vol.54「オールスター」
今年のNBAオールスターは152-149という大量得点、今シーズンのチーム1ゲーム平均得点が95.6点なので1,5倍以上になる計算になります。
これは凄い得点ですねー、でも下のハイライト動画を見れば判ると思いますが、ディフェンスは一生懸命にはやってません(笑)。
と言うのも、真剣勝負の場ではないので、選手たちは怪我することを恐れます、何故なら彼らの本番は4月から6月にかけてのプレーオフとファイナルスですから。
そして多くの観客とテレビの視聴者は「ディフェンスのナイスプレー」より「豪快なダンクや3Pシュート等のエンターテインメント性の高いオフェンス」を見たがっていることを知ってます。
そうこれはお祭りなのです。
今年はフロリダ州オーランドで行われました。オーランドと言えば、ディズニーワールドを始めとするテーマパークの街ですね。20年前の92年にオーランドで開かれていますが、それは見てきました。このときはミッキー等が出てきて、オーランドらしさを前面に出してのオールスターでした。
92年オールスター ハーフタイムショー
Vol.29で書きましたが、NBAオールスターは1日で終わるイベントではありません。金曜日から始まる3日間のイベントで、一時は「All Star Weekend」と称していたほどです。ゲームとは別に「バスケットのテーマパーク」と言われる「ジャム・セッション」が開催されてますが、こちらは地元市民向きとも言えます。
バスケット好きのセレブを集めての「セレブリティー・ゲーム」やNBA入り2年目までの若手選手を集めてのゲーム「ライジングスター・チャレンジ」、「オールスター東西両チームの公開練習」もあります。
そして本番のゲーム同様盛り上がるのが土曜日に行われる、「3ポイント・シュート・コンテスト」「スラムダンク・コンテスト」「スキルズ・チャレンジ」の3イベントです。
3Pコンテストは5か所から25個のボールをシュートして、入った数で勝敗を決めますが、各ポジションに得点が倍になるカラーボールがあり、ギャンブル性を持たせています。
今年の優勝はケビン・ラブと言う209㎝のセンターです。身体能力の低さをカバーするために、センターながら3Pシュートをズーッと練習して上達したと言われてますが、NBA入りした頃はコーチから「3P禁止令」が出てたそうです(笑)
スラムダンク・コンテストは見たい種目ナンバー1ですよね!!
昨年はクリッパーズのブレーク・グリフィンが乗用車跳び越えの荒業で優勝しましたが、今年はスケールが小さかったですね。
私が興味あるのは「スキルス・チャレンジ」です。バスケットの全ての技を要求される競技で、俊敏性があるオールラウンド・プレーヤーが技と正確性とスピードを競います。内容は、レイアップ・シュート(ランニングシュート)、ターゲットへのボール投げ込み(直接とバウンドの2種)、ジグザグ・ドリブル、フリースローサークル後ろからのシュート等です。これはパス能力、ドリブル能力、シュート力とスピードが要求されるため、ガードがメインのイベントで、リーグでもトップガードが出場します。今年はサンアントニオ・スパーズのトニー・パーカーが優勝しましたが、過去にはドゥェイン・ウェード、スティーブ・ナッシュ、デリック・ローズ等スーパーガードが優勝してます。
一方日本のプロバスケットボール・リーグ「bjリーグ」もオールスターゲームを1月15日に行っています。埼玉スーパーアリーナで14,011人と過去最大の観客の前で行われました。
NBAとは違い1日だけのイベントでしたが、3Pコンテスト、スラムダンク・コンテストもありました。
ティップオフをよく見て下さい。リーグでもちびっ子のイースト志村雄彦(160㎝仙台)とウエスト並里成(172㎝沖縄)とでジャンプしてます、オールスターらしいですね。
横浜ビー・コルセアーズからはフォワードの#24ジャスティン・バーレル(以下JB)が出場してます。前半は勝手が判らず大人しくしてたためか、42-62と大量差をつけられました。
後半やっとスクリュウーが廻り始めたようで、積極的にリングにアタックしてかなり得点しましたが、ゲームは93-120の大差でJB所属のイースト・チームが敗れてしまいました。
そう言えばJBはスラムダンク・コンテストにも出ました。
が、大味なダンクで予選通過はなりませんでした。身長の高い選手は採点競技のダンクコンテストでは不利になるんですね、出来て当たり前ですから。
さて前号では「ビーコル快進撃」と書きましたが、その後は3勝5敗と負け越してます。
でもそれほど心配してません。何故ならその相手は沖縄(28勝6敗)、宮崎(15勝19敗)、大阪(24勝10敗)、京都(24勝12敗)と宮崎以外は強豪チームです。特に沖縄は断トツの強さを示しており、そこに79-82とあと一歩のところまで追いこんでおり、他チームには1勝1敗と星を分けています。私は、沖縄、大阪、京都相手に2勝4敗あげれば上出来と踏んでましたが、ピッタリです。
今後の対戦相手は勝率が6割に満たないチームばかりの上、イースタン・カンフェレンスでビーコルより上位にランクされてる富山、新潟は沖縄、大阪戦を残しているので、終盤になれば成績が下がってくるのと反比例して、ビーコルの調子と順位が上がって行くはず、と踏んでます。
bjリーグのプレーオフは各カンフェレンス上位6チームが参加できますが、現在ちょうど6位。そんな意識の低いことでなく、ホームコートの権利を得られる4位以内を目指して頑張ります。
皆さんも会場へブーストしに来て下さい!!
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
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