Vol.15 女バス
12月20日から「女バス」と言う映画が公開されます。
タイトル通り高校の女子バスケット部を描いた作品です。丁度これからウインターカップ(http://wintercup.jabba-net.com/2008/index.html)が始まるので、金沢総合高校(以下金総)女子とイメージがダブりますね。
尤もこの映画は日本ではなく、アメリカのシアトルにあるルーズベルト高校と言うごく普通校の弱い女子チームを7年間追い続けたドキュメンタリーです。
(C)2007 Woody Creek Productions
ストーリーはコーチ公募から始まります。これなんか金総と言わず、日本とはまるっきり違いますね。合格してコーチになったのは地元ワシントン大学の教授、それも税学を教えています。体育の先生じゃ有りません。その上コーチ経験はゼロです。オーマイガッ!!
ビル・レスラーと言うこの教授は技術を教えるのではなく、モチベーションを高めたり、チームワークを良くする事に重点をおきます。そしてチームへの忠誠心や忍耐と言うことを教えます。少なくともこの映画では技術を教える場面は出てきません(笑)
毎シーズン選手に合わせたスローガンを作ります。名文句が結構あるのですが、忘れましたm(__)m
勝負事なので勝つこともあれば、負けることもあります。負けても彼女たちは他人のせいにはしません、自分たちで受け止めます。時には衝突もしますが、綺麗ごとだけではチームは強くなれません。正面からぶつからないと駄目です。彼女たちは自分たちだけでミーティングして前向きに考えます。
私が一番印象に残っていたのは、ゲームの最後のチャンスに選手がミスをして負けた時のロッカールームのことです。
「負けた責任は最後のプレーあるんじゃないわ。全力を出し切って戦ったことに意義がある」と言ったチームリーダーの言葉です。高校生なのにこんな立派な事を言うなんて、偉い!!!!
敵はコートの中だけじゃないんです。WNBA(NBAが管轄する世界最強の女子プロリーグ)でも通用するのでは、と言う逸材が居るのですが、彼女に問題が起きてしまいます。
ダーニリア・ラッセルと言う黒人が入ってきます。母親が教育のために、黒人が多い高校には入れず、白人の多いルーズベルト高に入学させたので、引っ込み思案な彼女は少し馴染めなかったようです。
バスケット部へもすんなりと入部したわけでは有りません。
ここらあたりで、なんか変な予感はありましたね(笑)
最初のトラブルはやはり部内の対人関係です。しかしこれは彼女達自身のミーティングで解決してやれやれ、さあ州の大会目指して頑張ろう、と思ったのも束の間、またもダーニリアが問題を起こしてしまいます。
この問題はいかにもアメリカ、と言う感じですね、最近は日本でも多いようですが。
そうです、彼女が妊娠したのです。そのため学校を辞め(休学?)、出産して子供を育てると言い出しました。
バスケットどころじゃありません。
子育ては彼女の母親の助けもあって高校へも戻れるようになり、チームへも戻って再スタートを切るのですが、またしても問題が。
通常の対外試合は問題ないのですが、州の大会へは出場資格が無いと言われます。出産で1年間のブランクがあったので、年齢制限に触れるというのです。
そこでアメリカ得意の裁判です。チームのメンバーを含めた署名活動もあったりで、却ってチームの結束が強くなったようです。
チームも強くなって、州大会の上のほうまで行くことになります。
となるとエースのダーニリアの出場が不可欠となります。出る出ないは勝敗に大きく影響します。
裁判の結果が気になるところですが、大会の結果と共にそれは映画を観てのお楽しみ(笑)
ただこれはドキュメンタリーなので、ハッピーエンドとなるかどうかは???
今までのバスケット映画はフィクションが多くて、ゲームや練習の場面も怪我をしないようにと言う配慮から、迫力のないつまらないプレー場面が多かったのですが、これは違います。
高校の女子なので、スピードという点では劣るかも知れませんが、結果が判らないこともあって迫力のありましたね。
バスケットを通してアメリカの文化に触れたり、違いに感心したり。
特にゲームの場面は面白いです。高校にしては大きくて、階段式の客席がすぐそばにあるアメリカ的なアリーナ。そこで応援する方法も、人間もアメリカ的です。
日本も真似して欲しいな!
単なるスポ根ではありません。バスケットが好きな人は勿論、女子スポーツの指導者や女子高校生の親にも是非とも鑑賞していただきたい映画です。
(C)2007 Woody Creek Productions
ただこんな良い映画なのに、上映されるのはたったの一軒だけです。それも朝一番と最終だけのモーニング&レイトショーだけと言うから、少し立腹です(笑)
でも場所は「渋谷シアターTSUTAYA」。東急文化村の近くです。横浜から東横線で一本ですから行き易いでしょう。
モーニングは9時55分から、レイトショーは20時50分から。上映時間は1時間50分ほどと言うことなので22時40分に終わります。
「女バス」公式ホームページ 予告編もあります。http://www.jobas.jp/
ウインターカップは渋谷に近い千駄ヶ谷の東京体育館で開催されてます。見に行く前とか、終わってからショッピングを済ませた後に観るなんて良いかも知れません。
ウィンターカップ金総のゲーム 組み合わせ↓
http://wintercup.jabba-net.com/2008/bracket.html?mw=2
1回戦 23日(火)13時00分 vs滋賀短大附高
2回戦 24日(水)13時00分 vs常葉学園
3回戦 25日(木)11時30分 vs ???
準々決勝 26日(金)10時00分 vs東京成徳の可能性大
準決勝 27日(土)10時00分
決勝 28日(日)12時00分
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
※タイトル・本文に記載の人名・団体名は、
掲載当時のものであり、閲覧時と異なる場合があります。