vol.67「NCAAトーナメント&ビーコル」
4月に入り新しい体制となったところも多いでしょうね。
アメリカの大学バスケット界、いやアメリカの行事となってしまった一大イベントが、3月中旬から4月初めにかけて行われます。NCAA(National Collegiate Athletic Association)トーナメントは、全米を4ブロックに分け64チームが選抜され、トーナメントで全米No.1を決めます。以前は3月初旬から始まり、3月中に終わったことから「マーチ・マッドネス(狂気の3月)」と言われるほどの熱狂ぶりで、アメリカでは少ない全国紙の1面を飾るほどです。
日本式に言うと「高校野球の甲子園大会」です。あの広いアメリカにはディヴィジョン1(D1)のチームだけでも500校以上ありますが、その中からたったの64校しか選ばれないのです。ホンの一握りの強豪常連校にとって出場は当たり前かもしれませんが、多くの大学にとっては出場(推薦される)することだけでも大変栄光なことなんです。それで出場が決まると大学自体も大騒ぎですが、卒業生や地元のブースターも大騒ぎで、応援準備にかかります。
64チームを「EAST」「WEST」「MIDWEST」「SOUTH」と名前が付けられたブロックに分けられますが、大学やカンファレンスの所在地とはほとんど関係が無いように見えます。例えばEAST(東部)ブロックといいながら2回戦はカリフォルニア州やテキサス州でも行っています(笑)
会場の雰囲気は盛り上がりが凄く、最高ですね。日本では味わえない盛り上がりです。2万人近い観客が室内で騒ぐ訳ですからね。アリーナへ行ける人は当然応援に行きます。そのため下の写真の様に、1回戦からの全会場の案内やその町のタウンガイド(レストラン、ショッピング等)まで載っている144ページのトーナメントのガイドブックまであるほどです。
(画像提供:あんたか)
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会場へ行けるのは恵まれた人達です。何しろ人気が半端じゃないためチケットの入手が難しいからです。チケットを入手できなかったり、遠く離れて仕事している人たちはTVやネットの中継で一喜一憂してます。まるで甲子園です。
マーチ・マッドネスと呼ばれるのは、大騒ぎするからだけではありません。番狂わせが多いこともマーチ・マッドネスと呼ばれる所以で、#1シード校が敗れることも稀ではありません。
各ブロックの#1シード校がブロック優勝したのはたった一度しかありません(笑)。これがトーナメントの怖さですね。今年もWESTの#13ラサール大が全米ランキング12位で#4シードのカンザス・ステート大を2回戦で破ったり、#15シード(ギリギリ出場できた程度)フロリダ・ガルフコースト大(初めて聞いた大学です)が全米ランキング8位、名門ジョージタウン大を1回戦で78-68と大番狂わせで勝利して、3回戦まで進みました。
各ブロック16チームのトーナメントで勝ちあがってきた4チームは「ファイナル・フォー」と呼ばれる準決勝へ進みます。ここまで来たらどんな名門強豪校といえど大変な騒ぎで、ましてや一昨年のヴァージニア・コモンウェルス大やバトラー大、06年のジョージメイソン大のような小さな大学にとっては優勝したような騒ぎとなります。
気づいた方もいると思いますが、通常のトーナメントでは通常「準決勝」とか「セミファイナル」と呼ぶものですが、大学バスケットでは「ファイナル・フォー(Final Four)」と独特の呼び方をします。これで4強に対して強い印象を与えるわけで、面白いやり方だと思いませんか。アメリカでは「ファイナル・フォー」といえばこのNCAAトーナメントのことを指す程なんです。日本でも進んだ団体やジャーナリストたちが好んで使ってます。
実は「フォー」だけでは無く、8強のことを「エリート・エイト(Elite Eight)」、16強のことを「スイート・シックスティーン(Sweet Sixteen)」と呼ぶんです。カッコ良くてオシャレでしょ。
今年の「ファイナル・フォー」はルイヴィル大、ウィチタ・ステート大、ミシガン大、シラキューズ大の4校で、日本時間7日(日)、ファイナルは9日(火)にアトランタのジョージア・ドームで行われます。
ちなみにチケットは売り切れているのでプレミアが付きますが、4日現在でセミファイナルは約11万円で売買されているとか。
一番優勝回数が多いのはUCLAで、最近では95年に優勝していますが、その時のメンバーの一人、チャールズ・オバノンはパナソニックの選手です。2位は昨年優勝のケンタッキー大8回、UNC(ノースカロライナ大)とインディアナ大各5回、デューク大4回となっています。
さて、話を横浜ビー・コルセアーズへ移しましょう。
3月10日大分に敗け2月16日から4勝4敗と不調のビーコル。原因は#2バーンズの負傷と書きました。そのキング・バーンズが3月19日(火)の国際プールに戻ってきました。
ビーコルはこの日から「魔の5日間4ゲーム」という超タフ・スケジュールが始まりました。これと同じケースは1月12日〜16日でもありました。この時は初戦の群馬に74-77で負けたものの、その後3連勝を含み信州戦まで7連勝しています。
今回は19‐20日に浜松・東三河フェニックスを横浜国際プールに迎え撃ち、22‐23日東京サンレーヴスとは墨田区総合体育館へ赴いての対戦です。
浜松は24勝16敗(勝率60.0%)ウエスタン・カンファレンス5位、平均得点84.7、平均失点78.3のチームで、チーム数増加に伴いウエスタン・カンファレンスとなり、今シーズン初対戦となりますが、昨シーズンは開幕で1勝1敗、アウェーでは2敗、有明のカンファレンス・ファイナルでもあと僅かのところで敗れており、ぜひとも倒さなければならない相手。コーチが元日本代表アシスタント・コーチの東野 智弥氏へ変わったばかりです。昨年の負けたゲームでは、いずれもヴェテラン大口 真洋選手に良いところでボールを取られていました。
19日、前半ビーコルは#10パプと#22マロイのインサイド、浜松は大石、仲西の3Pで46-43とリードしました。第3Qも62-57とリードしては追いつかれを繰り返していましたが、第4Q立ち上がりお互いにディフェンスが強いこともありシュートが入らなかったところ、残8分46秒浜松のCTOをきっかけに#2バーンズがスパート、ドリブルで攻め込み、最後は#2バーンズがスティールし自ら速攻へ持ち込み70-57としたところで浜松は堪らずに連続CTOを要求。
#1 トーマス・ケネディ選手(左) #10 ファイ・パプ・ムール選手(右)
ビーコルは#2バーンズ一人で2分10秒間で6-0のランでした。更に残3分には#1ケネディが連続してペネトレイトして77-61として勝負を決め81-67で1勝目を挙げました。
20日のゲーム2は立ち上がり良いディフェンスとバランスの良い攻撃で37-21と大差をつけ、今日は楽勝かと思われたのですが、後半に入り浜松のゾーン・ディフェンスに嵌ってしまい、見る間に追い上げられ残り6分27秒には大石の3Pで56-56と同点に追いつかれてしまいました。
しかし#13山田から#2バーンズへ良いパスが渡り3Pを決めると、浜松がCTOを要求しました。その前にも#2バーンズの3Pが決まっていたので、心配して取ったと思われます。しかしこのCTOはビーコルにも幸いして、ここからディフェンスを立て直し、67-62で迎えた2分32秒、#1ケネディが24秒ギリギリで撃った3Pが決まります。直後のディフェンスで#2バーンズがリーグ#1を誇るスティール(相手のボールを奪うこと)で速攻に持ち込み#1ケネディへパスすると、豪快にダンクを決め72-62とやっと10点差をつけました。
それまでジリジリとした展開でフラストレーションが溜まっていた国際プールのビーコル・ブースターさんの気持ちが一気に爆発。場内が大興奮に包まれました。76-67で勝ち、まさかの2連勝です。
キャプテン #3 蒲谷正之選手
蒲谷キャプテンはゲーム後、「勝てて良かった。ディフェンスが良く持ちこたえた。第3Q後半にベンチメンバーが期待以上のプレーをしてくれたことが勝利につながったと思う」と。右太腿の負傷が心配された#2バーンズは「ゲーム感を取り戻すには1か月程掛かると思うが、脚は心配ない」と言っていました。
この勝利でプレイオフ出場が決まりました。それもイースタン・カンファレンス一番乗りです。といっても目標は有明出場と、そこで勝つことですから、一番乗り程度で浮かれている暇はありません。
一日置いた22日、場所を東京都江東区の錦糸町にある墨田区綜合体育館に移し、東京サンレーヴスとの2連戦です。東京は15勝25敗(勝率37.5%)イースタン・カンファレンス9位で、平均得点77.2点、平均失点82.8点でディフェンスを得意としないチームですが、油断はできません。浜松や富山に90点以上得点する爆発力を持っています。
ゲーム1は立ち上がりからエナジー全開で強いディフェンスと#22マロイの活躍でリードを奪い、#13山田の3P等もあり82-69で逃げ切りました。
23日ゲーム2では東京はスタートから#37河野より5㎝も低いヴェテラン青木康平が物凄いエナジーで攻め先制されましたが、ビーコルはボールが良く廻りシュートも決まり出し、守っては#73久山が青木をピッタリとマークし、思惑通り前半終盤には46-36とリードしたものの、ウッズに超ロングなブザービーター3Pを決められ48-42で前半を終えました。内容的には楽勝なのですが、無駄な失点が多かった前半です。
第3Qに入り、連戦の疲れが出てきたのかシュートの確率がガタンと落ち、残り1分ほどでウッズにFTを2本とも決められ57-58と逆転されてしまいました。最終Qに入りシーソーゲームが続いたものの、残り7分からバーンズ・タイムが始まりました。
まずはドリブルでアタックしてウッズのファールを誘いシュートを決め、更にバスケットカウントも決めると次は3Pシュート、その後はペネトレイトをねじ込み、さらに更に3Pを決め、2分弱の間に一人で11得点。正に「ゾーンに入ったバーンズ」、それに追い打ちを掛けたのが#3蒲谷、3P決め80-68として勝負を決めました。このクォーター(Q)の5分だけで21-8のラン。92-75で勝ち「魔の5日間4ゲーム」を全勝で終えることができました。
この点についてコーチ・ゲーリーは「疲れて一番辛いはずの第16Q(4ゲームの4Q目)で33-15という最高のプレーをしてくれた選手たちを誇りに思う」と褒めてくれました。更に相手の青木コーチも「勝負どころで#2バーンズにやられてしまった」と言うように、この4ゲームでは苦しみながらも、相手のミスをきっかけにバタバタと得点したり、#2バーンズがペネトレイトや3Pを連続で決めて大きくリードしました。良い言い方をすれば「ヴェテランらしい、勝ち方を知っているチームの勝ち方」でした。
先週末はライジング福岡との連戦でした。福岡は28勝16敗(勝率63.6%)ウエスタン・カンファレンス3位、平均得点84.4(リーグ1位)平均失点79.0と言う得点力の高いチームで、外国人がヴェテランで老獪でシュートが入り、その上ウォーレンとペッパーズは積極的にATBしてくる得点力が高い良い選手。
そこに仲西や竹野のような優秀な日本人がいる。日本人に関して言えばこの2人だけじゃなく加納と石谷も忘れてはいけません。得点は多くないものの、他の選手のマークがキツくなっている時に3Pをキッチリと決めてくる力を持ってます。bjリーグでは優秀な日本人を抱えているチームが強いという傾向があります。
横須賀アリーナでのゲーム1。地元出身のキャプテン蒲谷、ミニ時代の恩師や後輩も応援に来ていれば燃えないわけがありません。立ち上がりから積極的にドリブルでゴールへ攻め込みさらには3Pも決め、第1Qだけで9得点と大暴れ、しかし福岡はディフェンスが良くミスを誘われるため大きく引き離すことができません。それどころか後半に入ると徳永、ウォーレンらのシュートで6点リードされる始末。それでも87-87と追いついて今シーズン3回目のオーバータイムへ持ち込んだものの、最後は福岡にFTを6本全部決められ、今シーズン最多の106点を献上して97-106で敗れてしまいました。
ゲーム後、コーチ・ゲーリーは「質の高いゲームはできたが、決めるべきところでシュートを決められなかった」と語っている。
31日のゲーム2。前日と打って変わって#3蒲谷のシュートが入らない。好調な日の翌日は往々にしてシュートは入らないものです。対する福岡のシュートは好調です。
何度かリードされては追いつき、何度リードしても追いつかれ、残り4分にはウォーレンにプットバックを決められ63-57と離されます。それでも諦めないビーコルは#2バーンズがペネトレイトとFT2本、更に3Pを決め残り2分19秒に64-63と逆転します。しかし福岡は長身アシュビーがゴール下を攻めファールを2回取り、FT4本すべて決め64-67と離されますが、ビーコルは地元出身の#3蒲谷がストップ・ジャンパーを決め36秒を残して66-67と1点差に迫ります。
更に福岡の攻撃を守り切って10.9秒でマイボールに!
タイムアウト明け、#13山田からスローインされたボールは、当然#2バーンズが受けます。
ハーフライン付近からゆっくりとドリブルで仲西との間合いを計り、数ドリブル後に右ドリブルで抜きにかかったものの中途半端なままハイポストでストップ・ジャンパーを撃った。場所も中途半端。
ボールはリングに弾かれ大きく跳ねリングの外へ。もう一歩内側に押し込んでいればシュートも楽に撃てただろうに、またファールが取れた場面でもあった。
シュートを決めに行くのではなくファールを取りに行っても良かったのでは。何しろこのゲームではFGは7/20と不振だったが、逆にFTは8/8で絶好調だったのだから!!
振り返ってみると、福岡は良いチームです。それが何故ビーコルとの対戦前に千葉に2敗しているのか、不思議でなりません。福岡の強みは、ゲーム2の第3Q、ビーコルが徐々にリードを広げ47-42として、もう一本決めれば勝負を掴めると思った時、主力の竹野や仲西ではなく、脇役的な加納に3Pを2本+ジャンパーを決められ、差を開くどころか逆に49-51と逆転された事でも判ります。全員が高いレベルのバスケットをしてきます。
対してビーコルの場合、クラッチ・タイムは#2バーンズがボールを持ってます。調子が良いと3Pが入りまくりですが、ATBも積極的に行います。ドライブしてディフェンスをユーロ・ステップ(左右に大きくステップする)やギャロップ(左右にステップでかわす)でかわしてゴール下まで持っていきますが、それに対して福岡はキッチリと対策を立ててきました。
バーンズには加納や仲西という身長があってディフェンスの上手い日本人をマッチアップさせてきました。バーンズには抜かれてもいいから(ワザと抜かれているかもしれない)、ジャンパーを楽に撃たせないことを主眼に置いたキッチリとしたディフェンスです。抜いてくれば、ペイント内では身長の高い外国人が前に2人立ちはだかります。前に2人に立たれると隙間が無いのでユーロステップでかわすことができず、自滅することが何度もありました。
それではと外からシュートを撃ちますが、ことごとく弾き返されました。それでも撃ち続けましたが、結局3Pはゲーム1では10本撃って1本も入らなく、ゲーム2では7本中2本しか決まりませんでした(涙)。
ゲーム2前半終了間際に#1ケネディはペネトレイトした際に腰を捻ってしまったようで、その後のプレーができなくなり、後半の勝負どころでは、#1ケネディがいないため#2バーンズはパスをさばけないと思い込んでいたかもしれません。
多くの読者の中には不調の#2バーンズに勝負に行かせず「その日好調の選手に撃たせれば」と思っている方も多いと思います。これは非常に難しい問題ですね。その日好調でも「最後のシュートを任せられたら」多くの選手はプレッシャーが掛かってしまいます。まして「入れなかったら敗け」という状況では半端無いプレッシャーが掛かります。たまたまその日は楽に撃てたからシュートが良く入っただけかもしれませんが、しっかりとマークされたら「俺が入れる」という強い気持ちを持てるかということと、シュートに「パーフェクトは無い!」ため、一般的にはチームの中心(スター)選手に撃たせます。
もしスター選手のシュートが入らなくても「あいつがミスしたのならしょうがない、俺も決められないだろう」という気持ちになりますが、他の選手が外したら「あんなシュート入れろよ!」と否定的になる可能性が多くなりますからね。
まあ地元出身でキャプテンでもある#3蒲谷をセコンド・オプションとして使っても良かったかもしれません。
幸い1位新潟も、まさかの連敗のため順位は変わりませんでしたが、下から岩手と富山が1ゲーム差に迫ってきます。これからも益々のビーコルへの応援をお願いします。
ホーム最終戦は20日(土)と21日(日)平塚総合体育館で行います。
<用語注釈>
◆カンファレンス:アメリカでは日本式に言うとリーグと言うことになります、大学同士で自由に作ることが出来ますが、地域で作ることが一般的と言う訳ではありません。日本では地区と訳しています。
◆シード:トーナメントの組み合わせの強い順番です。日本では1回戦目を戦わなくても良い優先的な意味で使用していますが、単なる順位付けのことです。
◆ATB:Attack The Basket 外から簡単にシュートせず、ドリブルでゴールへ攻め込むこと。
◆CTO:Charged Time Out タイムアウトのこと、bjリーグでは60秒と20秒の2種類がある。
◆オーバータイム:Over Time(OT)延長戦のこと。
◆ペネトレイト:ATBと同じ意味で、ドリブルで中へ割って入ること。
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
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