vol56.「ビーコル強いですねー」
ビーコル強いですねー、カンフェレンス・ファイナルに進出です!!
エクスパンション(新規参入)チームとしては、07年に高松ファイブアローズがファイナル進出をしてます(もっともこのシーズンは8チームのみでカンフェレンス制ではありませんでした)が、ビーコルとしてはより高みを目指したいものです。
前回は仙台戦前まででした。その時「仙台には3勝1敗で、、、、」と書きましたが、ナンと4連勝しちゃい、最後は9連勝と言う快挙を成し遂げての31勝21敗、イースタン・カンファレンス2位でレギュラー・シーズンを終えることが出来ました。
前回「好調の原因は#2バーンズの加入」と書きましたが、それ以外にも強くなった、と感じることが多くあります。コーチ・ゲーリーは「多くの人は転機を12月末の富山戦での惨敗だと言いますが、私は2月中旬の沖縄戦(アウェー)だと思ってます」と言ってます。強豪チームとのゲームに接戦したことで強くなったと確信したようです。
元々技術を持っている選手が多いのですが、アメリカ人選手たちは大学を卒業して間もない選手が多いため、日本での経験が少なく戸惑いもあったようですが、それにも慣れ逞しくなり、日本選手も一体感が増してきて本来の力が出せるようになりました。
今までなら終盤の競った場面で、つまらないミスやシュート・ミスで負けたこともありましたが、それが逆になりました。#3蒲谷キャプテンが競った場面で3Pシュートを決めたり、#1チェイスが大事な場面で味方のシュートミスをプットバック(味方のリバウンドを獲ってシュートすること)したり。
例えば最終週、残り時間1分44秒の時点で53-58と5点も負けていた仙台ゲーム1で、#1チェイスが堅実にゴール下シュートを決め、1分25秒には#13山田がスティール(相手からボールを奪う)してファールを貰いFT(フリースロー)を2本とも決めました。
さらに32秒の時点でまたも#1チェイスが果敢にドリブルで攻め込みファールを得て、そのFTを2本とも決め、ついに60-61と1点差に追い上げます。
その後の仙台の攻撃を得意の強いディフェンスで守ると、仙台は攻め込めず、魂の男・志村雄彦が3Pシュートするものの、これはビーコルのディフェンスに圧されて苦し紛れのシュート。何故ならこの場面ではギャンブル的な3Pシュートより確実に2点シュートを決めるか、ファールを取ってFTを貰う場面だからです。
そのシュートミスはしっかりとビーコルがリバウンド、そしてCTO(タイムアウト)。残り時間はたったの8秒!
スローインは#2バーンズへ、左ウィングからでベースライン方向へドリブルすると大きな選手がWチーム(二人掛りでディフェンス)に来る。しかしこの場面で仙台はファールが出来ないため、プレッシャーはやや甘くなる。挟まれたものの人の間に隙間を見出した#2バーンズがピヴォットで割って出る、このとき#24バーレル(通称JB)はFTライン左側に立っている。
本来ならJBに注意しなくてはならない仙台なのに、もう一人の長身選手が#2バーンズがシュートすると思い跳んできた。
それを見たJBはリングに向かって一歩踏み出すと#2バーンズがボールをパスする。
JBの前にはもう誰もいない。
あとは思いっきりジャンプしてボールをリングに直接叩き込むだけ!!
62-61とアウェーで大逆転勝利です!!
そんなことで仙台戦に4連勝したおかげでカンファレンス 2位となり、カンファレンス・セミファイナルのホーム開催が決まりました。実はこれからが大変だったのです(笑)
5月第2週開催に向け、急遽体育館の調整作業が行われました。両日とも卓球の大会と女子高の運動会が入ってましたが、主催者のご厚意で終了を早めていただき、10日木曜と11日金曜の19時半から横浜文化体育館で開催が決まりました。
通常は朝からコート作り等の作業を始めるのですが、今回はたったの3時間で終わらせてしまいました。ボランティアさんが少ない中、横浜市と市体協の方々にお手伝い頂いたのが大きな力となりました。ビーコルが横浜に根付いたと言えるのでしょう。
カンファレンス・セミファイナル進出ともなると世間の注目度も変わってきます。それまで少なかったメディア(報道関係)が沢山いらっしゃいました。11日は31社50人で開幕戦以上でしたね。殆どが開幕戦以来と言う方々でしたが(笑)。
凄いのは対戦相手の秋田メディアです。秋田では秋田ノーザンハピネッツの注目度が高いそうで、10社も来たんです。そのうちTV局がNHKを含め3局も来たのにはビックリ!!
横浜のTV局は10日に1人来ただけですからね!
神奈川で関心が高まったことは嬉しい限りで11日は観客が2,000人を超えました。そして大きな声で、今までに無い盛り上がりを見せてくれました。これが選手を後押ししました。
10日のゲーム1は86-74と快勝の様でしたが、実は第4Qに秋田の強烈なプレス・ディフェンスで追い上げられていたのです。
11日、この日勝てば、次は有明コロシアムです!!
あと1勝、そして前日勝っていると言うことで、固くなったのか、それとも受けに入ってしまったのか。
いやこの日は秋田を褒めるべきでしょう。
立ち上がりからフルコートでプレスを掛けてきたため押されっぱなしのビーコル、前半はそれでも35-36と1点のビハインド。あのきついディフェンスは後半のどこかで疲れが出る筈だから、いずれ逆転出来るだろうと思っていましたが、秋田は疲れが出るどころか、アドレナリンが出っ放し状態で、膝を痛め脚を引きづりながら走っていたベテラン庄司もシッカリと走っているうえ、後半のシュートは全員好調で、ビーコルの追い上げも届かず69-82で落としてしまい 1勝 1敗となってしました。
bjリーグの決まりでその場合はゲーム2終了後、20分以上のインターバルを取って5分ハーフのゲーム3が行われます。
#24ジャスティン・バーレル選手(通称JB)
ゲーム3はやっとビーコル本来のバスケットが出来るようになりました。ゲーム2ではリング下のシュートを何本も落としていたJBが全開モード!
前半全得点となる7点を叩き込むと、前のゲームから続いている場内の興奮は最高潮、こんなに盛り上がったビーコル・ゲームは初めてです。
#2バーンズ選手
後半、大接戦で迎えた残り8秒、16-15と1点リードで#2バーンズがファールゲームされFTを貰います。
これを 2本決めれば勝利は確定的!
#2バーンズは緊張する中、 1本目を決めました。
そして2本目
これも決まった!!
18-15とリードが3点に広がると、場内は勝利を確信したようで更にヒートアップ。横浜メディアの御嬢さんたちは取材どころか絶叫してます(笑)
しかしコーチ・ゲーリーは勝ったとはまだ思ってません。まだ4秒あるので3Pシュートを決められたら同点です。
ここで#2バーンズを下げディフェンスのスペシャリスト#10シモンズを投入しました。エースキラーと言われるこの男の役割は、この日大当たりのスワンストンにシュートを撃たせないこと。
いや、撃たせないどころか、彼にボールを持たせませんでした。
18-15で勝利!!!
この日がお誕生日の林市長(中央)も大喜び!
そして次は有明です。
対戦相手は、奇しくもチーム最初のゲームとなった相手の浜松・東三河フェニックスとなります。
シーズンで1勝3敗ですが、最後に対戦したのは11月初めです。あれから両チーム共に進化していることと、プレーオフは一発勝負なので予想は簡単ではありませんが、ここまで来たらあと2回勝ちたいですね。
皆さんも有明へ応援に来て下さい。
◆5月19日(土) 14時10分 イースタン・カンファレンス・ファイナル @有明コロシアム
横浜ビー・コルセアーズvs浜松・東三河フェニックス
◆5月20日(日) 19日勝利→ 17時10分 ファイナル(決勝戦) @有明コロシアム
19日敗戦→ 13時10分 3位決定戦 @有明コロシアム
■全カードBSフジ生中継
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
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