vol.72「ビーコルロスター固まった」
横浜ビー・コルセアーズ3度目の航海となるbjリーグ2013-2014シーズン開幕戦まであと一ヶ月とちょっととなりました。
なかなか発表されずヤキモキされていた方も多いと思いますが、やっとほぼ全員が決まったようです。昨シーズンは8月末に決まったので、数日ほど遅いかな?
昨シーズン優勝メンバーから外国人選手が全部抜け、さらに木村実がFAで岩手ビッグブルズへ移籍、最年長の青木勇人が引退となり、残っているのは#3蒲谷正之、#13山田謙治、#15堀田剛司、#32前田陽介、#37河野誠司、#73久山智志の6人。
そしてこのほど発表された新外国人がWayne Marshall (ウェイン・マーシャル)、Omar Reed(オマー・リード)、Marquise Gray (マークゥィース・グレイ)の3人です。
シューターの揃ったビーコルが一番ほしかったのはゴール下の攻防に強いビッグマンですが、それは211cmのマーシャルです。
(写真左がマーシャル選手 写真提供:横浜ビー・コルセアーズ)
アメリカ ペンシルベニア州出身 センター 1986年1月7日生まれ 27歳 211cm 130kg
名門テンプル大を卒業後、アメリカのマイナーリーグPBL(プレミア・バスケットボール・リーグ)に所属するロートン-フォートシル・キャバリー→B.C.タイタンズ(IBL)を経て来日し、大阪エヴェッサへ。そして昨シーズンは信州ブレイブウォリアーズでプレーしたので、覚えている方もいるかと思います。
昨シーズンのホーム開幕戦、11月10日・11日の座間スカイアリーナでの信州ブレイブウォリアーズ戦。1勝1敗と星を分けましたが、ゴール下を守っていたパプ(ファイ・パプ・ムール)が嫌がっていた相手がマーシャルでした。211cmという高さだけじゃなく、130kgというその巨体はちょっと押したくらいでは守れなかったようです。ただ重たいだけじゃなく、ポストアップしてボールを受けても無理にシュートはせず、空いた味方へパスするのも上手かったですね。バスケットIQが高い選手です。
機動力もあるインサイド・プレーヤーですが、現在はチョットばっかり体重オーバーのため、絞れてくるシーズン半ばからが楽しみな選手です。
もう一人、ペイント内(フリースロー・レーン内のこと。この場所だけ違う色のペイントが塗られていることが由来)で活躍してくれそうなのがグレイです。
アメリカ ミシガン州出身 PF/C 1986年7月14日生まれ 27歳 206cm 113kg
マジック・ジョンソンの母校ミシガン州立大卒業後、トルコのバスケント・ジェンクリック、メキシコのエルモシロ、ロボス・グリセスを経て、昨シーズン新潟アルビレックスBBへ入団し、昨年末に千葉ジェッツへ移籍しました。マーシャル同様206cm113kgと幅があり、センターとパワーフォワード両方のポジションでプレーできます。巨体に似合わずジャンプ力もあり、外からのシュート力もあるサウスポーなので期待が持てます。
そしてもう一人、今シーズンの注目選手候補#1なのが身長200cm 体重95kgと均整のとれたフォワードのリードです。
アメリカ バージニア州出身 1987年7月2日生まれ 26歳
無名のブルーフィールド大卒業後イギリスのMedway Parkというチームでプレーした後アメリカに戻り、NBAの下部組織Dリーグ(NBRL)のオースチン・トロス、昨シーズンはメイン・レッドクロウスでプレーして、今夏はNBA入りに最も近いと言われるラスベガスのサマーリーグにボストン・セルティックスとして出場しました。
そこで堅実なディフェンスと3Pシュートをはじめとするプレーを見て、小川直樹GMと勝久マイケルヘッドコーチが気に入り、ブラジルのチームと契約寸前だったリードを口説いて契約したほどの選手です。
派手さは無いかもしれませんがビーコルらしいディフェンスが強くクレバーな選手です。
そして最後の駒として元富山グラウジーズの堀川竜一です。
富山県出身 191cm 85kg 1979年6月9日生まれ 34歳
日大土浦高、京都産業大を卒業後、富山グラウジーズへ入団。その後埼玉ブロンコス、大阪エヴェッサ、滋賀レイクスター、富山を経てビーコルへ。
昨シーズン、カンファレンス・セミファイナルのゲーム2、第3Qにビーコルが追い上げようとした時に3Pを2本決め追い上げを阻止したのがこの堀川。ビーコル・ブースターさんの中には覚えている方も多いでしょう。外からの3Pを得意とするフォワードです。
外からの攻撃は、昨シーズン3Pキングの#3蒲谷、PGながら隙を見ては3Pを決める#13山田、シューター#73久山、大型3Pシューター#15堀田と#32前田、スピード活かし3Pもペネトレイトもできるチビッ子#37河野、そして新加入のベテラン堀川。
昨年のバーンズの様に常にボールをコントロールするわけでは無いが、ボールを持つと強いリード。ガード陣は外からだけじゃなく積極的にリングにアタックしていくのもビーコルの特徴。
外のシュートが入らなくても、インサイドで外国人がしっかりと得点したり、リバウンドを獲ってくれるだろう。
昨シーズンはガードのバーンズがボールをコントロールしてアウトサイド中心の攻め方が多かったが、今シーズンは一度ポストへボールを入れてから外へボールをさばきシュートさせるバスケットの基本的攻撃法「インサイドアウト」が多くなる可能性が高い。
そしてビーコルといえばディフェンス。ディフェンスといえばビーコル、というくらいディフェンスが大きな部分を占めます。ビッグマン+日本人が動き回る昨シーズンのゾーン・ディフェンスがより効果を発揮するのではないかと思われますが、このシステムを新加入選手たちが身につけるには時間が掛かると思いますので、シーズン始めは苦しい戦いが続くかもしれませんが、年を越すあたりから力を発揮するのではないでしょうか?
9月15-16日は秋田県で行われる秋田ノーザンハピネッツとのプレシーズン・ゲームから今シーズンが始まります。
ディフェンディング・チャンピオン(前シーズン優勝チーム)の名に恥じないようがんばってほしいものです。
【10月の試合日程】
10月12日(土) 開始18時 対 信州ブレイブウォリアーズ スカイアリーナ座間(神奈川県座間市)
10月13日(日) 開始14時 対 信州ブレイブウォリアーズ スカイアリーナ座間(神奈川県座間市)
10月19日(土) 開始未定 対 埼玉ブロンコス さいたま市記念総合体育館(埼玉県さいたま市)
10月20日(日) 開始未定 対 埼玉ブロンコス さいたま市記念総合体育館(埼玉県さいたま市)
10月25日(金) 開始19時 対 仙台89ERS 小田原アリーナ(神奈川県小田原市)
10月26日(土) 開始14時 対 仙台89ERS 小田原アリーナ(神奈川県小田原市)
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
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