vol.50「見るバスケット」
バスケットはご存知のようにアメリカで生まれアメリカで育ち、全世界に普及したスポーツです。
アメリカ育ちということは「魅せる」スポーツでもあります。バスケット自体が面白い競技ですが、それに輪をかけるように、アリーナ全体が一つのエンターテインメント会場となっていて、雰囲気は学生プロ(NBA)共に熱気に満ち溢れていますが、特に大学は熱狂的なブースターが多く見受けられます。
また、最近のNBAではチームグッズのショップが充実していて、広いスペースを取っているチームが多くなりました。
<NBAサンアントニオ・スパーズの売店です>
雰囲気が良いのはゲームの質が高い、ということもありますが、ブースターと観客を飽きさせない工夫がなされていることも見逃せません。
また、他の競技に比べ、休憩時間が多いのはバスケットの特徴の一つかもしれません。競技自体が激しいので、どうしても休憩時間が多くなるのでしょう。
バスケットは10分(NBAは12分、中学とミニは短い)間のピリオド(クォーター)×4から成り立っていて、各ピリオドは前後半それぞれ2回ありますが、ピリオド間に休憩があり、チャージド・タイムアウトもゲーム全体で最多5回取れます。そうなるとハーフタイムを除いても小休止が最多で12回はあります。
その上、アメリカでは「コマーシャル・タイムアウト」とも呼ばれる「オフィシャル・タイムアウト」があります。
NBAは勿論、有名大学のTV中継はコマーシャル用に定時にタイムアウトが設けられています。日本のbjリーグでもそれを見習って各ハーフの残り5分を切ってボールがデッドになった時に自動的に「オフィシャル・タイムアウト」が告げられます。
他にもNBAとbjリーグは「20秒タイムアウト」が取れるシステムになっているので、数え切れないほど休み時間があります(笑)。
<天井のスコアボードにブースターが映し出されると盛り上がります>
そこでチアガール達の出番となります。短い時間でも飽きさせないように、ダンスや演技のパフォーマンスを見せたりチーム・マスコットが登場して場内を盛り上げます。
<ケンタッキー大のマスコットのワイルドキャッツの着ぐるみ>
<ビーコルのチアです>
そしてハーフタイム。カテゴリーによって違いますが、15分から20分の休憩時間があります。
ココは各チームとも腕の見せ所で、色々とイベントを企画します。
イベントは大きく2パターンに分けられます。
一つはトランポリン等を使ったアクロバット・ダンクを始めとするパフォーマンスを見せるもの。
<コートをバイクが疾走してる!!>
もう一つはシュートコンテスト等のブースター参加モノ。アメリカでは決まった数箇所から時間内にシュートを決めるものや、センターラインからシュートして入ったら賞金5万円、みたいなものもあります。
<ドリブル競争です>
<これは現金運び、スコップで運んだ金額だけ貰えるらしい>
もちろんチアのパフォーマンスも凝ったモノを考えます。
<ビーコルのチアパフォーマー達>
これらは現在横浜ビー・コルセアーズでも行っていて、特にチアガールの「ビー・ローズ」は綺麗な子が多く演技や構成も良いと評判です。
とはいえ、今まで書いてきたものはアメリカの真似で、いずれもTip Off(ゲーム開始)から終了までの2時間10分程度の時間内で終わるものばかりです。
そこでビーコルは見に来てくれた人に3時間楽しんで貰うため、Tip Off前から楽しめるようにと考えてます。
なにせ日本ではバスケットの観戦習慣は乏しいため、多くの人はゲーム開始10分前くらい、早い話「Tip Offに間に合えば良い」程度にしか考えてないのが現実です。
事実、記者である私もその程度の感覚でした(汗)。
でもそうじゃなく「1時間前に来て場内の雰囲気を楽しんで、盛り上がった状態でTip Offを迎え、そのままゲームに突入!」という感覚に、多くの人がなってくれるようにしたいのです。
現在はチアパフォーマー(チアをする人の総称)がチーム練習の最中に、応援の指導(ビーコル初心者用の応援練習)のあとに実践、そうやって段々とブーストアップしてスタメン発表を向えTip Offへ繋がって行くのです。
ただそれだけで満足はしてません。ビーコル初心者だけじゃなく、バスケット初心者にも楽しく1時間を過ごしてもらうための工夫を考えているところです。
11月15日現在は4勝6敗と負け越してますが、年を越えた辺りから強くなってくるはずです。
会場へ足を運んでビーコルの応援はもちろんのこと「3時間たっぷり楽しむ」そして明るい気分で帰宅していただきたいと考えています、ビーコルを楽しみに来てください。
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
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