vol.55「ビーコルがプレーオフ進出!!」
やりました、ビーコルがプレーオフ進出です!!
横浜ビー・コルセアーズは、今シーズンのエクスパンション(新規参入)・チームとして、唯一のプレーオフ進出を決めました。
昨年中は10月-3勝3敗、11月-2勝4敗、12月-4勝6敗ともたついたものの、今年に入ってからはツキ物が取れたように勝ち始め、2月5日・岩手戦まで6勝2敗と絶好調!
その後、島根(26勝24敗)、大阪(33勝15敗)、京都(31勝17敗)、富山(24勝24敗)と主にウエスタン・カンファレンスの強豪チーム相手に7勝5敗と勝ち越したのは大きいですね。
元々イースタンより強豪が集まっていると言われるウエスタン、その中でも上位にいるチームばかり。「絶対王者」と言われる沖縄にこそ2敗しましたがゲーム②では3点差まで詰め寄ってますし、2位大阪には1勝1敗と星を分けてますが、両方ともアウェーでの成績というのは評価できます。
何故強くなったのか?
それは2月に書きましたが、それ以外にも理由があります。
2月に加入した#2ドゥインロン・バーンズ選手
2月に加入した#2ドゥインロン・バーンズです。
彼の加入前は14勝14敗と五分の成績でしたが、入ってからは13勝7敗と大きく勝ち越しています。
彼のポジションはガードで、元々はシューターです。
シューターと言うのは波がありますが、集中した時の彼のシュート成功率は高いんです。13日(金)小田原アリーナでの高松戦、前半彼はシュートをたったの1本しか撃っていません。それも入らずに0点で、そのため43−47と4点のビハインドでハーフタイムを迎えました。
後半開始早々バーンズが3Pを決め、すぐに#13山田謙治がドリブルで突っ込み、シュートを決め、開始1分もしないうちに48−47と逆転です。
その後もバーンズは3P(3点シュート)、ドリブルレイアップやゴールを積極的に攻めて得点します。そしてビーコル十八番の「強いディフェンス」で相手の攻撃リズムを抑え、このクォーターを32−13と圧倒し、75−60の15点差で第3クォーターを終え、98−78で勝ちました。
勝負を決めた第3クォーターで、結局彼は18点(3P−2/3、2P-4/4、フリースロー4/7)取り、このゲームでの殊勲選手です。
それだけ取れるなら何で前半もシュートしなかったの…って言いたくなりますよね(笑)。
それは彼なりに考えていたようで「カバ(#3蒲谷正之)がホット(絶好調)だったから」とのこと。好調な選手にはボールを集め、シュートさせようということなんです。この辺りはいかにもポイントガード的な考え方ですね。
しかしハーフタイムで、チームメイトとコーチからも「積極的に攻めろ!」と言われてシュートしに行ったようで、遠慮しているのか、チームに溶け込もうとしているのか、どちらにしても「俺が俺が」と言う自己中心の選手では無く犠牲的精神を持つ選手なのです。
バーンズの加入で単純に彼の得点分の点が増えた、という訳ではありません。相乗効果が生まれてきたのです。
山田選手に指示を出すレジー・ゲーリー ヘッドコーチ
それまではどうしても山田、蒲谷という日本人ガードに負担が掛かってましたが、194cmの大型でシュートの得意なガードが入ってきたので、この二人へのディフェンスのプレッシャーが分散されて軽くなったんです。
最近蒲谷のドリブルからのジャンパー(ジャンプシュート)が好調なのも、山田のアシストが多くなったのもバーンズの加入が大きく影響しているはずです。
そして4月15日現在、27勝21敗で単独2位となっています、信じられますか?
3月26日は6位だったのですよ!!
理由は7日・8日、秋田で行われた秋田ノーザンハピネッツ戦で連勝したからです。
秋田はイースタンの2位だったチームで、名伯楽と言われた中村和雄が指揮を執りますが、そこに連勝したわけですからビーコルの力は本物になってきたと感じます。
というのは、bjリーグやJBL、WJBL等の日本のリーグ戦では土曜・日曜で続けて同じ対戦カードを組むことが多く、1勝1敗で星を分けるケースが多いのです。
理由は「勝ちチームは勝った時の作戦が成功したと思うため、その作戦を継続しようとするのに対し、負けチームは敗因をチェックして次のゲームで調整してくる」からです。
例えばAチームがBに対し1−3−1のゾーン・ディフェンスを敷いてそれが原因で勝ったとしたら、負けたBチームは1-3-1ゾーンの攻め方の反省と打開策を考えますが、Aチームはそれが勝因なら同じ作戦で行くのが常道ですが、既にその作戦は見切られてるので簡単に勝てるわけがありません。
また前日良く入ったシューターは次のゲームで確率が悪くなることは定説となってます。
ですらチーム力によほど差がない限り1勝1敗のケースが多くなります。
ちなみに今シーズンのbjリーグを調べると65%が1勝1敗で星を分けあってました。
秋田との直接対決でビーコルが勝ったことで秋田との「3」ゲーム差が一気に「1」となりました。
13日(金)は秋田のゲームが無く、ビーコルが高松に勝って26勝21敗としたためゲーム差「0.5」となり、14日(土)、ビーコルは高松に連勝して27勝21敗としましたが、秋田も島根に勝って28勝21敗としたためゲーム差には変動は起こりません。
しかし15日日曜日、秋田が島根第2戦で79-85と敗れたので、28勝22敗となり、3厘差ながらビーコルが上になり、堂々の単独2位となりましたーー!!
とはいえ15日終了時点4ゲームを残して2位ビーコルから6位富山まで3ゲーム差しかありません。油断したら5位6位に落ちることも考えられます。シュミレーションも出来ない状態です、まだまだ気が抜けません。
■ここでプレーオフについて説明しましょう。
プレーオフという競技形式はアメリカのスポーツで多くみられるもので、長いレギュラーシーズンは総当たりのリーグ戦方式で戦い、その成績を元に勝ち抜き式のトーナメント戦を行い順位を決めるやり方です。
bjでは19チームをイースタン・カンファレンス10チーム、ウエスタン・カンファレンス9チームに分け各カンファレンスから6チームずつがプレーオフへ出場し、各カンファレンス内でトーナメントを行い、その勝者がbj#1(No.1)を競い戦います。
◆プレーオフ・ファーストラウンド(1回戦) 5月第1週
<会場>3位と4位のホームコート
A)レギュラーシーズン3位 vs 6位、4位 vs 5位 これの勝者が1位、2位チームと対戦
◆カンファレンス・ セミファイナル 5月第2週
<会場>1位と2位のホームコート
B)レギュラーシーズン1位 vs A)の勝者でシーズン下位のチーム、2位 vs A)の勝者でシーズン上位のチーム
◆プレイオフ ファイナルズ(FINALS)
5月19日(土)プレイオフ ファイナルズ 1日目
・第1試合:イースタン・カンファレンス ファイナル B)の勝者同士の戦い)
5月20日(日)プレイオフ ファイナルズ 2日目
<会場>有明コロシアム(東京都江東区有明2-2-22)
・第1試合:3位決定戦 19日の敗者同士
・第2試合:ファイナル 19日の勝者同士
ということで、15日現在、まるで今後のスケジュールは組めませんが、スケジュールは3パターン考えられます。
1)3、4位:5月4、5、6日の間、神奈川県内でファーストラウンドを行います。
2)5、6位:日程は1)と同じでも「アウェー」で戦うことになります。
3)1、2位:5月第2週に、1)2)の勝者と神奈川県内でカンファレンスセミファイナルを行います。
そして3)で勝つとカンファレンス・ファイナルに進出となり、5 月19日にbjリーグのメッカ「有明コロシアム」での戦いが待っている!
それに勝つとウエスタン・カンファレンスの勝者とbjチャンピオンシップを掛け、20日(日)にファイナル(決勝戦)を戦います
そこで勝てばbjチャンピオンです!!
1、2位で通過すると、シーズン終了後に1週休むことが出来ます。
7か月戦い抜いてきた選手たちには恰好の休暇となり、リフレッシュした元気な脚でセミファイナルへ望めるため有利になるので、是非とも2位通過して欲しいものです。
2位通過のためには当面の対象チーム秋田になりますが、秋田は2ゲーム先行していて残り2ゲームなのに対し、ビーコルは4ゲーム。これからは秋田の負け数と同じじゃないと2位になれません。
その秋田はイースタン9位の岩手との2連戦を残すのみです。油断できないのが岩手、15勝33敗ですがコーチの富山は若いながらバスケットを熟知して、采配も上手く、3月に入ってからは大阪、京都等の強豪も含め全て1勝1敗のペースで来ている強いチームです。そこに秋田が2勝するのは難しいのでは??
一方、ビーコルは5位仙台(25勝23敗)と20日(金)・21日(土)平塚総合体育館で、28日(土)・29日(日)仙台市体育館で、計4連戦を行います。いくら順風満帆のビーコルでも4連勝は苦しいでしょう、3勝1敗じゃないかなと…。
それでも秋田とは同率なので対戦成績で上回るビーコルが上位となり2位。
とはいえ、上ばかりを見てる訳にはゆきません。
1ゲーム差4位の新潟も気になるところです。その新潟はウエスタン3位の滋賀と対戦、その滋賀は2位大阪とはたったの1ゲーム差。2位となってホームコート権と1週お休み権を獲得できる位置にいるので手抜きは出来ないでしょう…。となると1勝1敗が良いところ。
5位仙台とは2ゲーム差で最後の4連戦。勝つしかないが1敗は覚悟してれば、2位が見えてくるんです。
とはいえどう転ぶか判らないのが勝負の世界。
誰か勝利の女神を連れてきて下さい。
勝利の女神となるか!? ビーコルセアーズパフォーマンスチーム「B-ROSE」
ブースターのみなさんも応援してます。
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
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