Vol.7 高校バスケ
日本のバスケット界は下はミニバスから上はマスターまで、様々なカテゴリーに分かれますが、見る(見られる)スポーツとしての人気は、どのカテゴリーが人気有ると思いますか?
先ず考えられるのはプロのbjリーグやナショナルチーム(全日本代表)の多いJBLですね。
年間とかシーズンを通しての累計で見れば、上記のどちらかと言うことになりますね。1会場当たりの集客数と言うことを考えると、平均3千人ほどでしょうか?
ところがもっともっと観客が集まるバスケットの大会(ゲーム)が有るんです。千葉の船橋で行われた05年の大会では初日から満員御礼です。06年の大阪大会では第一ゲームが始まる前に満員になって、順番待ちの観客が2千人以上もいました。
大阪は交通の便の良い難波駅から徒歩5分ほどの所ですから人が集まるのは判りますが、交通の便が悪くて船橋は最悪でした(笑) 西船橋から東葉高速鉄道とか言う、やたら料金の高い電車に乗り換えて、船橋日大前駅まで15分ほど、降りてからも中途半端に10分くらい歩いたかな?
そんな不便な場所での開催でも、第一ゲーム開始時に入り口に着いても入れなかったとか。
インターハイはいつも公共の大きな体育館で決勝は行いますが、日立大会では大きい体育館が無いため、隣の陸上競技場に移動用のスクリーンを用意して、そこにゲームを映しました。熱気で蒸し暑い場内より、日陰で風通しの良いスタンドで見てた方が良かったとか言う人も居たようです(笑)人口の少ない地方都市でもこれですからね。
ただこれはインターハイ(高校総合体育大会)なので入場無料です。
只だから人が集まったのだろう、と思ってませんか?
有料でもキャパ(収容人数)1万人を超す東京体育館を満杯にさせる大会が有る、と言ったら驚くでしょう。別にテレビ局が動員してるわけじゃありませんよ(笑)
毎年12月末「年の瀬も押し迫って、、、」とテレビで頻繁に言われる時期に開催され、「仕事納めをして、その足で東京体育館へ行くのが恒例になっている」と言う人が居る程人気の大会は「ウインター・カップ」です。出場選手の親戚縁者だけじゃなく、一般の人も多い大会となってます。
神奈川県や横浜でもこのカテゴリーの大会(入場無料です)の決勝は毎年3千人ほど収容できる体育館で行われますが、座れなくて立ち見まで出るほどです。
もっともこのカテゴリーはバスケットに限らず野球、サッカー、バレーボールでも人気が有ります。
お分かりですね、そう高校生の大会です。
それじゃ「高校生バスケットの魅力って何?」って聞かれると、一瞬考えちゃいますが(笑)
中学生と比べると、技術やスピードがあって、ミスも少なく安定性がある。
しかし大学生に比べられると、下手だしスピードも無く、シュートもイマイチ、と言うところが有ります。
それじゃ大学生の方が人気有る筈ですが、そうじゃない。
大学生は相当大人(プロ)に近く、選ばれた選手の集まりなので、期待度が高くなるけれども、期待するほど技術力が高くは無い、と言う中途半端なところが多い気がします。
それに対して、高校生を見る目は「未だ高校生だから、ミスしてもしょうがない」とかの同情もあるような気がしませんか。
その上、ある程度選ばれた選手も多いため、チームとしてのレベルは中学生に比べると高いので、ミスが少なく、バスケット的プレーが多くなっています。
生意気そうなカッコしてても、高校生は可愛いところがありますからね(笑) 勝っては泣き、負けては泣き、、、
だから可愛いです(笑)
神奈川県の高校の仕組みをサクッと説明しましょう。
男子210校、女子200校以上にバスケット部があって、県内を9ブロックに分けて地区大会を行ってます。
県大会は「関東大会予選」「インターハイ予選」「新人戦」の3大会が毎年開催されますが、地区大会を勝ち抜いた数校が出場できます。そして関東大会へは男女各5チーム、インターハイは男女各2チーム、新人戦関東大会にも男女各2チームが県代表として出場します。
70校以上が登録する最大規模を誇る横浜は北、中、南の3地区に分かれます。
横浜の高校生事情を、男子からサクッと説明しましょう。
全国的なレベルと言うと私学が上位になりますが、常にそれを脅し、時には勝つことがあるのが公立高です。全国を狙う伝統校は夏に向けて調整しますが、受験等の関係で地区や県で勝つことを目標とすることが多い県立高校は、早めに仕上げるため新人戦や関東大会予選で勝つことが多くなります。
◇横浜北地区
慶應高はインターハイ準優勝を誇る伝統校です。一時県大会出場も危ぶまれた時期も有りましたが、最近復活の兆しが見えてます。桐蔭高も数年前にはインターハイ出場を果たしています。しかし強いのは県立霧が丘や県立市ヶ尾と言う公立高です。昨年は県立横浜翠嵐高、県立田奈高も県でよい成績を残してます。
◇横浜中地区
伝統校は横浜商大高です。インターハイは常連で、ベスト8に残ったこともあります。それを追い上げるのが横浜清風高、県立希望が丘高ですが、元国際審判員の石田氏が指導する県立保土ヶ谷高がこの数年、急激に伸びて県でも上位に食い込んでいます。他にも県立松陽高、県立金井高も常連ですね。山手学院も面白そうです。
◇横浜南地区
南地区はどうしても女子のイメージが強いですね。県立緑ヶ丘高、県立立野高、市立南が県レベルです。横浜高も伸びてます。面白いのは偏差値の高い聖光学院高です。中学から一貫しているので良い選手が多いのが特徴です。
今挙げた高校以外にも強い高校、面白い高校は沢山あります。
たまには近所の高校の大会を覗いてみませんか? 地区大会は高校が会場になります。
既に春の関東大会の地区予選が始まってます。雨や風が吹いてもユックリと観戦できます。
その上入場無料ですよ(笑) 今度の週末はスリッパを持って体育館へ行きましょう。
組み合わせや会場はインターネットで調べて下さい。
北地区 http://www1.ttcn.ne.jp/~basket/koko/08syunkiyokokita.pdf
中地区 http://www1.ttcn.ne.jp/~basket/koko/08syunkiyokonaka.pdf
南地区 http://www1.ttcn.ne.jp/~basket/koko/08syunkiyokominami.pdf
*横浜以外は神奈川県バスケットボール協会公式HP http://www1.ttcn.ne.jp/~basket/ の一番下 第62回関東高等学校バスケットボール選手権大会神奈川県予選会 兼 平成20年度神奈川県高等学校春季バスケットボール大会 ●地区予選組合せ・日程・途中結果更新 から入って下さい。
1946年生まれ。
月刊専門誌「バスケットボール・イラストレイテッド」の編集長を経て、バスケットボール用品のデザイナーとして活躍。特にキャラクター「あんたかベイビー」のTシャツは一世を風靡した。日本初のバスケット・ユニフォームデザイナーとしても活躍。当時強豪と言われる殆んどのチーム<実業団-大学-高校>に関して何らかのデザインを手掛けている。またスポーツ界では唯一のファッションのコラムを持っていた。
現在は自身のユニフォーム・ブランド「305」を立ち上た。
NBAに関しては「月刊バスケットボール・イラストレイテッド」編集者時代の1966年から連載を執筆。TV解説はNHK BS以前にも東京12チャンネルで1985年から行っており、日本最古のNBA解説者と言われている。
過去にはスポニチウェブサイトのNBAコラムを担当。月刊バスケットボール及び月刊バスケットボール・マガジン等に連載を持っていた。
横浜の中学・高校バスケの指導者、関係者とのつながりが深く横浜及び神奈川県のバスケ事情に精通している。
現在は横浜をホームとするBリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」の名誉広報として情報発信やプレス対応などチームの広報活動に力を注いでいる。
また(社)神奈川県バスケットボール協会広報顧問も務めている。
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