vol.40「金総負け」
新年明けましておめでとうございます。
新年早々おめでたくない話題で恐縮ですが、県立金沢総合高女子(通称・金総)がウィンターカップで負けてしまいました。
前号で優勝を狙っている、と書きましたが、準々決勝で大阪薫英女学院に敗れちゃったんです。
1回戦はシードのため2回戦から始まり、鳥取県の倉吉北高と対戦。ここには183cmで動ける中国からの留学生#10馬伊娜がいてインサイドで39得点されたものの、金総は得意の強いディフェンスで他の選手の得点を許さず98—66と問題なく勝ち進みました。
このゲームで#7宮澤夕貴はベンチスタート(スタメンではない)となっていて、プレータイムも半分も行かない15分となってます。それでも余裕の勝利です。
3回戦は宮崎県立小林高ですが、ここも前半で48-30と大差をつけ、メンバー全員出場の上108-65で勝ちました。
11月に行われた神奈川県ウィンターカップ予選では宮澤以外の出来が悪く、1ヶ月前に行われた横浜市台北市親善ゲームでは3年生の#14柳瀬さつき以外は宮澤も含めて全員の調子が悪くて心配でした。
「3年生がシッカリしてない」 と以前から星澤先生が言ってましたがその通りになってしまったわけですね。
その為か、ウィンターカップではスタメン以外の3年生をエントリーから外して登録しました。これは星澤先生流の気合の入れ方だったのでしょう、その証拠に直前のエントリー変更で3年生3人を戻しています。
それが効いたのか、3年生を中心に、ディフェンスも良く3P(スリーポイント・シュート)も数多く撃っていました。3年生#11井関夏美は4/7で18得点、柳瀬は2/10で12得点、昨年末に急成長した2年生#4岡村郁美は実に4/4で23得点でした。
しかし少し気になったのがその3Pの確率です、38本撃ちましたが成功したのは12本、確率31.6%と低いことです。3回戦なので、せめて35%、出来れば40%ほど決めて欲しかったですね。
金総スタメン
いよいよ準々決勝、相手はインターハイ第1シードだった岐阜女子高をディフェンスと高さで74-53と圧倒的強さで下してきた大阪薫英女学院高です。
このチームは185cm#14畠中春香、183cm#10今仲里安というセンターに、フォワード陣は#6吉川裕子、#7大濱杏華、#9岡萌乃、#12北村悠貴等170cm台がゴロゴロいるうえ、ポイントガードが#4坂井郁香170cmという大型チームなのです。
大型チームなのでペイント内(ゴール下の台形部分)だけのチームと思いきや、FG(フィールドゴール、野投)の3Pと2Pの試投数の割合を見ると約2:3で3Pも多いチーム、つまりインサイドもアウトサイドも強いということなんです。
それでも宮澤が健在なら金総に勝機は見い出せますが、その宮澤が3日前から38度の高熱を出し体調が万全でない上、左足首を捻挫してます。
自分より大きな選手2人と戦うにはハンデがありすぎです。
金総のスタメンは#7宮澤(180cm)、#8河瀬ひとみ(173cm)、#11井関(161cm)、#13飯田都季(156cm)、#14柳瀬(169cm)
対する薫英は162cm、170cm、170cm、174cm、183cmです。
この状態で全ポジションでミスマッチ(身長等で差が生じること)を起こしてます。
金総vs薫英Tipoff
金総最初のシュートは左足首にガッチリとテーピングしている怪我の宮澤で、いきなりポストでシュートを撃ちました。これは気合が入っている証拠ですが、決まりませんでした。その後、頼れる柳瀬が3Pを決め、宮澤もハイポストからシュートを決める一方、得意のディフェンスが効いて残り7分で7—0と好調なスタートを切ったように見えました。
しかし6分に薫英は174cmの大濱に替え、本来はスタメンの畠中を投入して来ました。これでインサイドは183cmと185cmのツイン・タワーで、対する金総は宮澤が180cm、河瀬が173cmとかなり小型です。
その上薫英は3Pが入ったことをきっかけにディフェンスをフルコート(全面)のゾーンプレスに出て来ました。
これでリズムが変わり、流れは薫英に傾いてゆきます。
全ポジションで大きい上に強いディフェンスで当たられ、シュートが良い状態で撃てず、逆転されます。
いつもなら宮澤がポストでシュートを決めてくれるはずなのに、足首捻挫で踏ん張ることが出来ず、高い身体能力を活かしたシュートもバランスが崩れてシュートが入りません。
それでも金総は強いディフェンスで相手の得点を抑え13-16で第1Q(クォーター)を終えます。
第2Qに入り金総はゾーンプレスやM2M(マンツーマン)プレスで抑える一方、飯田等がシュートを決めるものの、6分には薫英・坂井に連続して3Pを決められ30-20と離されます。
それでも井関、宮澤が得点して30−42でハーフタイムを迎えます。
後半薫英はツインタワーを起用するものの、インサイドが狭すぎて機能せず、1センターに戻します。これでスペースが出来たためか逆に外から坂井が3Pを決めます。
金総も飯田がペネトレイトを決めるが柳瀬、岡村のフォワードがシュートを決められない。ガード陣も得意の3Pを決められず、結局は宮澤のポスト・プレー頼みだが、いつものようにはシュートが決まらなく、ズルズルと差は開く一方で、49-65で第3Qを終了。
勢いは薫英にある。最終Qもディフェンスで頑張るもののミスマッチはいかんともしがたく59-86でウィンターカップは準々決勝で終わりました。宮澤の怪我が響いた大会でした。
ちなみに薫英は準決勝で、準優勝した中村学園女高と対戦して、大接戦を展開したものの、残り6分で坂井が怪我で退場となったため敗れてしまいました。坂井はウィンターカップ女子ベスト5に選ばれています。
敗れてしまったものの、現在のチームには下級生がゴロゴロいます。
何しろ現チームの柱の宮澤がまだ2年生なんです。努力の河瀬、進境著しい岡村だけじゃなく#5酒井愛、#16小原ひかる、#6吉成円も2年生です。そして1年生には#10稲井、#12仲鉢咲、#9荒木千広も控えてます。
特に目立って上手い選手はいないものの、潜在能力は高く、全体のレベルは確実に上の新チームです。
勝負が決まった後に下級生を投入し、来年に向け既にスタートを切っている星澤金総です。
さあ次はビーコル(bj横浜ビー・コルセアーズ)の話です。
21日(金)は4回目のBP(ブースター・パーティー)です。
今回の目玉は「チームロゴの発表」
前回も告知しましたが、これは一般公募して昨年末に締め切りました。応募点数は85点。結構レベルの高い作品が集まりました。九州のデザインスクールから集団での投稿があったり、県内では県立寒川高では授業で取り上げてもらったりしました。
どれに決まるのか、それは21日のお楽しみ!!
なおキャラクターも募集してましたが、応募点数も少ないため、締切りを2月末まで延長しました。
このパーティーはブースターの人じゃなくても参加できますが、一応お申し込みをしてください。勿論、当日会場でブースター会員へのお申し込みも出来ます。
お問い合わせ先は info@yse-basketball.co.jp
BPの詳細については http://kanagawa2010.blog6.fc2.com/ をご覧ください。
会費2,000円ですが、簡単な食事とお酒がついてこの価格は安すぎですよ!
何しろ毎回赤字ですから(笑)
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
※タイトル・本文に記載の人名・団体名は、
掲載当時のものであり、閲覧時と異なる場合があります。