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あんどうたかおのバスケにどっぷり

Vol.8 高校女子バスケ

前回は高校男子についてお話しましたので、今回は女子です。

遠い戦前、戦中の昔のことは判りませんが(笑) 有りましたよ、凄い記録が。昭和28年の第6回大会で横浜平沼高校が準優勝してます。歴史がありますね。

私がバスケットに携わるようになった40数年前を振り返って見ると、県商工、東横学園、桜ヶ丘あたりがIH(インターハイ)に出場してました。それから歴史は変わって行きますが、横浜は他市に比べ公立高が強いのが特徴でしょうか。

それでは男子同様ザクっと地区ごとに解説しましょう。

◇横浜北地区
この地区は31校が参加していますが、伝統校や圧倒的に強い高校と言うのは無く、公立高が中心となった中堅的な地区でした。白鴎女高が京浜女商だった昔は全国レベルのチームでしたが、現在はその名残もありません。

しかし10年ほど前から県立荏田高が伸びて、今は県でも一、二を争う強豪校となり、春の新人戦では遂に県のトップに立ちました。他にも県レベルでは県立市ヶ尾、県立川和、県立霧が丘、県立城郷、県立田奈等の公立が圧倒的に強いのですが、最近は桐蔭学園、法政女等の活躍も有ります。

◇横浜中地区
ここは26校が参加していますが、市の中心部だけあって伝統校も多いのですが、なんといっても県立横浜平沼高校でしょう。実は確認のためIHのプログラムを調べたところ表記は「平沼高校」となっていました。文部科学省管轄の大会ですから、校名は正式なものが書かれています。翌年の優勝校の表記は「浦和第一女子高校」となっています。ひょっとして「平沼高校」と「横浜平沼高校」は違う学校かな?

急に不安になってインターネットで検索しました。横浜平沼高校の公式ホームページにもWikipediaにも「女子バスケインターハイ準優勝」なんてこと一言も書いてません。
やっちゃった! 早とちりだったのか? でも、違うと言う確証もないのです。と言うのも単に「平沼高校」で検索しても「横浜平沼高校」しか出てこないからです。

そこで思い出したのが「高村さん」です。横浜市バスケット協会の事務所があるタカムラ・スポーツの親父さんです。電話したら大正解(笑)
日本バスケット協会の審判だった桂さんがコーチをして強くなり準優勝したとのこと。

それにしてももっとアピールして欲しいものです。全国準優勝ですよ。現役選手もそれは知ってるのでしょうか(笑)

その後は桂さんが辞められ市立桜ヶ丘や南地区の県立立野や北地区の東横学園大倉山が台頭してきました。

現在は、県立金井、県立上矢部、県立保土ヶ谷、県立松陽、県立横浜平沼、県商工の公立勢が強く、数年前まで県上位レベルだった横浜清風が元気ないのが寂しいですね。

◇横浜南地区
25校が参加の南地区はどうしても女子と公立のイメージが強いですね。市立金沢がIH出場している伝統校で、他にも県立緑ヶ丘高、県立立野高、市立南、市立みなと総合、市立横浜商と横浜山手女子が県レベルです。

しかしここには桁外れの強豪高があります。正に全国レベルで、それもトップレベルです。
神奈川県と言わず全国でもバスケットをやっている人なら一度は聞いたことのある名前「金沢総合」って言うのは少し無理があるかな(笑)
でも「富岡」と言われると納得するでしょう。全国大会3度の優勝を誇る名門です。04年に県立東金沢と合併して「県立金沢総合」となりました。

1977年に星沢純一が体育の教師として赴任してから歴史は変わってゆきました。
当時日本リーグだった日立戸塚チームに胸を借りて強くなり、全国デビューは7年後の84年秋田IHでした。
そして加藤貴子(180cmシャンソン化粧品、日本代表メンバー、アトランタ・オリンピック出場)さんを中心としたメンバーで初優勝したのが88年神戸IHです。たったの11年で日本の頂点に立ちました。
ご存知のように県立高です。

多くの高校スポーツがそうであるように、頂点を極めるとなると、中学の優秀選手を集めて指導することになり、全国から選手を集められる私立が優位になってきます。
女子バスケットでもこの30年間で優勝した公立高はたったの2校です。

そして10年後の98年の高知IHでも優勝しました。
高校バスケットはIH、国体、ウィンターカップがメインの大会で、これを全部取ると三冠と言いますが、国体は基本的には選抜チームで出場するので、学校としてはIHとウィンターカップがメインの大会となります。

夏のIHに対して冬のウィンターカップと言われますが、これも取っています。
04年のメンバーは例年に比べると小ぶりでそれほど期待されたチームでは無かったのです。大きなセンターやフォーワードが居るわけでは有りません。強いて言えば、3ポイントシュートの入るガードと、真面目にプレーするセンターが居たくらいです。どのチームからもマークされてなかったのも結果的には良かったかも知れません。

一戦ごとに力を付けていったうえに、運が味方してくれました。星沢がライバル視していた大型チームの東京成徳が2回戦で敗れるという波乱があったのです。そんなこともあり、あれよあれよと言う間に決勝です(笑)
決勝では小柄ながら体の使い方の上手い渡辺がインサイドで、大型フォワード蒲谷と清水が得意の3ポイントシュート、期待の新人中畑がドリブルでかき回す、と言うバランス良い攻撃で83-76で勝ってしまいました。
富岡から金沢総合となって初年度での記念すべき年の優勝です。強運ですね。

さてIHは88年−98年と10年おきに優勝してます。と言うことは今年かな?

流石にそれは無理なようです(笑)
ただし能力的に優れた選手が下級生に多いので、今年そこそこの成績を収め、来年か再来年を狙っているようです。

星沢先生は自校の指導だけでなく、日本バスケットボール協会(今評判が悪いですね(^_^;))のジュニア世代の指導のトップでもあったため、国際大会に日本代表を連れて行きますが、その相棒となっているのが荏田高を強くした講武達雄先生です。この二人が横浜のみならず神奈川県、ひいては日本高校生をリードしてきたわけです。


星沢純一先生

自分の名前をもじって「公立の星」と言われるのが好きな星沢先生ですが、一度就職してから東京教育大に入り直した苦労人でもあります。

横浜の女子高校生のレベルは高いですよ。一度観戦に行っては如何ですか?

現在はIH神奈川県予選のそのまた予選の最中です。各地域ごとに17日まで毎土日曜にやってます。
組み合わせや会場はインターネットで調べて下さい。

横浜地区はhttp://www1.ttcn.ne.jp/~basket/koko/08sotaiyosen-b.pdf 

その後は県大会本番となって6月いっぱい予選を行います。多くの3年生にとってこれが最後の大会なのです。

なお6月に行われる関東大会に横浜市からは、男子は市ヶ尾、女子は金沢総合、荏田、上矢部の4高が出場します。ここも女性上位だ!!

(一部敬称略)

あんどうたかお プロフィール

1946年生まれ。

月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。

現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。

NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。

過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。

横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。

現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。

また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。

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