cmのウィリアム・マクドナルドと契約したことを発表しました!
206㎝で120㎏と言うのは、I/S(Inside。ゴール下周辺)では魅力的な身体です。その上動きもスムーズで、ソフトタッチのシュートは入りそうな感じがします。ピボットも使え、上手くて得点力の高い選手ですね。
外国籍選手が二人だけで、この2節を善戦したビーコルです。破壊力のありそうなマクドナルドの加入で、やっと戦力は揃いました。これから再出航です!!!
この2節を善戦した大きな要因の一つに、ハシームがチームにもBリーグにも慣れてきたことがあります。この数ゲーム、彼らしい上空でのブロック・ショット(シュートを叩くこと、以下BLK)が何度も見られています。渋谷戦ではNBAロサンゼルス・レイカーズで活躍していた、センターのロバート・サクレのシュートを数度BLKすると、その後のサクレのシュートが狂ってきてミスが多くなりました。
またシュートもリングから3~4mの距離のミッドレンジと呼ばれるエリアからのジャンパー(ジャンプシュート)やドライブも多くなり、得点が増えてきています。
ディフェンス面では、ゴール下にハシームが居ることで、他の選手は外へ強いプレッシャーを掛けられます。と言うのは抜かれてもハシームがシュートをBLKしてくれる、しなくてもハシームのBLKを怖がりシュートミスにつながるからです。外へプレッシャーを掛けられることで、ディフェンス自体が良くなり活気が出てきました。
そのハシームの相棒と言えるのが、#21田渡凌(以下リヨウ)です。アメリカのドミニカン大カリフォルニア校へ留学していたことで英語が喋れるためコミュニケーションが取れる上、ポジションがPG(ポイントガード、司令塔役)なので、センターのハシームとは関係が深いこともあります。
シュートやPGとしての役割だけではなく、キャプテン#5湊谷安玲久司朱(以下アレク)が怪我で欠場しているビーコルのリーダーとして、良く声を出しチームを纏めています。とてもルーキーとは思えません(笑)
その他にも、日本人BigMan#15佐藤託矢(以下サトタク)も調子を上げてきて、本来の姿に戻りつつあり、超ベテラン#25竹田謙(以下ケン)も深い読みからのパスカットや、中距離のジャンパーを良い所で決めてチームを助けています。
更に#3蒲谷正之(以下カバ)もシックスス・マン(一番最初の交代メンバー)として、徐々に長いプレータイムを得て頑張っています。
しかし一番頑張っているのがJPです。昨シーズンは唯一人全ゲーム出場した頑張り屋さんで、今シーズンも平均26.5分のプレータイムでチームの得点リーダーとなっています。
JPのようなベテランが頑張る中、三河戦では負けたもののゲーム②で14得点と大活躍した若武者#8満田丈太郎(以下ジョー)の存在は大きいですね。それまではミスするとすぐベンチへ下げられると言う若手には可哀そうな起用で平均プレータイムが11分ほどでしたが、このゲームでは第1Q 6分過ぎに#2高島一貴(以下カズ)に代わってコートに出ると、得意のストップ・ジャンパー(ドリブルから急ストップをかけ撃つジャンパー)を決め、更に日本人が得点できない中ベースライン沿いのフェイドアウェイ(後ろへ下がりながらのジャンパー)を決め、第2Qも5分近くプレーしました。
若いジョーにとっては「ミス=交代」と言う図式では、ミスを恐れるあまり積極的なプレーが出来なくなり、若さの利点が消される恐れがあります。この日は他メンバーのファウルトラブルもありプレータイムが23分と大幅に増えました。
このためリラックスしてプレー出来るようになり、終盤の追い上げは第4Qだけで10得点したジョーによるものです。ベテランの体力温存を図るためにも、これからはジョーの活躍が求められます。
そこで問題は、ビーコルのスーパースター#1川村卓也(以下タク)です。三遠戦までの7節でプレータイムが一番長いのがタクなんです。平均すると27分近くもプレーしています。
31歳とは言えば「未だ若い」と思うでしょうが、高校から直接プロ・リーグ入りしてプレーしてきているタクの潜在的疲労(こんな言葉があるか知りませんが)は大卒の35歳に匹敵するはずです。
一昔前のNBAでも、高校から直接NBA入りしたスター達は早めに現役引退しています。
そのタクは希代のスーパーシューターであるがために、相手チームは最強のディフェンダーを彼にマッチアップさせ、ディナイ(ボールを持たせないように密着したディフェンス。ベタマークとも言います)を掛けてきます。
そのプレッシャーの強いディフェンスを振り切って、ボールを貰うにはかなりのエナジーを必要とします。そのためビーコルは、ハンド・オフと言うスクリーンを掛けながらの手渡しパスをしています。
以前書きましたが、このやり方には、私は賛成できません。手渡しと言うことで堅実にボールを渡せる、と言うことと、スクリーンを掛けることでディフェンスをスイッチさせようとの意図があるのかもしれませんが、ボールのある狭い場所に敵味方が最低4人も居るわけですから、ディフェンスに有利に働くこともあります。さらに言えば、強いチームはスイッチをせず割って入ってくる積極的な「ファイト・オーバー」と呼ばれるディフェンスをしてくるため、ボールを渡すのもきつくなります。その結果、徐々にタクの体力はそぎ落とされていくのです。
三遠戦ではノーボール・スクリーン(ボールが無い所でのスクリーン)を時々使っていましたが、もっと使うべきで、更に言えばスクリーンは1人じゃなく2人使っても良いと思います。
一昔以上も前になりますが、NBAで両ショート・コーナー(FTレーンとエンドラインが交わる辺り)にそれぞれ1人ずつスクリナーを立たせ、左サイドからエンドライン沿いに2人のスクリナーを使って、右サイドまで動きノーマークにしてボールを渡すプレーも良くやっていましたね。
別の手法として、193㎝のタクにマッチアップするのは殆どがタクより低い180㎝台の選手です。そうなればNBAで多く使うのが、身長のミスマッチを利用してポストアップ(ゴール近くでボールを貰おうとすること)するのも一つの方法だと思います。ベタマークに来る選手は、外側での足を使ったディフェンスは上手くても、I/Sでのディフェンスはそれほど上手くない選手が多いはずです。
3PのうまいJPを同じサイドのウイングに置き、他の選手は逆サイドへ行かせれば、そのサイドはタクとJPの二人だけにします。そのうえでJPからタクへパスが送れば、相手は簡単にカバーしに行けないはずです。そして数mの距離のシュートならタクは天下一品。簡単に点が取れるはずです。
まあ私の理想としては「他の選手がATB(Attack The Basket。ドリブルでリングに攻め込む)からのキックアウト(外へパスを出すこと)後、パスを外で数回した後にノーマークのタクへパスしてシュート」これですね。当然と言えば当然ですがノーマークで貰った時のシュートは確率が高いのですから!
プレー自体も重要ですが、タクの場合はプレータイム(出場時間)も大事です。新潟戦からの5ゲームで平均27.6分出場しています。
その中で最終Qとなる第4Qは、フル出場2回を含め平均7.8分もプレーしています。長すぎます!!
そして問題は点取り屋の彼の第4Qでの得点が、平均1.8点と少ないことなのです。2点にも満たないのですよ!
得点が少ないと言うより、シュートまで持って行けなくなってきました。何度もドライブして抜こうとするのですが、抜き切れなくてパスしたり潰されたりして、5ゲームで13本しかシュートしていません。第4Qは脚に疲れがきて、抜ききれなかったり踏ん張れなかったりします。
顕著だったのが三遠ゲーム②残20秒68-75の場面です。トップ辺りから撃った3Pシュート。コースは完全に合っていて、私は「入った、71-75と4点差だ!!」と喜んだのも束の間、ボールはリング手前に当たりリバウンドは三遠モリソンが掴み万事休す!
昔から、シュートがリング手前に当たるのは「脚にきている証拠」と言はれています。
もう少し彼の使い方を考えてあげた方が彼のためにも、チームのためにも良いと思います!!
新外国人マクドナルドが出場するのは、今週末の富山グラウジーズ戦からです。
◆B-ROSEが快挙!!
公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)はAKATSUKI FIVE 男子日本代表チームを応援するオフィシャルチアリーダーズ「AKATSUKI VENUS」のトライアウトを行い、15人の合格者を発表しましたが、ナンとその中に現役B-ROSE3人と元B-ROSE1人が選ばれています!!
15人中4人と言うことは1/4以上です
B-ROSE関係からは、以下の4人が選ばれました!!
Maki、Maria、Sayaka、Keiko(元B-ROSE)
写真:Maki、Maria、Sayaka
AKATSUKI VENUSは、2017年11月24日(金)にスタートする「FIBAバスケットボール ワールドカップ 2019アジア地区 1次予選」の初戦、男子日本代表vsフィリピン代表戦(@駒沢体育館 / 東京)でお披露目となり、来年2月22日のチャイニーズ台北戦はビーコルのホーム横浜国際プールで行われます。
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
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